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2014年2月27日 (木)

「ぐリとぐら展」@松屋銀座

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松屋銀座で本日初日の『ぐりとぐら展』(~3/10)を見て来ました。なんでもこの本の誕生50周年を記念した展覧会だとのこと。大江戸は『ぐりとぐら』が大好きなので、とても嬉しい企画です。

約200点の原画を中心に、中川李枝子さんと山脇(大村)百合子さん姉妹による『ぐりとぐら』全7作品+αの世界を展観します。入ってすぐの大きな大きなたまごに、まずにんまり。大きな本の模型が並べられた展覧会場のデザインは、デザイナーの小泉誠さんが手掛けたそうです。シンプルで、白木のあたたかい質感がステキです。大きな本の模型には穴があいてたりして、子供たちが出たり入ったりして遊ぶんでしょうね、きっと。 会場内映像として、中川さんの講演や宮崎駿と中川さんの対談風景も上映されていました。

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最後のコーナーには『ぐりとぐら』各種や『いやいやえん』などを座って読めるテーブルとイスがありました。小生もウン十年ぶりに、『いやいやえん』を10分程で斜め読みしてしまいました。いや、たまたま小生の知っている人がこの作品の主人公「しげる」のモデルだったと聞いたもので・・・(びっくりです)。

『ぐりとぐら』は、絵の良さと共に、言葉のリズムが大きな特徴。そのまま歌えてしまいそうな七五調と、独特のワード・センスが最高なのです。ただ本展ではあくまでも絵にフォーカスして、言葉はあまり出てきません。まあ言葉までつけちゃうと出版物と変わらなくなっちゃうとか、それを図録に収録すると本を買う意味が薄くなるとか、色々大人の事情があったりするのでしょうかねえ?

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会場出口のグッズ・コーナーにはポストカード各種やハンカチ、メモ帳など数種の商品がありましたが、いつものこの会場のような数百点規模のマーチャンダイズはありませんでした。作者のこだわりか何かで?あまり商売カラーを出すことを良しとしなかったってことなのでしょうか? ちょっと残念。世の中の子供たちだって、ぐり・ぐらのぬいぐるみとか欲しいんじゃないのかなあ。 図録はレギュラーの展覧会篇と、薄めのインタビュー・対談篇の2冊組。そうそう、あのカステラの源は『ちびくろさんぼ』のホットケーキだってことも初めてわかりました。なるほど。焼き立てのカステラ(むしろ蒸しパンとかマーラーカオとか)が食べたくなりました。

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2014年2月26日 (水)

「ダラス・バイヤーズ・クラブ」:黒澤『生きる』の主人公にも似て

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映画『ダラス・バイヤーズ・クラブ』は、作品も役者も予想を上回る素晴らしさでした。マシュー・マコノヒーの主演男優賞、ジャレッド・レトの助演男優賞に、がぜん肩入れしたくなってしまう作品です。

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とにかく21kg減量してHIV陽性患者の役作りをしたマコノヒーが圧倒的で、片時たりとも目が離せません。やっぱりこれだけやせると、人間は顔が変わっちゃうんですね。マコノヒーというよりは、ヴィンセント・ギャロとか往年のデニス・ホッパーとか、ハリー・ディーン・スタントンとか、そういう系統の顔。で、手足にしても腹にしてもまあ細いこと、細いこと。ただ、その細さにみなぎるギリギリの意志とパワー、そして「感情の揺れ」が見事に表現されていました。 序盤には野卑なカウボーイ=嫌な奴 だった彼が、どんどん魅力的に見えていき、終幕を迎える頃にはむしろ彼を愛し、尊敬してしまう、そんな役作り。見事です。

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減量ということでは18kg減らしたジャレッド・レトも負けず劣らず見事で、トランスジェンダーの役どころを類型の罠にはまることなく演じ切りました。そこに浮かび上がる悲しみや尊厳や茶目っ気、そしてこちらも「感情の揺れ」の表現がお見事でした。

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本作で描かれた未承認薬と製薬会社と政府の関係を見ていると、どこかの国の原発と電力会社と政府の関係を想起せざるを得ません。そこで理不尽に犠牲になるのは、常に普通の人々。 でも、主人公はドン・キホーテ的な戦いの果てに、周囲に多くの影響を与え、後世のための「生きた捨て石」となりました。

本作を見終えて思い出した映画は、黒澤明の『生きる』です。「余命30日宣告」を受けた主人公の7年間は、まさに「生きる」ということだったと思うのです。

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2014年2月25日 (火)

