「神様のカルテ2」:医者はつらいよ
映画『神様のカルテ2』は、まさに正統派の続編。この調子でやっていれば、延々とできちゃいそうな物語世界ですね。いっそ年1本ずつ作って、「男はつらいよ」化しちゃえばいいのに。寅さんならぬ“イチさん”もつらそうですし。この後、おなかの子が生まれて育って行ったら、「満男」的ですしね。
それにしてもふんわりと美しい話過ぎて、多分にファンタジー。みんなそれぞれいい人だし、悪い人はとことん悪い人みたいだし→病院の経営改革を進める矢島健一が「わかりやすい」悪役過ぎてねえ・・・。最後には鈴木瑞穂御大の鶴の一声で「いい人たちの勝ち」になっちゃうし。
そんなふんわりワールドを成り立たせてしまうのは、やっぱり宮﨑あおいちゃんの功績が大きいと思います。他の作品以上にふんわりオーラ大放出で、理想の奥さんやってます(それが男にとって都合のいい種類の理想だとしても)。 そのオーラに引っ張られたのか、最初は悪い奴だった藤原竜也も、「おお、こいつ実はいい奴じゃん」って感じになります。櫻井翔はもちろん(本作では)ぽよよ~んとふんわりです(なんだそりゃ?)。 濱田岳くんは、あまり生かされておりませんでした。
1作目に引き続きメガフォンを取った深川栄洋監督がこのふんわり感の一翼を担っているわけですが、いつもよりは「芝居が長過ぎる」「カットが長過ぎる」と感じることは少なかったです。まあ、深川監督なので、こちらも「あまり集中せずにゆる~りと観よう」って気持ちでいたからかもしれませんけど・・・。 でも、藤原竜也と吹石一恵をめぐる「女性と男性と仕事と子供」にまつわる問題提起は、なかなかよく描けていました。
あと、貫井(柄本明)の病状を聞かされた険しい顔のハルさん(宮﨑)がスカートをギュッとつかむ手のショット(音声オフ)、あれは良かったですねえ。あれは映画です。
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