「早熟のアイオワ」:奇跡の競演(だった)
映画『早熟のアイオワ』(このタイトル、騙し入ってますね)には、勝手に驚きました。鑑賞前にはできるだけ情報を遮断している大江戸ですが、この作品もクロエ・グレース・モレッツが幼い頃出演した旧作という情報だけで観に行きまして、ポスターやチラシのビジュアルも下の方だけじゃなくて上の横向きの娘も(ちらっと見ただけなので)クロエちゃんだと思っていたのでした。なのに映画が始まってしばらくして、あれこの娘の顔はもしや・・・と、しばらく見てると、「間違いない。小生の嫌いなジェニファー・ローレンスだ!しかも主演っぽい!」という驚愕の真実に突き当たったのでした(よく見りゃ、ちゃんと書いてあるじゃん)。で、実際にはジェニファー主演、クロエちょい役なのでした!
それにしても2008年作品なのですが、撮影時にはクロエ10歳、ジェニファー17歳だったそうで、クロエちゃんなんか少女俳優ではなくて、もろに「子役」です。なんか全てが「子供」です。それにしてもプロデューサーなんだかキャスティング・ディレクターなんだか知りませんが、えらい目利きの人がいたもんですねえ。
作品自体は途中までかなり地味で退屈なのですが、1時間ぐらいたってから(ある事件のあたりから)面白くなってきて、ラストまで尻上がりです。最後にロリ・ペティ監督の自伝的作品だとわかって、これまたちょいと驚くんですけどね。
自堕落なやさぐれ母ちゃん(セルマ・ブレア)の長い独白場面がかなりの迫力です。ヤバイっす。 そしてジェニファー・ローレンスはやはりこの頃から、めっちゃ巧いのです。(好きじゃないけど)この演技力は認めざるを得ません(『アメリカン・ハッスル』を観て感じたのと同じことをやはり感じました)。
(以降ややネタバレあり) ラスト、車に3姉妹が乗って、カーステレオからの曲に合わせてノリノリで歌う場面の幸せ感といったら! クロエちゃんの豊かな表情の面白さ! 主人公の気持ちも奇跡的に明るさを取り戻して・・・。暗い作品が爽やかに転じる、この魔法。ここの場面だけで、評価1段階アップですね。 歌の途中で突然音が切れて、機械音の後に再開するって描写がありまして・・・、あれってカセットテープがA面からB面に替わるのをじれったく待っているってことですよね。1976年が舞台のこの映画、そんなところまで細やかに再現してくれちゃってました。
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