「すべては君に逢えたから」:もっと脚本練らないと
映画『すべては君に逢えたから』は、公称6つのエピソードをからませながら描く、いわば日本版『ラブ・アクチュアリー』ってことで、しかも時節柄クリスマスがらみの恋模様ってことで一定の期待をしていたのですが、あちゃーダメでした。
すべてのエピソードの類型的よくある感と浅さ、偶然に頼ったり、人物の行動が不自然だったり、死病で泣かせたりと、まあ脚本が練れていないとしか言いようがありません。ハリウッド(および往年の邦画)のホン作りだったら、数人の検討の中ですべてダメが出て書き直しになるパターンです。ワーナー配給なのに、こういうところはハリウッド流にならないのですね(脚本は橋部敦子)。 それぞれのエピソードとエピソードもほとんどからまっていかないし。何とも芸がありません。
登場キャラクターの人物像も残念ながら魅力的な人があまりおらず、その人たちのラブストーリーを見せられても共鳴できなかったり、説得力がなかったりです。玉木宏はただ傲岸なだけみたいに描かれているし、木村文乃と東出昌大の二人は今この調子だと結婚しても絶対うまくいかないなあなどと思えてしまいます。(どうでもいいけど、時任三郎と東出昌大が結構似ていることを発見してしまいました)
大塚寧々さんと倍賞千恵子さんと本田翼さんが感じ良かったのがせめてもの救いです。
それにしてもせっかくJR東日本の全面協力で東京駅を使わせてもらっているのに、あまり効果的に使われず、描写としても魅力的だったのはドームを見上げたショットぐらい。クリスマスツリーもいまいち中途半端なサイズでしたし、かえすがえす残念なことではあります。
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