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2014年5月 8日 (木)

「アデル、ブルーは熱い色」:恋愛の諸行無常

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映画『アデル、ブルーは熱い色』は、ザ・恋愛映画。恋愛の始まり~深まり~至福~破局~その後を2時間59分かけて、ゆっくりと丹念に描きます。いささかゆったりし過ぎるほどです。

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ちょっともったりしたアデルが、クール&シャープな青い髪のエマに魅かれ、その恋にハマり込んでいく様は、普通の恋愛映画としてはありきたりです。やはり「現代において純粋な恋愛映画を撮るためには、何か障壁とか異形の要素がないと成り立たない(ばかばかしくて)」という大江戸理論が当てはまるところだと思います。これ、若い男女のラブ・ストーリーとして3時間も見せられたら、正直しんどいですもん。

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ボーイッシュなエマは、表情が綾野剛に似てますよね。ミック・ジャガーまぶしで。 アデルは口とか頬とかが仲里依紗に似てます。 それと、この二人って『小さな恋のメロディ』のトレイシー・ハイド&マーク・レスター(ジャック・ワイルドまぶしの)みたいな雰囲気もありますよね。 いずれにしても、ラブシーンにおける二人の顔や体が「上気した」様子を、よくぞ撮影したものです。

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破局場面の激しく執拗なぶつかり合いの凄さも圧倒的ですが、終幕における人生の「諸行無常」感が、本作の真価だと思います。時間は前にしか進みません。そして人間が生きている限り、「変化」は避けられないことなのかも知れません。覆水盆に返らず。それでも人生は続くのです。

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