チロルチョコ、悪くないの×2

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チロルチョコの新作? まずは『レーズンサンド』。なるほどホワイトチョコの中にビスケットがはさんであって、レーズンをまぶしてあるので、レーズンサンドと言われればレーズンサンドな味ですね。大騒ぎするほどのことはないですが、悪くはないお味です。写真は底面を写したもので、表側はもっと白いホワイトチョコです。

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で、こちらは『ストロベリー・チーズ・パイ』。これまた表側はホワイトチョコなんですが、底面はご覧のようにストロベリー。そして中にはビスケットってことで、お口の中でストロベリー・チーズ・パイの味になるって寸法。ほのかなチーズ風味のおかげでマイルドな甘酸っぱさ。これまた悪くないですねえ。

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2014年2月24日 (月)

ホワイトハートチョコクロ

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じゃん。サンマルクカフェの『ホワイトハートチョコクロ』(190円)です。ホワイトデイ対応のホワイトチョコ入りで、期間限定です。調べてみると、バレンタイン用には普通のチョコレート・バージョンがあったようですね。

やや微妙なハート型で、生地は「軟らかいリーフパイ」って感じ。中のホワイトチョコがミルキーでいい感じ。ホワイトチョコ嫌いの大江戸ですが、これはそれなりに評価したい味となっていました。ハートを散らした紺の紙袋も、なかなかいい感じです。

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2014年2月23日 (日)

「アメリカン・ハッスル」:もっと上手に語らないと

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映画『アメリカン・ハッスル』は、映画賞レースに色々からんでおりますが、うーん、大江戸とは肌が合わなかったですね。デイヴィッド・O・ラッセル監督は前作『世界でひとつのプレイブック』も、オスカーなど賞レースを席巻した割には大江戸はちっとも面白いと思えなかったので、相性が悪いのかも知れません。

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時間軸の分解と再構成を行ったり、台詞の分量が多くて言葉だのみの脚本になっている割には、ラッセルの演出ってTVドラマみたいに平凡で、きっちりわかりやすく描けていない気がします。映画が映画として弾んでいきません。もっと語り口の上手な監督がさばいてくれたら・・・って思っちゃいました。 さらには日本語字幕もこの難敵を処理し切れていなかったのでは・・・という勝手な疑惑まで浮かんだりして・・・。

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ただ役者陣は確かに大活躍。アカデミー賞に主演男女優&助演男女優賞に4人ノミネートってのは、スゴいけど納得です。 クリスチャン・ベイル、20kg太らせた上にハゲにして、ハンサム台無し。でも評価されましたね。しかしあの毛の生えた太鼓腹! 『マシニスト』であばら骨が痛々しかった幽鬼のような姿とのギャップの凄さときたら、デニーロ超えですね。 そういえば、ロバート・デニーロもカメオ出演していて、全く知らなかっただけに「えっ?!」と驚きました。近年は「作品を選ばなすぎ」で、印象に残る演技も無かったデニーロですが、本作の彼は圧倒的でした。クセ者感と鋭さ全開で、特にメガネの奥の目の演技が猛禽類のような只ならぬシャープさで、観てるこちらをビビらせる程の凄さでした。

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女優ではエイミー・アダムスも一皮むけた熱演・好演でした。いい具合に「くたびれてきた」感じです。 でもやはりジェニファー・ローレンスが圧巻。撮影時22歳だったのに40歳ぐらいに見える、堂々たる下世話なオバサン感。嫌いな女優ではありますが、この演技力は認めざるを得ませんね(ポール・マッカートニー&ウイングスの『007 死ぬのは奴らだ』にノリノリで掃除する場面!)。

その他エルトン・ジョン、ビージーズ、サンタナらによる’70年代のヒット曲の数々も、いい感じに時代感を出していましたね。

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2014年2月22日 (土)

「かわいそうだね?」「亜美ちゃんは美人」

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綿矢りさの『かわいそうだね?』(文春文庫)を読みました。綿矢さんは好きなので、だいたいの作品は読んでおります(一方で金原ひとみさんも好きなのですが)。綿矢さんは軽めだったり優等生ぽかったり思われがちだと思いますが、いやいやなかなかどうして、さすがは芥川賞作家なのです。『夢を与える』なんか、タイトルと裏腹に、かなり凄いものがありますよ。

で、この本には『かわいそうだね?』と『亜美ちゃんは美人』の2作品が収録されておりまして、良作とも甲乙つけがたい傑作だったのであります。びっくりです。

『かわいそうだね?』は、綿矢さんらしい「恋愛暴走もの」。というより、主人公の周りの人と環境が暴走しちゃうのですね。そして彼女の常として、へたすりゃライトノベルってところを、きちんと現代の文学に仕立て上げてくれます。そしてとにかく面白い! リアルな悩みやら嫉妬やら憤懣やらが静かにエスカレートしていって、遂にカタストロフィーを迎えるのです。ただ、そのカタストロフィーの爆発が、なんと爽快なことでしょう。 女の描き方はもちろんのこと、優柔不断な男の描き方もうまいなあ。まあ、一種のホラーと考えてもいいのかも知れませんね、『キャリー』みたいな・・・。 まあ前半にはとても想像できなかった着地点に、読む者を連れていってくれる小説でした。終盤ぐいぐい加速してクレイジーに破裂する展開が、オドロキでした。

