「バルテュス展」と上野駅前
仕事帰りに上野の東京都美術館に行き、『バルテュス展』(~6/22)を観ました。金曜日は夜8時までやっているのです。人が鑑賞の邪魔になるような混雑ではなかったので、良かったです。
バルテュスと言えば少女、でもってヤバイってのが通説。でも今回の展覧会は「称賛と誤解だらけの、20世紀最後の巨匠。」というキャッチフレーズをつけて、その栄誉ある悪名をひっくり返そうと狙っている雰囲気が感じられました。そこには、バルテュスの晩年、25年にわたって結婚生活を送った節子夫人の思いもあったのでしょう、たぶん。
でも、それって無理。いや、意味のないことです。本展においてもやはりバルテュスはバルテュスで、少女好きの「背徳の画家」なのでした。絵の中にいろんな「企み」が隠されています。風景画とかが出てきたって、その本質は隠せるものではありません。それよりも何よりも、少女を危うく描いたスリリングな筆致がなければ、バルテュスなんてどうってことのない画家なのです(ちょっと極論)。それにしてもメインビジュアルにもなっている『夢見るテレーズ』は凄いなあ・・・。
会場内には彼のアトリエが再現されていましたし、最後のコーナーには、篠山紀信撮影による晩年のバルテュス(羽織はかま着たり、ゆかた着たりしてます)の写真パネルがあったり、彼の愛用品が展示されたりしておりました。
帰りに上野駅前を見ると、もと東宝の映画館だった所は、こんなオサレなガラス張りになっていました。まあ、上野らしくもない(失礼)。
そして、あの「聚楽(じゅらく)」だった所を見てビックリ!
クリスマスでもないのに、カラフルなイルミネーションに彩られた新しい建物に変身しておりました。
しかもこのイルミネーションの色が時々刻々と変わっていくのですよ。写真で見るとハロッズか何かみたいで、そこそこカッコイイのですが、現物はやはり「上野テイスト」をにじませておりましたです。
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