「ニシノユキヒコの恋と冒険」:竹之内豊=笠智衆?
映画『ニシノユキヒコの恋と冒険』は、竹之内豊のキャスティングが勝利の方程式でした。主人公のモテ男ニシノユキヒコを、こんなに軽やかにナチュラルにやられちゃあ、もう脱帽ってもんです。
(以降ネタバレあり) 白シャツ、白パンツに白のパナマ帽というニシノのいでたちって、幽霊だからってことなんですけど、この男のニュートラルな魅力を示してもいるのでしょうね。そんなキザな姿も、さすがにトップモデル出身の竹之内だけに、美しいというかサマになるというか。それ以外にもスーツ姿から浴衣から上半身裸まで、見事にカッコイイのです。長袖Tシャツにデニムを合わせただけの姿があれだけスタイリッシュなのは(しかも40過ぎてて)、感嘆しちゃいますね。
ニシノに絡む7人の美女たち--麻生久美子、中村ゆりか、阿川佐和子、尾野真千子、本田翼、木村文乃、成海璃子 が、それぞれにいい味。他の映画で見る時よりも、何割増しかの魅力的な芝居&表情を見せてくれます。尾野真千子と竹之内のイチャイチャデレデレぶりなんて、見てる方が気恥ずかしくなってしまうほど。成海璃子も、こんな素敵な表情があったんだあって感じ。
井口奈己監督のとぼけたような「間(ま)」の感覚が、竹之内のニュートラルで淡々とした持ち味と共振して、この映画のリズムが作られています。小生としても竹之内豊を見なおした一作です。例えて言えば、笠智衆のような茫洋とした味わいがあるんですよね。淡々とした台詞回しが共通してるし。このキャラクター、嫌いじゃありません。
メインタイトル、エンドタイトルのタイトルバックとか、そのフォント(手書き文字)とか、映画のルック自体が透明感にあふれてオシャレ過ぎない程度にオシャレなのも、ポイント高いです。
高校生役の中村ゆりかちゃんが、これから伸びていきそう。冒頭のシーンで、彼女が食べる巨大な三角おにぎりにはびっくりしました。
| 固定リンク
コメント