『亜美ちゃんは美人』も、後半の意外な転がり方をし出してからが実にユニーク。これまた前半には思いもよらなかった方向に、話がどんどん転がって行って、その展開が読んでいる者にとっても辛いほど(「やめてーっ!」って感じ)。しかしその「残酷な真実」は世の中によくあるパターンとして、実に納得性が高いもの。うーん、鋭いなあ。良作とも、「心理の奥のこんなゾーンをリアルに摘出したんだぁ」って感想を持ちました。

面白くって、実はちょっとブラックで深い。成長を続ける綿矢りさらしさがたっぷりの、オススメ2作品です。

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2014年2月20日 (木)

「ラッシュ プライドと友情」:“生涯の1本”は大げさだなあ

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映画『ラッシュ プライドと友情』は、しばらく低調だった(と小生は思うのですが)ロン・ハワードが久々に腕の確かなところを見せた作品。対称的な二人の男の抗争に、普遍的なものが宿ります。

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一人はモテモテイケイケ型の野性的な陽性体育会系タイプ。もう一人は堅実で知性派&理性派の陰性文化系タイプ。こうなると、大江戸の好みとしては断然後者なのですね。そういう風にわかりやすい正反対キャラクターがぶつかり合うわけですから、構図は至ってシンプル。映画化に当たって事実に縛られているという窮屈さは感じさせずに、王道の娯楽映画としてぐいぐい進むあたりが、さすがは手だれのアメリカ映画アルチザン、ロン・ハワードであります。

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車には全く興味が無く、レースを見てもさほど興奮しない小生ですが、対称的なライバル同士のぶつかり合いドラマとして、それなりに面白く観ました。 事故から復活して悲惨な顔になったニキ・ラウダに対して非道な質問を投げかけた記者を(ラウダを嫌っていたはずの)ジェームズ・ハントがボコる場面は、いかにもアメリカ映画らしい感動を呼びますよね。

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CGやデジタル処理はいろいろ行っていますが、レース・シーン、車の走りは基本的に実写カットの力に頼っている部分が大きいです。その撮影と編集の力により、とても映画的に、手に汗握らせる迫力が溢れ出ていることを褒めておきたいですね。映画のナマ映像の力(と演出力)には、CGより強いものがあるのだと改めて思いました。

ただ宣伝コピーにあった「あなたの、生涯の1本を塗り替える」ってのは、さすがに大げさですよね。悪くはないけど、そこまで凄い名作ではない。年に何本も(もしかしたら十数本も)あるレベルの作品だと思います。

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2014年2月19日 (水)

あっぱれ、カーリング女子代表

ソチ・オリンピックの女子カーリング、最終的に日本は10チーム中5位で、惜しくも準決勝進出は成りませんでした。3位スイス、4位イギリスは5勝4敗、日本は4勝5敗ということで、1試合の勝敗の差でありました。こうしてみると初戦の韓国戦や4戦目のアメリカと下位チームに負けてしまった序盤戦が悔やまれます。でもまあ直前の小野寺のインフルエンザ欠場と、それによるリザーヴメンバー吉田の出場ということを考えますと(アメリカ戦の小野寺は病み上がり)、しょうがないとしか言えません。

でも5位というのは前回バンクーバーオリンピックの時の8位(3勝6敗)を上回る成績で、長野オリンピックの成績と並ぶ日本の最高順位です。大江戸自身、大会前には「1勝できればいい」ぐらいに思っていたので、この北海道銀行チームの躍進は嬉しいサプライズでした。特にスイス、中国に勝てるとは全く思っていなかっただけに、感激しました。

やはり中学校以来23年間苦楽を共にした二人のママ選手=小笠原歩と船山弓枝の経験の力が大きいでしょう。二人は片方が良くない時はもう片方が補って、ゲームを壊さぬようにできていました。そして苫米地の安定感と吉田の見事な「代役」ぶり。一方、小野寺にとってはインフルエンザのことも、治ってから出場した時に調子が出なかったことも、その後サブに回ったことも含めて、辛い日々だったことと思いますが、良い経験をしたと考えてもらいたいものです。彼女のようなフィジカルの優れたカーラーはこれまでの日本にいなかっただけに、これからの時代を見据えた中で、きちんと育てていかなければいけない選手だと思うのです。今回の経験をバネに、大きく成長してもらいたいものです。

