「土竜の唄 潜入捜査官REIJI」:メジャー作のオブラート
映画『土竜(もぐら)の唄 潜入捜査官REIJI』は、宮藤官九郎×三池崇史ということで予想できる通りの、アクの強いエンタテインメント。ヤクザ世界の潜入捜査とくればハラハラドキドキに決まっていますけれど、ここはコメディーに寄せて味付けしてあるので、安心して楽しめるってところ。まあ小生にとっては、そこらが物足りなかったりしますけど。
ヤクザの面々(警察の面々も含めてですが)の顔が、純粋に凶悪だったりコミカルに凶悪だったりして、そういった「ツラ」を見る映画ともなっております。マンガの世界をリアルに実写再現することは、三池さんの得意分野でもあるますしね。キレイな美形顔を思いっきりヤクザ顔にゆがめて熱演する生田斗真は、ジャニーズの枠超えレベルに頑張ってます。
紅一点の仲里依紗はちょっ物足りないですね。だって彼女×三池とくれば、あのゼブラクイーン!だったわけじゃないですか。ま、本作の倍、原作ものだってこととか、いろいろな制約はあるわけですけど・・・。
制約といえばこの映画自体、公開規模も大きい東宝のメジャー作で、しかもジャニーズがらみですから、そんなに過激な表現もしにくいので、そうなった時の三池さんって今一つなんですよねー。ヤバイ狂気をオブラートで包まれた感じがして。
序盤で遠藤憲一、吹越満、皆川猿時らが方を組んで歌う「モグラ=潜入捜査」心得の歌にかぶせて、画面隅に『土竜の唄』と出る文字がメインタイトルとなっているあたり(しかもこれが始まってから20分ほど過ぎたあたり)にこそ、宮藤×三池の人を食った笑いがあるのですよねえ。
いずれにしてもエンドタイトルあたりに示されているように、その上かなりとヒットしてしまいましたから、これは続編ができるのでしょうね。そっちの方が面白そうな気もいたします。
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