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2014年3月13日 (木)

「あなたを抱きしめる日まで」:ジュディ・デンチを見る映画

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映画『あなたを抱きしめる日まで』を試写会で観ました。本年度アカデミー賞4部門(作品、主演女優、脚色、作曲)にノミネートされた英国映画です。監督のスティーヴン・フリアーズももう72歳になったんですね。 しかしこの映画はやはり一にも二にも“デイム”ジュディ・デンチに尽きます。彼女の芝居を堪能する作品なのです。彼女って「英国の宝」ですね。

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最近やけに多い「事実に基づく」映画ですが、事実だとか事実じゃないとかを超えた一本のシネマとしてウェルメイドに成立しています。それもやはりジュディ・デンチの力でしょう。立ち姿の味わい深さ・・・。 本作に深くかかわっているスティーヴ・クーガンがまた、地味にジュディを「生かす」芝居を全うしているのですね。

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それにしてもジュディの若き日々を演じた女優さんも、ジュディの息子が成長した姿を演じた男優さんも、「確かにそういう顔だよねー」と納得させる容貌ですね。欧米の映画の場合、そういうことが当たり前のこととしてできていることにいつも感心します。役者の層が厚いってことなんですかねえ? これが日本映画になると、多くの場合、「え?この子が大きくなるとこの人なの?」って具合に、全然違うタイプの役者が一人の別年代を演じていて、しらけることがよくあります。やっぱり、事務所の圧力で「この子、売りだすところなんでよろしく!」とか、主演俳優とのバーターで出さなきゃいけない条件とか、まあいろいろあるんでしょうね。

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(以降少々ネタバレあり) きっと大いに涙を絞り取る感動の再開クライマックス!とかなんだろうなあと思っていたら、なんとそうではありませんでした。意外とクールな、しかし告発する強度を持った作品です。決して泣かせには走りません。しっかり抑制しています。そこらは、さすがスティヴン・フリアーズと言うべきでしょうか。

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それにしてもカトリック教会ってやつは、よく告発されますね。(少なくとも昔は)色々と問題の多い、非人間的でガラパゴス化した組織だったんでしょうね。この映画を観ていると、誰だってかなりの義憤を感じることと思います。でも最終的にこのノンフィクションが出版されて、映画にまでなって、良かったと思います。この告発が多くの人に届いたという事実に、胸のつかえがほぐれる思いがします。

試写の終映後に、ジュディ・デンチの役のモデルとなったフィロミナ(本作の原題も“Philomena”)さんのトークショーが行われるはずだったのですが、ご高齢の彼女の体調面の理由により来日が中止になってしまったとのこと。ちょっと残念でした。 

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