まあ、これでしばらくはNHK-BSを中心に、カーリングのTV放送も増えるでしょう。嬉しいことです。一度、ナマの客席で見てみたいなあと思っております。まあ、「やってみたい」ってのもありますけどね(寒いの苦手なもんで)。

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2014年2月18日 (火)

文楽を体験

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大江戸支援者の方からチケットを戴いたので、国立劇場小劇場で文楽を鑑賞しました。 歌舞伎も能も狂言も好きなのですが、文楽だけはなかなかチャンスに巡り合わず、これまで行く機会が無かったので、実は初の文楽体験でした。よって用語の間違いとか、不正確なことを書いていたとしてもお許しください。

夜の部で、演目は『御所桜堀川夜討』と『本朝廿四孝』。どちらも1時間10分程で、間に25分の休憩があるのでトータル2時間45分と、歌舞伎よりはだいぶ短いのですね。人形の芝居なもので、そのサイズに合わせて劇場の方も「小劇場」となっております。

Wikipediaで「文楽」を調べると、「文楽は男性によって演じられる。太夫、三味線、人形遣いの「三業(さんぎょう)」で成り立つ三位一体の演芸である。」とありました。歌う(語る)人と演奏する人と人形を操る人のコラボレーションってわけですね。それぞれのパートに人間国宝級の方々がいて、観ている方々もやはり「良く知っている」方々が中心なんだろうなあって感じでした。観客の平均年齢、かなり高いです。

演目は歌舞伎とも共通するようなものを、「○○の段」・・・ってことで上演するので(通し狂言ではなく)、そこらの形態も歌舞伎同様です。あ、歌舞伎同様と言えば「イヤフォンガイド」もあったので、迷わず使いました。初心者が面白く見るにはマストだと思っております。今日の解説は特に後半に登場したおじさんが独自の世界を作り出していて、名調子で良かったです。

今日の2本は結構とんでもないストーリー。現代の感覚からいくと、ほとんど「そんなムチャな」とか「ひえー!」とか言っちゃいそうな筋立てで、ツッコミどころ満載ではありました。弁慶、ひでー奴だし。笑いどころもそこかしこにあって、面白かったです。3人がかりで1体を操演する人形の動きはやはり「へーっ」って感心するし、着物はキレイだし、キツネは出てくるし、三味線はエレキギターを思わせる奏法だし、ボーカリストの気合いたっぷりの歌唱は凄いし・・・とまあ、やはり見ておくべき日本文化だと思いました。

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2014年2月16日 (日)

カーリング日本女子、スイスに勝つ!

ソチ五輪、カーリング日本女子代表(北海道銀行)が世界ランキング第4位の強豪スイスを破りました! TVの生放送でずっと見ていましたが、いやー、延長11エンドまでハラハラドキドキしての9-7。疲れました。

全体的には苫米地、吉田というファースト、セカンドの働きが際立っていました(まあ苫米地は最後の方で少し崩れていましたが)。逆に言えば、サード船山、スキップ小笠原の鉄壁コンビはナイスショットもあったけど、ミスも結構出ていました。

それでも終始互角以上の勝負ができていたのは、スイスのミスの多さに救われた部分も大いにありました。特にファースト、セカンドの差が大きかったと思います。メガネのスキップさんも、勝負どころで結構ミスショットがありましたし。 今日の氷には、両チームとも相当手こずっていましたね。かなり読みにくく難しい氷だったみたいです。

それにしても(言っちゃあ何ですけど)小野寺佳歩が出なかった試合は日本の3勝1敗。もちろん対戦相手が序盤の方がランキング下位だったわけですが、今日の試合などは吉田知那美がラッキーガール的存在で、「結果オーライ」(怪我の功名)のスーパーショットをいくつも決めてましたもんね。

残り2試合は中国、スウェーデンというわけで、まあ連敗必至の相手です。だからこそ失うものは何もないので、小笠原さんの強気戦術で押し切っていただきたいと思います。正直、日本チームがこのオリンピックで3勝もできるとは思っていませんでしたもん。 素晴らしいです! あと2試合、良い戦いを!

