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2014年4月25日 (金)

「アクト・オブ・キリング」:クレイジーな違和感

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映画『アクト・オブ・キリング』は、かなりの問題作として話題になっている割には都内で渋谷のシアター・イメージフォーラム単館公開となっているため、かなりの混雑。小生は日曜11時過ぎの回に行ったのですが、通路に座布団を敷いての席?しかなくて、体勢に苦労しながら観たら、腰や股関節がかなり痛くなりました。

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まあしかし、この映画に出てくる'60年代インドネシアの社会主義者みたいに、虫けらの如く殺されないで良かったです。 てなわけで、堂々と快活にふるまう大虐殺者たちのドキュメンタリーというヤバイ企画を、まあよくぞ現体制下で作って、世界中で公開できたものだと感心しちゃいます。 それにしても見るからにヤクザなプレマンだとか、見るからに「半グレ」のパンチャシラ青年団だとかが今だに幅を利かせているインドネシアって・・・。

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三池崇史と似ている主人公?アンワルが、楽しそうに家族とショッピングセンターで過ごす場面に、戦慄にも似た強烈な違和感を覚えます。千人ほども殺した男が、こんなに悪びれず堂々として、むしろヒーローのように遇され、それを家族もなに臆するところなくハッピーに受け容れていることのクレイジーな違和感。映画の中に出てくる滝の前のヘヴンリーな光景のように、夢魔的な違和感。教育と洗脳ということに関して、深く考えざるを得ない作品なのです。結局それは「殺人は絶対許されないが、唯一戦争でなら何人殺そうが許される」という冒頭の言葉につながって来て、より大きな普遍性に連なっていくのです。

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しかし「自分はヒーロー」と芯から信じていたアンワルが揺らいでいく終盤はスリリングです。冒頭に絶好調で笑っていた殺人現場で、吐き気を感じてえずくアンワルが見たのは過去の亡霊だったのか。それとも自分の中の悪魔だったのか。それとも、それすら演技(Act)だったのか。 どうにも心に雲がかかって晴れない作品なのでした。

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