いやー、ツッコミ所満載過ぎて、椅子からズリ落ちそうでした。今後「トンデモ映画」として歴史に残っていくのだろうなあ。原作のせいなのか脚本のせいなのか知りませんが、あまりと言えばあんまりです。 この作品、パリ・プレミア上映やってるんですよね。あー、恥ずかしい!
そもそも綾瀬はるかが天才的「万能鑑定士」だって時点で、相当頭抱えちゃいます。主人公莉子がおバカだったという高校生時代のシーンにはピッタリはまっているのですけどね。 おまけに相棒役の小笠原(松坂桃李)が、これまた無能でねえ・・・。
*以下ネタバレ含みで、ツッコミ所を思いつくままに・・・。
・日本における「モナ・リザ展」の開催にあたって、ルーヴルの学芸員と会場となる東京国立博物館(東博)の学芸員以外の人間を「臨時学芸員」として雇うなど考えられません。ましてや、その人たちを軽井沢合宿で特訓するって・・・、しかも「直感力」の特訓! ありえません。
・勝手について行った小笠原は、なぜ簡単にルーヴルの試験会場まで通されたのでしょうか?
・莉子さん、一晩でフランス語マスター出来るんなら(本だけだったのに、発音までマスターしているあたりが不思議です)、パリに来る前に予習しとけよ!
・東博の収蔵庫、厳重なくせに防犯カメラがついてなかったってのはナシでしょ。モナ・リザなんですから。 当然警備会社には犯人が誰で、何をしていたか見えちゃってますでしょ。
・犯人一味が小笠原を縛り上げて、その前にイーゼルを立ててモナ・リザを乗せて、その下に焚き木を置いて火をつけて、みんなで去って行っちゃうところ--そんなまどろっこしく不確実なことしないだろー! 普通さっさと絵自体に火ぃつけちゃいますよね。そしてなぜ見届けないでいなくなる???
・そしてあれだけ火が燃えているのに、煙感知器とかスプリンクラーは作動しなかったのでしょうか?設置義務違反の建物だったのでしょうか?
・小笠原の縛り方も、足の自由度が結構あったし、もっと動けたはず。ぴょんぴょんジャンプぐらいはできたので、色々手は打てたはず。
・小笠原(とモナ・リザ)の場所を探す時、彼のケータイのGPS機能を使えば良かったんじゃないの?
・警察が駆けつけた時、高層ビルの最上階のすぐ下の窓から煙が出ていて「あそこだ!」となるのですが、高層ビルのあんな高い所の窓は開いていません(飛び降り防止やら何やらで)。
・港から「モナ・リザ展」のポスターを運び出す時って、あんな自立式スタンドに入れて船便で運ぶ意味がどこにあるのでしょう? そもそも日本展用の日本語ポスターなんだから、見本程度の役にしかたたないので、大量には要らないでしょ。しかも展覧会ポスターなのに、美術品梱包の木箱に一つづつ入ってるなんて、ありえません。
・そもそもこの場面で、二人で「鑑定」するってのが、何をどう鑑定してるのかよくわかりませんでした。だって、ルーヴルのテストの時みたいに、ポスター面にはめこんだとしたら(その上にかぶせてあった文字は塩化ビニールシートか何かに印刷してあったとしても)、そんなの誰が見てもわかるでしょ。印刷物と本画なんだから。間違いようがないでしょ。 それともポスターの裏側に完全に隠してあるのだとしたら、どうやって当てることができたの?(直感力を鍛えた成果??) それに、X線でチェックした時に、他と違うことは明らかでしょ。
・その後で裏側をチェックする時も、埠頭に布かビニールかを1枚敷いただけでそのままひっくり返して・・・って、うわー剥落しそうです。その前から何時間も温湿度管理してないし。
ってな感じで、もう脱力しまくりました。 タイトルの「Q」の謎が意味ありげに扱われながら、最後の最後まで明かされずじまいっていうのも、映画としていかがなものかと思いますね。
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