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2014年2月15日 (土)

「ウルフ・オブ・ウォールストリート」:道徳レス狂騒社会

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映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』は、予想以上に面白く突っ走る2時間59分。ダレ場無しの超クレイジーな狂騒的世界に、最後まで観るとぐったりきてしまいます。

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あまりと言えばあまりの人非人の世界。主人公と周りの連中の道徳観念ゼロっぷりが、スゴイというか世も末というか。「よくもこんな奴らばかりが集まった」なのか、「朱に交われば赤くなる」なのか・・・。そしてひどい奴らと、その乱痴気騒ぎを見てるのが楽しくてしょうがなくなるというのが、この映画のマジックです。

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スコセッシ映画のディカプリオって、良いと思ったこと無かったんですけど、本作はお見事。振り切れてイッちゃってます。時として血管切れそうだったり、ジャック・ニコルソン(フジテレビ『めざましテレビ』で顔マネしてたことありましたね)だったりして、もー大変です。 あと、最初の方にしか出てこないマシュー・マコノヒー(最近絶好調!)も見事なクセ者ぶりで、場をさらいます。

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それにしてもスコセッシ、70歳を過ぎてこのはじけまくるパワー! 前作『ヒューゴの不思議な発明』は彼の久々の秀作にして最高傑作(だと大江戸は思っております)でしたが、本作のグイグイ系の面白さもかなりのもの。あんな『ディパーテッド』みたいなしょうもない作品でオスカー獲るより、ここ2作の方が本領発揮なんですけどねえ。

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2014年2月14日 (金)

築地最大の歓楽街

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築地駅そばの一角。大江戸が好きなパンの木村家のちょい先あたりです。ごく普通の街並ですね。

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普通に歩いてると、特になんてことも無く通り過ぎちゃうんですけど、近寄ってよく見てみると・・・ありゃりゃ。

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パチンコ、パチスロのお店だったんですね。地味だし、音はしないし、狭い間口だし、こんな所にあるなんて気づかないぐらいでしたよ。

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そしてその左手には、「スナック シェルブール」と「麻雀 いっちゃん」が! これまた地味にひっそりと存在していたんですね。

てなわけで、大江戸としてはこのエリアを「築地最大の歓楽街」と呼ぶことに何のためらいもありません。いやー、意表を突かれましたけどね。

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ついでながら、そのまた左手は薬屋さん。その2階の窓の形!色!いやー、『小さいおうち』みたいな昭和モダニズムで最高です。

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2014年2月13日 (木)

「アイム・ソー・エキサイテッド!」:アイム・ナット・エキサイテッド!

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映画『アイム・ソー・エキサイテッド!』は、ペドロ・アルモドバル監督久々のコメディー。初期の『アタメ!』とか、ああいう感じ。だけどかなり微妙だし、かなりお下劣であります。いいんでしょうか、巨匠?

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前作『私が、生きる肌』で、ほとんど「愛の極北」の境地にまで達しながらも、なんかヘンテコなキワモノ感を漂わせ、それがアルモドバルの初期還りを匂わせていたのですが、ここでは更に一歩進んで自己破壊しています。そう、『ソナチネ』の後に『みんな~やってるか!』を作った北野武みたいなものですね。

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オネエ系の客室乗務員だとかシモネタだとか、別に笑えないしエキサイトしないし・・・どうしたものかって感じ。3人が踊るシーンも、コレオグラフィーをはじめ特に見るべきものなし、でした。

オープニングのタイトルバックだ347154_004けは、いつもながらにカラフル&ポップで、アルモドバルらしい「おしゃれアート」感覚だったんですけど、本編はダメでした。機内のカラーリングなども、そこそこポップではありますが、もっともっと凝って欲しかったなあってところです。きっとアルモドバルにとって、撮影現場が楽し過ぎたんじゃないかなあ。

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2014年2月12日 (水)

おはなのど飴

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サクマ製菓の『おはなのど飴』。「ムズムズに負けないで・・・」というコピーの通り、花粉症対策商品なのでしょうね。ミルクミント味で、ノンシュガー、カロリー40%OFFだそうです。更に、乳酸菌、コラーゲン、ハーブエキス入りで、総合的に花粉症に負けないように頑張っているキャンディです。良いネーミングと良いデザインです。

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左はぶたくん、右はうさちゃんの袋です。大胆で人目を引くデザイン。しかし写真はとばし気味で、ほんわりしたイメージです。笑顔のぶたちゃんのお鼻スッキリ感といい、うさちゃんのお鼻ムズムズな感じといい、なかなかいい所を突いています。

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しかも中身のキャンディはご覧の通り、1個1個違う動物の写真で個包装されています。犬、ネコ、ヤギ、ウサギ、アヒルなど17個入っていました。味はすべてミルクミント味ですけど。お味はまあまあで、スースーします。 かわいいもん好きな人は、どうぞ。

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2014年2月11日 (火)

「小さいおうち」:謎解きではなく・・・

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映画『小さいおうち』は山田洋次らしくもあり、らしくもなしという佳作。まあ客席に身を沈めて後はおまかせで良いという、まさに「映画で語る」名人の仕事には違いありません。

