« 「万能鑑定士Q モナ・リザの瞳」:ツッコミ所満載過ぎます | トップページ | 三軒茶屋のパングワン »

2014年6月 9日 (月)

「ぼくたちの家族」:みんなちがって、みんないい

346672_004

映画『ぼくたちの家族』は、原田美枝子、長塚京三、妻夫木聡、池松壮亮という家族4人の芝居がそれぞれ違う方向性で、なのに見事なアンサンブルとなっていました。金子みすゞじゃないけど、「みんなちがって、みんないい」ですね。でも、それって、この映画の中の家族4人のことでもあるのですよね。それぞれに欠点を持ちながらも一所懸命に生きていて、愛すべき人たちなのです。

346672_002

原田さんはとっても可愛らしく、イノセンスが嫌味にならないところが素敵です。 長塚さんはなんか久々に見ましたが、この感じは他の役者の追随を許しませんね。そして、堂々たる人が情けない状況に陥ってカッコ悪い感覚を、「見ちゃいけないんじゃないか」と思うほどのリアルさで演じていました。

346672_005

でも本作のキモは、妻夫木と池松の正反対兄弟。こういうの、世間でもよくあるパターンですよね。 妻夫木が久々に?「バカ役」じゃなくて、内にこもって思いつめるタイプのシリアス・ガイを演じて、それはもう出色でした。 一方、出演作が目白押しの池松君はというと、これがまたいいんです! 軽くてバカでドライ・・・と思わせておいて、作品が進むほどにじわじわとこいつの良さが滲み出てくるんですよね。もちろんホンや演出のおかげもあるけど、あまり芝居らしい芝居をしないのに大したものです。

346672_003

まあ死病映画の一種ではありますが、「お涙頂戴」とは明らかに一線を画していて、映画としての品があるというか、ポジティブに爽やかです。そこらはやはり石井裕也監督の個性であり、功績であるのだと思います。本作はファントムフィルムの配給ですが、『舟を編む』といいこれといい、石井監督の映画には「松竹映画」っぽい雰囲気がありますねえ。妻夫木の奥さん役の黒川芽衣の件りとか、ちょっときれいすぎる解決なんですけど、そういう所も含めて・・・。 小生としてもドロドロの展開よりは、よっぽど好きです。

|

« 「万能鑑定士Q モナ・リザの瞳」:ツッコミ所満載過ぎます | トップページ | 三軒茶屋のパングワン »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/42098/56453821

この記事へのトラックバック一覧です: 「ぼくたちの家族」:みんなちがって、みんないい:

» ぼくたちの家族〜吉祥寺に住めなかった主婦の物語 [佐藤秀の徒然幻視録]
バブルに翻弄された夫婦とポストバブル夫婦 公式サイト。早見和真原作、石井裕也監督。原田美枝子、妻夫木聡、池松壮亮、長塚京三、黒川芽以、ユースケ・サンタマリア、鶴見辰吾 ... [続きを読む]

受信: 2014年6月 9日 (月) 23時21分

» 『ぼくたちの家族』 (2014) [相木悟の映画評]
観る者それぞれが問い直す家族ドラマ! 時代と共に移りかわる家族の在り方。そこに静かに一石を投じる良作の登場である。 本作は、映画化もされた『ひゃくはち』などで知られる早見和真が、自身の体験をもとに綴った同名小説(単行本時のタイトルは、『砂上のファンフ...... [続きを読む]

受信: 2014年6月10日 (火) 00時25分

» 『ぼくたちの家族』 [京の昼寝〜♪]
□作品オフィシャルサイト 「ぼくたちの家族」□監督・脚本 石井裕也□原作 早見和真□キャスト 妻夫木聡、原田美枝子、池松壮亮、長塚京三、黒川芽以 ■鑑賞日 5月25日(日)■劇場 109CINEMAS川崎■cyazの満足度 ★★★☆(5★満点、☆は0.5) <感想...... [続きを読む]

受信: 2014年6月10日 (火) 12時22分

» ぼくたちの家族 [映画的・絵画的・音楽的]
 『ぼくたちの家族』を新宿ピカデリーで見ました。 (1)『舟を編む』を制作した石井裕也監督の作品ということで映画館に行ってきました。  映画の冒頭は、吉祥寺(注1)の喫茶店で友人と話をしている主婦・玲子(原田美枝子)。とはいえなんだか上の空で、友人の話を満...... [続きを読む]

受信: 2014年6月10日 (火) 21時14分

» 「ぼくたちの家族」映画の中では奇跡を見せて欲しい [soramove]
「ぼくたちの家族」★★★★ 妻夫木聡、原田美枝子、 池松壮亮、長塚京三出演 石井裕也監督、 117分 2014年5月24日公開 2013,日本,ファントム・フィルム (原題/原作:ぼくたちの家族) 人気ブログランキングへ">>→  ★映画のブログ★どんなブログが人気なのか知りたい← 「どんな内容の映画なのか 全く知らずに見た、 どこの家族にも起こりうる事で、 人と人がすれ違う時 そんな... [続きを読む]

受信: 2014年6月14日 (土) 10時46分

» ぼくたちの家族 [象のロケット]
最近物忘れがひどかった母・玲子が、末期の「脳腫瘍」で余命1週間と宣告された。 小さな会社を経営する父・克明は取り乱し、大学留年中の次男・俊平は頼りにならず、大手電機メーカーに勤務する長男・浩介は、思い詰めるばかり。 もはや治療する段階ではないと病院からは暗に退院を促され、更に、多額の借金が発覚する。 浩介は妻・深雪から、身重だから見舞いには行けないし、お金も生まれてくる子どものために使いたいと言われてしまう…。 ヒューマンドラマ。... [続きを読む]

受信: 2014年6月14日 (土) 13時47分

» 世界の中心は母である~『ぼくたちの家族』 [真紅のthinkingdays]
 東京郊外の住宅地。物忘れが酷くなった若菜家の母(原田美枝子)が、脳腫瘍 で一週間の余命宣告を受ける。動揺する父(長塚京三)に対し、身重の妻を持つ 長男・浩介(妻夫木聡)と大学生の次男・俊平(池松壮亮)は、母を救うべく奔走 するのだったが・・・。  映画は、まず 「監督のもの」 だと思っているので、石井裕也監督の新作なら 観たいと思った。次に、映画は 「俳優(スター)を観る...... [続きを読む]

受信: 2014年6月14日 (土) 16時57分

« 「万能鑑定士Q モナ・リザの瞳」:ツッコミ所満載過ぎます | トップページ | 三軒茶屋のパングワン »