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2014年5月17日 (土)

「ロング・グッドバイ」完結

NKKの土曜ドラマ『ロンブ・グッドバイ』(全5回)が終わりましたね。日本でもここまでかっこいいハードボイルドが作れるっていう、今後のベンチマークになる秀作でした。堀切園健太郎演出のスタイリッシュな映像と時代再現やら衣装、美術やらが、さすがはNHKの底力って感じでした。

でも何といっても浅野忠信の日本版フィリップ・マーロウへのハマリ方が見事で、彼じゃなければここまで成功はしなかったでしょう。一方で綾野剛もどうなのよ、ですけど、それ以上に小雪がねえ・・・。日本って30代後半のファム・ファタール的な女優がいなさ過ぎて、全部小雪がキャスティングされちゃいますけど(近作でも『探偵はBARにいる』とか『リーガル・ハイ』第2シーズンとか本作とか)、それってどうなんでしょうかねえ。アメリカと違って、セクシーなクールビューティー的悪女は日本人好みじゃないだけに、そういう女優ってほとんどいないし、いても30代まで生き残れないってことなんでしょうねえ。 いずれにせよ小雪と綾野剛が並ぶと、小雪の方が10歳位年上に見えて、設定上それは違うでしょって感じでした。

チャンドラー原作を結構忠実に翻案した渡辺あや脚本は、なかなか良く出来ていました。演出ともども「正統派のロング・グッドバイ」を作り上げておりました。ただ、2大有名フレーズ=「さよならを言うのは、少しだけ死ぬことだ。」「ギムレットを飲むには、まだ早過ぎるね。」は、さすがに使えませんでしたね。これ、どう考えても難しいんですよ。前者は、誰かの台詞ではないってことと、それを使える場面をあそこで入れると作品のバランスが崩れちゃうってこと。後者はこの演出だと無理だし、リアルにやるとどうしても浮いちゃう台詞だってこと。なので後者に関しては、「ギムレット」という語を生かした別の台詞が登場しましたし、前者に関しては番組のポスターのコピーとして使われていました。

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(以下ネタバレあり) それにしてもクライマックスの綾野剛(テリー・レノックス)の扱いは、うーん、ちょっと残念。この場面こそ原作に忠実に表現してもらいたかったところ。最初から「綾野剛でしかない」撮り方をしちゃったってのは、いかがなものか? 別の役者を使うべきだったと思います。

原作を村上春樹訳で読みましたが、やはり惚れ惚れしちゃう世界ですね。600ページ近い長編ですが、序盤こそ設定を飲み込むまでにややもたつきますが、それ以降は加速度がついてぐんぐん読めてしまう面白さ。そしてやはり終盤が最高に素晴らしいのです。あの2大有名フレーズにまつわる件りが、それぞれに素敵過ぎます。そして、余韻として残るのは「恋愛に関する小説」としての味です。ラブ・ストーリーではなく、あくまでも「恋愛に関する小説」としての、ある種センチメンタルな純度が胸に残ります。

そういった意味では、このドラマ版のエンドタイトル後の1シーン(幸せそうな少年と少女)は、効果的でした。原作の読後感に、違う角度から迫る味わいを生んでおりました。

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