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赤い屋根の洋風モダン住宅が実に「かわいい」のですが、そのお伽話的外見と、その中での不倫事件に関わる人々のもやもやと複雑な心理が対置されています。

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そして謎を残した作りが、作品に深みを与えます。 (以下ネタバレあり) タキちゃんがおばあさんになった晩年の「深い哀しみ」の理由は・・・? そして作品冒頭でちらりと出てきた1枚の絵の存在を思い出した時、あっと驚き、ぞっとするわけです。ただ、そういうミステリーが主題の映画ではないので、山田監督もそこの「謎解き」は行いません。あくまでも奥ゆかしく、「置いて」あるだけですし、いろんな解釈が可能な作りをとっています。そこに人間というものの、単純ではない深さが見え隠れするのです。

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女中のタキを演じる黒木華が見事でした。彼女の柄(がら)にぴったりのハマリ役と言えるでしょう。 一方、近年圧倒的な演技(『ヴィヨンの妻』『告白』『夢売るふたり』)を見せる松たか子は、「まずまず」といったところ。ちょっと中谷美紀で見たい気がいたしました。 そして吉岡秀隆に関しては、ミスキャストなのでは? ここはもっとキリリとしたハンサム・ガイの方がフィットしたと思うのです。

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山田洋次らしくと申しましょうか、右傾化への警鐘をきちんと描いています。『母べえ』の時ほど強烈にではありませんが、第二次大戦に向かう昭和初期と今の時代の空気が妙に似ていることへの恐れを、市民レベルの描写の中から発信する骨のある姿勢は、いつもながら貴重なものだと思います。

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2014年2月10日 (月)

今日の点取占い206

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クラゲとタコはどちらがつよいか   2点

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2014年2月 9日 (日)

「オンリー・ゴッド」:スタイリッシュ&バイオレント

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映画『オンリー・ゴッド』は、あのクールでシャープでスタイリッシュな『ドライヴ』を撮ったニコラス・ウィンディング・レフン監督の新作。あれ以上にスタイリッシュで、一方ではビザールな悪夢の如き作品です。

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タイが舞台。タイの夜が妖しくもバイオレントな異境として、登場人物たちの狂気を飲み込んでいきます。考えてみると、本作の登場人物たちってほぼ全員狂ってますよね。

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中でも一番ぶっ飛んでクレイジーなのが、クリスティン・スコット・トーマスが怪演する「母親」。このタガがはずれたアクの強い悪人っぷりは、ハンパじゃありません。 それとの対比という意味で、ライアン・ゴズリングの寡黙な狂気も、良いバランス。

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そしてタイ人の元警官=「神」の、独特すぎる存在感。あの刀! あのカラオケ姿! あの冷酷な残忍さ! 凄いキャラです。アクションもしっかりこなせるし。

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赤と青の光に彩られた映像が圧倒的。台詞の少ない中で、ゆったりとした完成度の高い映像が、美術、撮影ともども映画の魅力を高めています。バイオレントではあるけれど、クセになりそうな強い個性と風変わりな味で引っ張っていってくれるレフン作品からは、ますます目が離せない感じですね。

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2014年2月 8日 (土)

「ザ・イースト」:米国版「土竜の唄」か?

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映画『ザ・イースト』は、なぜか「ジ」ではなく「ザ」なのですね。なんでEastなんでしょか? やっぱり“The east of Eden”から取っているのでしょうかねえ?

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アメリカ版『土竜(モグラ)の唄』ってところでしょうか。潜入捜査官ブリット・マーリングが、主役として健闘しています。 

環境汚染や薬害を生みだす利潤追求企業への「正義という名の」テロリズム集団(必殺仕置人か??)と、そこへの潜入捜査官のあれこれを描くわけですが、あまりサスペンスフルではない、というかそこらへんにはさほど興味が無さそうです。むしろ「ミイラ取りがミイラに」現象(あるいはストックホルム・シンドロームもどき)を追っていきます。でも主人公がいくら苦悩したってねえ・・。あと終盤、特にラT0011187aストあたりの描写が不鮮明で、映画全体の完成度は低めの印象。恋愛がらみの部分もきちんと消化できていません。さらに社会派の側面も、娯楽性に負けて嘘っぽいですし。

エレン・ペイジの父親(社長)役のおっさんが脱ぐと、笑っちゃうぐらい凄い胸の筋肉! この人が工場廃液入りの水に浸かって出てきた時には、「ああ、この人、このまま『悪魔の毒々モンスター』 になってしまうような展開ならメチャ面白いのに・・・と思った大江戸なのでした。

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2014年2月 7日 (金)

