「パズル」:作品自体が時間のパズル
映画『パズル』は、『先生を流産させる会』で一昨年話題を呼んだ内藤瑛亮監督作品。なぜこの作品に起用されたかは、観るとわかる仕掛け?になっております。ま、小生の場合はあくまでも夏帆ちゃんを見に行ったのですけどね。
なんか神経をイラッとさせるというか、嫌な感じを積み重ねてくるあたりが、この監督の持ち味。ここでも犯人たちの狼藉とか、過保護のクレイジーママとか、カッターナイフの使い方とか、ひいては役者たちの顔に至るまで、どうも心をかき乱す要素に溢れています。
命をもてあそぶパズルってことにおいて、『ソウ』あたりの影響も大きいですね。ま、それは山田悠介原作がそうなんでしょうけど。 そもそもこの映画、時間をパズルのように「○日前」「×日前」「△時間前」・・・とランダムにつなげてあって、作品自体がパズルになっているって趣向。序盤には何のことやらって感じだったのが、徐々にジグソーパズルのピースが埋まって画像が見えてくるように、映画の全体像が見えてくる作りなのです(そういえば『ソウ』のキー・パーソンも「ジグソー」でしたね)。これも原作がそういう趣向になっているのかなあ?
夏帆ちゃんの高校生役もそろそろギリギリになってきましたが、きちんと柄(がら)に合った役でまずまずでした。 それよりも「いい人」大和田獏さんや元アイドル八木さおりさんの意外な配役にびっくりしました。
(以降ネタバレあり) それにしても2年ほどの間に2作品で「先生を流産させ」てしまった内藤監督って・・・、うーむ、良識派から眉をひそめられてしまいますね。
エンドタイトルバックがまるでMVみたいな「血染めの夏帆が髪振り乱して踊りまくる狂気の映像」で、少々あっけにとられながらも面白かったです。人によっては失笑したり批判したりするかも知れないけど、大江戸的には嫌いじゃなかったですねー(クセになりそうな感覚で)。
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