「たまこラブストーリー」:ピュア&イノセント
映画『たまこラブストーリー』を見たのは、『けいおん!』や京都アニメーションのピュア&イノセントな世界が好きだから。おまけに本作は、山田尚子監督をはじめ『けいおん!』のスタッフが結構入っているようなので。キャラクターデザインもかなり『けいおん!』似ですもんね。
もととなったTVの『たまこまーけっと』は全く見ていませんでしたが、本作の鑑賞にはとりたてて支障とならなかったように思います。好きだなあ、こういう大した事件の起きない日常描写で見せる作品。その世界で高校生の少女たち(+小学生の妹)が、地味に&ドリーミーに悩んだり頑張ったりするのです。チャーミングな佳品です。
でもさすがにみんな高3だとは思えないピュアさかげんですよね。中3って感じでしょ、これ。男の子も女の子も。まあ、嫌いじゃないですけど。そんな気恥ずかしさも、実写じゃないから許せてしまうってこともありますもんね。
そもそもがありふれた商店街の向かい合わせの餅屋の幼なじみである娘と息子の淡い恋とか、もう設定からしてベタベタに(もちだけに)ありきたりなのですが、逆に言えば「王道」で、良いんですよねー。悪い人や面倒くさい人は出て来ないし。安心して観ていられます。そういうの結構好きなんです。
名前も「北白川たまこ(しらたま)」、たまこの妹が「北白川あんこ」、王子的な幼なじみさんが「大路もち蔵」って、あまりにもベタすぎて(もちだけに)笑っちゃいます。かえって味わい深いものがあります。
新幹線ホームの男女から黒画面へのラストなんて、森田芳光の傑作ラブストーリー『(ハル)』を思い出させてくれました。
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コメント
> でもさすがにみんな高3だとは思えないピュアさかげんですよね。中3って感じでしょ、これ。
逆に、ピュアじゃない「たまこラブストーリー」を想像したら、鬱展開で町の住民全員が最後まで生き残れないような気がしてきたので、今のままでいいのが正解でしょうねえ。
投稿: ふじき78 | 2014年6月16日 (月) 00時01分
ふじき78さん、コメどうも。
そう、このピュアさが良いのですよね。
でも実写でやるとしたら、設定を中3に変更しないとムリかなと思ったりしました。
投稿: 大江戸時夫 | 2014年6月16日 (月) 13時33分