イチゴを使ったお菓子だよ

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リスカ株式会社による「うまい棒」の姉妹品『うまい玉 イチゴ&チョコ味 Caカルシュー』です。ま、明治ポポロンを大きくした感じで、中にはイチゴクリームとチョコが入ってます。はい、想像通りの味で普通においしいです。

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こちらは森永の『小枝ボール ストロベリーキャラメル味』。小枝という「形状を表すネーミング」から遠く離れて、まあいったいどういうつもりなんでしょうねえ、枝がボールって・・・。「蜜づけストロベリー&キャラメルふんわり」ってことですが、うーん、あえてキャラメルをからませなくても良かったんじゃないか?ってところ。でもまあ及第点でしょう。

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で、グリコの『ビッテ ミックスベリー』。イチゴとブルーベリーのミックスみたいですね。ココアビスケットにサンドされたベリー・クリーム、その周りをコーティングするややビターめのチョコレート。これはおいしいです! チョコのしっかりしたコクの深さ、ココアビスケットのほろ苦さ、ベリークリームの酸味と甘さと素敵な香り。これらが醸すハーモニーが最高に味わい深く、エクセレントです。やるね。

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2014年2月 6日 (木)

築地木村家のシベリア

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大江戸は築地木村家(銀座の木村屋総本店の分家だそうです)のあんぱんが大好きって話は以前にも書いたと思いますが、その店の「シベリア」です。

そう、昨年宮崎駿監督の『風立ちぬ』にシベリアが出て来て以来、静かなブームとなって、小生もスーパーなどでは買ったのですが、まあ実に大したことなかったわけです。

ところがところが、さすがは木村家さん! おいしいシベリアなのです。 まずカステラがそれ自体おいしい。ほどよい軟らかさとほんのりの甘さ。 そしてヨーカン部分が主張し過ぎないけど、餡の良さ、味の良さをキチンと示しています。木村家のこしあんぱんの餡を彷彿とさせる味です。 カステラとヨーカンという両者のハーモニーの良さもあり、これはイケルと思います。あのシベリアにまとわりつく「古いがゆえの安っぽさ」というネガティブ・イメージが感じられないのが、大したものです。 

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2014年2月 5日 (水)

「ヌイグルマーZ」:愛や必殺技がなくちゃね

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映画『ヌイグルマーZ』は中川翔子主演ってことで観たようなものですが、まあ確かにそれだけでした(笑)。

クマのぬいぐるみ(声は阿部サダヲ)の扱いなんぞは明らかに『テッド』の影響下なのですが、歯ぐき出して笑うあたりのバッド・テイストはやはり井口昇監督ならでは。

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ただ本作は中川主演ってこともあってか、井口作品にしてはバッド・テイスト抑え目。その片鱗は雑なゾンビや赤ちゃんじじいなどに見られますが、あとはまあ良い子にしています。

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ただ、せっかくのクマがあまり機能していないのが残念。ここはやはり『くまちゃん』(宇宙から来たくま映画)を撮った小中和哉さんにまかせたかったところですねえ。どうせ出すんなら、根底に「くま愛」、「ぬいぐるみ愛」が欲しいと思うのです。

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しょこたんのロリータ・ファッションは悪くなかったし、ピンクのもこもこヌンチャクさばきも堂に入ったものでした(かっけー)。あ、回想シーンのガクラン男装姿もなかなかキュートでしたね。

ま、でも作品自体は面白くもなければ、失笑するには普通にマジメすぎるし、作りは雑すぎる(意図的にせよ)という、ちょっと困ったタイプなのでした。ヌイグルマーに特別な必殺技や特殊能力がないあたりも、非常に残念でした。

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2014年2月 4日 (火)

東京大江戸化計画23

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大江戸恐龍伝

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大江戸遊び暮らし

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大江戸捜査網

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2014年2月 3日 (月)

「ROOM237」:パンチのないゴタク

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映画『ROOM237』はスタンリー・キューブリックの『シャイニング』を巡るマニアたちの考察と深読みを103分にわたって披歴します。まさに映画マニア向けの映画であり、キューブリック・ファン、『シャイニング』ファンである小生としては非常に期待したのですが、果たして・・・。

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うーん、開巻一番の昔のワーナーブラザース・ロゴのパロディーには「おっ!」と身を乗り出したのですが、そこから先は期待ほどには興奮しなかったというか・・・。鋭い指摘が全然なくて拍子抜けしました。かと言って大笑いできるほどのおバカ分析があるわけでもないし、なんかマジメなんだかふざけてんだかも中途半端。驚くに驚けず、笑うに笑えずってところでした。どうせならもっと徹底的に荒唐無稽な深読みでもしていただければよかったのですが・・・。 それに『シャイニング』の中で小生にとって最大の不可解シーン=着ぐるみ男とタキシード男のベッド場面 への言及が一切なかったのも不満です。最終的に「ゴタクを並べてるだけのパンチのない作品」になってしまいました。

