「ウォールフラワー」:残っていく作品

映画『ウォールフラワー』は'80年代が舞台とは言え、もっと普遍的な、あらゆるジェネレーションに共通な青春を描いた佳作。原作は現代の『ライ麦畑でつかまえて』と称されるとのことですが、なるほどそんな匂いもありますね(主人公とホールデン・コールフィールドはだいぶ違いますけど)。

主役3人+αのコンビネーションの良さに、その切なくもなさそうでありそうでやっぱりなさそうな関係に、随所で胸が少々動揺します。「壁の花」な主人公くん(ローガン。ラーマン)はなぜかタカアンドトシのタカに似ているし、ゲイの自由人くん(エズラ・ミラー)はアメリカの松潤みたいだし、そして何といってもエマ・ワトソンがラヴリーでたまりません。彼女、演技もリアルに素晴らしいですし。
この映画、もろもろのディテールが(こちらの心をくすぐってくれて)良いのですけれど、最高なのは『ロッキー・ホラー・ショー』だあ! 劇場で定期的にライブ上映会が行われていることがドラマ上も生かされていますし、スクリーンに映し出されるあの映画を前に、まんまコスプレの連中が完コピ芝居をシンクロ実演するって趣向。エズラ・ミラーのフランケンフルター博士もピッタリのキャスティングですし、エマ・ワトソンがスーザン・サランドンのジャネットに扮しての「タッチャ・タッチャ・タッチ・ミー」なんて、もう最高です!

主人公とエマ・ワトソンとの初キス・シーン(そこに至るまで)の胸キュンものの美しさといったら! そして3人が車を走らせるトンネルから橋へと至る場面も、胸かきむしるような若き日の情感に溢れているのでありました。
この映画は10年後、20年後・・・まで「残っていく」作品に違いありません。名場面が多い作品は、やはり残っていくのです。

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壁の花だって、咲ければいい。
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受信: 2013年12月 4日 (水) 00時49分
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小説家志望の少年チャーリーは、高校入学初日に自分がスクールカースト(生徒間の人気格付け)の最下層に位置付けられていることを自覚する。 だが、息を潜めて毎日を過ごしていた彼の生活は、陽気でクレイジーな兄パトリック、美しく奔放な妹サムという兄妹との出逢いにより一変した。 初めて知る友情と恋。 チャーリーの世界は無限に広がっていくように思えたのだが…。 青春ドラマ。... [続きを読む]
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ウォールフラワー
原題:The Perks of Being a Wallflower
監督:スティーヴン・チョボスキー
出演:ローガン・ラーマン、エマ・ワトソン、エズラ・ミラー、メイ・ホイットマン、ディラン・マクダーモット、他
2012/アメリカ
公式ウェブサイト
スティーヴン・チョボスキー自らの原作(1999年にアメリカで発刊)を、脚本、監督として映画化したもの。この映画作品には、正直、感激しましたね。
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成功の原因は、2つ。... [続きを読む]
受信: 2013年12月 5日 (木) 08時47分
» 映画:ウォールフラワー The Perks of Being a Wallflower エマ・ワトソン主演、高校時代の青春もの。 [日々 是 変化ナリ 〜 DAYS OF STRUGGLE 〜]
タイトル、ウォールフラワーの意味は、原題から理解できる。
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» あの頃/壁の花~『ウォールフラワー』 [真紅のthinkingdays]
THE PERKS OF BEING A WALLFLOWER
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受信: 2013年12月 9日 (月) 20時41分
» ウォールフラワー [to Heart]
さよなら、壁際の僕。
原題 THE PERKS OF BEING A WALLFLOWER
製作年度 2012年
上映時間 103分
原作:脚本:監督 スティーヴン・チョボスキー
出演 ローガン・ラーマン/エマ・ワトソン/エズラ・ミラー/メイ・ホイットマン/ジョニー・シモンズ/ジョーン・キューザック/ポー...... [続きを読む]
受信: 2013年12月14日 (土) 22時57分
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