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2013年12月22日 (日)

「キャプテン・フィリップス」:手に汗握るリアルな攻防

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映画『キャプテン・フィリップス』は、がっしりした「映画らしい映画」。こういうVFXに頼らず(ま、地味に使用してますけど)、質的にも高いハリウッド娯楽作というのは少なくなっているだけに、みんなで映画館で観てヒットさせることが重要なのですよ。

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ポール・グリーングラス監督が『ボーン』シリーズや『ユナイテッド93』などでも見せていたドキュメンタリー・タッチや手持ちで揺れるキャメラなどを今回も用いて、迫真のサスペンスを演出しています。とにかくフィリップス船長(トム・ハンクス)は丸腰で超人でも何でもないところに、いかにもケンカっ早そうな敵は銃を突きつけていて・・・という状況が続き、気がついたら本当に「手に汗握る」でじっとりしていました。自分の生命がどうなるかわからないゾーンでの一進一退の攻防ですもんねえ。

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海賊たちが単純に凶暴なモンスターではなく、その背景やキャラクターもしっかり描写しているあたりが、作品の奥行きを深くしています。更にはトム・ハンクスの演技で作品の広がりが出ています。最終盤のトムの演技はやはり凄いものがありますね。この船長、実話に基づいているだけに、リアルに普通であって、アメリカ映画的ヒーローにはなりません。そこらへんのクサさを嫌う人にも、これなら大丈夫でしょう。現代的と言えるのでしょうか。

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それにしても、こんな危ない海域を通るならこっちだって武装するとか戦闘のプロを乗せるとかしないとダメなんじゃないでしょうか?あるいはNAVYとのホットラインを用意しておいて、すぐ援護できる体制にしておくとか。少なくともあんなボートとあんなハシゴごときにやられないような対策ぐらいちゃんと取ろうよ、と思ってしまいました(ねずみ返しみたいなものが出てくるとか・・・)。

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