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それにしてもキューブリック財団や遺族やワーナー・ブラザーズが認めていないのに、こんなに作品のフッテージって使えちゃうものなんですね。『シャイニング』のみならずキューブリックの全作品から様々な場面を抜き出して、編集しております。でも、ここらのモンタージュにおいても、鋭いのはほとんどなし(冒頭のトム・クルーズがらみが良かったぐらい)。 結局、『シャイニング』をはじめとするキューブリック作品の映像が、時代を経ても全く古びないこと、その素晴らしさが再確認できたということだけが本作の取り柄なのでした。

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2014年2月 2日 (日)

スバーロのピザが好き

1391345450679渋谷駅前にあるピザ・レストラン「sbarro スバーロ」。もう出来てから何年にもなりますが、シェイキーズも少なくなった今、貴重なお店となっています。

そもそもマンハッタンでよく見かけて、入ったこともあるお店。イタリア国旗調のロゴなどもその通りです。ショーケースに入った作り置きのピザを1ピース(フルとハーフがあります)から注文して、温めてもらうシステムのファストフード店です。ジャンクっぽいけどソウルフードっぽくって、けっこう好きなんです。

昨日オーダーしたのは、シシリアン1391345466200ソーセージ・ピザのフルサイズとスパイシーチキンと生ビールのS。昼から生ビールってあたりがオトナです、我ながら(今さらですか?!) でもその後に映画観るから、自主規制でSサイズです。でも、やっぱりピザにビールって、最高に合いますね。 レッドペッパーとオレガノを振りかけて、いただきます。うーん、アメリカーン(実はイタリアーン)な味と香りです。ピザ生地も厚手のふんわり系でグッド。ミラノ・ピザにたいなカリカリの薄生地ってそれはそれでおいしいんですけど、大江戸的にはこっちなんですよねー。ひき肉のつくねみたいなイタリアンソーセージも好きでして。カップヌードルに入っているひき肉のかたまりにも共通するチープなうまさがあって、いいんですよ。

スパイシーチキンもタンドリーチキン風のエキゾチックなスパイスが効いていて、KFCとはまた違ったおいしさです。 サラダはつけませんでしたが、各種揃っています。 もう少し各所にあってほしい店ではありますね。

気になったのが、バレンタイン限定メニューらしき「ピザ・ドゥ・ショコラ」(380円)。きっとチョコクロみたいで、うまいんだろうなー。あったかいうちが最高だろうなー、と期待がふくらむのでありました。

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2014年2月 1日 (土)

「エレニの帰郷」:香気溢れる良作

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映画『エレニの帰郷』は、ギリシャの巨匠テオ・アンゲロプロス監督の遺作(になってしまったんですね、事故で)。東映の配給(フランス映画社が協力)で、冒頭に荒波に△の東映マークが出てきて違和感たっぷり。でも公開に当たって東映の岡田裕介社長(なんとアンゲロプロス・ファンなんですと!)の果たした役割が大きかったと知って、びっくり。

ウィレブ・デフォー、イレーヌ・ジャコブ、ミシェル・ピッコリ、ブルーノ・ガンツといった各国のスターの起用や、英語のダイアローグ、それなりにドラマチックな展開、寄りの絵がところどころあって普通に映画的なわかりやすさもある、といったところがいつものアンゲロプロスとは違って、だいぶフレンドリーな感じです。 とはいえ、そこはアンゲロプロス。現在と何層もの過去が虚実入り乱れて交錯するし、説明的な要素は排除してあるので、やはり正直わかりにくい=スクリーン上で起こっていることの正確な把握が難しいのです。

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でもその映像には圧倒されます。同じ方向を向いて歩く黒服の群衆。広場に集まった群衆が解散して歩き去る様子。ジグザグの鉄階段を黙々と昇る人々。深い霧。天空に上がっていって俯瞰するキャメラ。それらの長回しが、ああアンゲロプロスの映画だなあ(惜しい人を亡くしたなあ)という感じに、迫ってくるのです。スクリーンを見つめることが、素晴らしく濃密な映画体験になる作品です。そして、良質な映画としての香気溢れる作品です。

終盤、イレーヌ・ジャコブ、ミシェル・ピッコリ、ブルーノ・ガンツが駅の階段でダンスを踊る場面はグッときます。「時の塵」というこの映画の原題もここで発せられるのですが、名優たちの力もあり、人生が滲みだしてくる味わい深い場面となっておりました。 イレーヌは美しく、ブルーノ・ガンツ(ウイスキーの飲みっぷりがいい)が好演でしたねえ。

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