「ほとりの朔子」:洒脱で上質な映画センス

映画『ほとりの朔子』が、気持ち良く素晴らしい出来栄え。珍しやスタンダードサイズの画面で、でもそんなことを忘れさせるような豊かな映画的世界でした。ポスター等にも使われている「ほとり」の場面は、絵画のような緑が光の反射で奇妙な映像となり、朔子の真紅のワンピースとの対比で、この世のものとは思えぬような不思議な視覚体験を味わせてくれます。
いろんな人がエリック・ロメール調だと言及していますが、確かに上質なフランス映画のバカンスものを観ているような感覚にさせられます。 夏だというのに涼しげな、「高原の避暑地」的温湿度の映像。ダイアローグのエスプリとスリル。男と女の間のやりとりや駆け引きの描写のさりげない巧さ。 それぞれにクセ者でありながら、愛すべきキャラクターたちもいいですねえ。
とにかくタイトルロールを演じる二階堂ふみが魅力的。それだけで勝ったも同然ですが、大賀、古舘寛治、鶴田真由、大竹直、杉野希妃ら周りの人々も適材適所に好演。そして何よりも深田晃司監督の映画的センスと演出力が最高です。一つ例を上げれば、「徹夜明けの、あの感覚」を見事に描けています。 劇伴音楽がないあたりも、これはこれで効いています。 こういう洒脱で上質な日本映画、増えて欲しいですねえ。
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コメント
> 徹夜明けの、あの感覚」を見事に描けています。
あああああああ、納得。
投稿: ふじき78 | 2014年2月 3日 (月) 04時24分