「もらとりあむタマ子」:現代の「晩春」か?
映画『もらとりあむタマ子』は、山下敦弘監督久々のノー原作オリジナル作品。やっぱりこの人は、こっちのゆるゆるオフビート路線の方が資質に合っていると思います。まあ、今まではダメ男路線だったのを、今度はダメ女路線でやってみたわけですね。
とにかく前田あっちゃんが、グズグズダラダラで相当ダメな人なのです。普通アイドルはこういう役やらないだろってぐらいのだらしなさであります。それを前田敦子が「本人もダレダレのだらしない人じゃないの?」ってぐらいリアルに演じちゃってます。
秋-冬ー春ー夏という時の流れの中で・・・何も起きません(笑)。でも、それを見せ切るあたりが向井(脚本)-山下コンビのワザではありますね。なんかもっとずっと見ていたい感じ。シリーズ化してもいいぐらいです。
富田靖子が出ていてびっくり。魅力的だけど、『鈴木先生』の時よりも、なんか妙に細長くなっちゃいましたね。 あとタマ子の舎弟みたいな中学生の男の子も、いい味出してました。
タマ子とお父さんの関係って、現代の『晩春』(小津)みたいだって気がしないでもありません。父の再婚話を受け容れられないところなども含めて。
78分なんですよ、この作品。これぐらいの長さの映画ってラクでいいなぁ。もうちょっと増えてもいいと思います(ついでに値段も押さえ目にしていただければ、と)。
| 固定リンク
コメント