« 「薔薇色のブー子」:くだらないけど笑えます | トップページ | 日本3-1コスタリカ &キリン2分CM »

2014年6月 2日 (月)

「美しい絵の崩壊」:インモラルな毒々ファンタジー

348514_001

映画『美しい絵の崩壊』は、いやー、インモラルですね。ナオミ・ワッツの台詞にもあったように、“The whole thing is unacceptable.”(何もかも受け容れがたい)ってとこです。だってこれ、父親二人とその娘たちだったら、単純なポルノになっちゃいますよ、たぶん。

348514_002

親も美しく子も美しい、でもこれヘン。4人で過ごす時間の長さ。いい年した息子たちよ、無人島じゃないんだから、さっさとどっかに遊びに行きなさい。で、その後の展開も含めて終始「ハーレクイン・ロマンス」的な(読んだことないけど)ウソ臭さを伴った物語。一番気になったのは、それぞれが最初に「一線を越える」ところのハードルの低さ。何これ? いくら何でももう少し葛藤してみてはいかがなのでしょうか? あまりにも「すんなり」で(願望が現実化したってことなんでしょうけれど)、驚いちゃいます。

348514_004

(以降ネタバレあり) その後も誰もが「自分に甘くて」というか、「自分の欲望に忠実すぎて」、しょーも無い日々が、バレもせずに何年も長続きします。その続きようがハンパなく、息子たちが結婚してからも、更には孫が出来ておばあちゃんになってまでも・・・って地点にまで至っては、ほとんど怪作の域に達しています。まあ、アンヌ・フォンテーヌ監督(現在55歳)の願望を詰め込んだファンタジーと解釈すればいいのでしょうかねえ(原作も女性)。

348514_011

「崩壊」が起きたかのようでいて、ラストはなんと大いなる「開き直り」! 4ショットの「美しい絵」がインモラルな桃源郷を示して、この後に更なる恐ろしさが待っているのかも・・・という含みを感じさせるエンディングの毒は、ファンタジーと言うよりほとんどホラーに近いものなのでありました。うーん、くわばらくわばら。

|

« 「薔薇色のブー子」:くだらないけど笑えます | トップページ | 日本3-1コスタリカ &キリン2分CM »

コメント

まさに 夏のポルノじゃぁぁぁ~ くわばらくわばら・・・(゜□゜;)

せめて ボクの心の中にながれてたBGMをしょうかいします。
クリスレア「オン ザ ビーチ」 リンク先↓(日本語歌詞もあるよ)

http://mettapops.blog.fc2.com/blog-entry-325.html

作品が毒々しいので せめて この曲を解毒剤として着てみてください。爽やかな気持ちになります。

投稿: zebra | 2014年7月 3日 (木) 11時27分

zebraさん、解毒剤ありがとうございます。
でも、「爽やかさも中ぐらいなり おらが梅雨」ってところですかねえ・・・。

投稿: 大江戸時夫 | 2014年7月 3日 (木) 22時16分

こんにちは大江戸さん  

 ふたりの それぞれの子供と 付き合うというのは・・・こんな会話になったのかも 色気もない不純愛の田舎風の会話のやりとりになりますが。

タエ「なあ、トミ」 
トミ「なんだね、タエ」

タエ「あんたとわたすは ちっちぇえ頃からの親友だっぺ」 
トミ「そうだべ! どうしたんだぁ」
タエ「あんたんとこのお 権兵衛ちゃん なっかなか たくましゅうなってぇ」
トミ「それはそうとぉ、あんたんトコの 吾作ちゃんだって 自慢のせがれでねえかぁ」

タエ「ありがとなぁ・・・ん・・・トミ・・・実はな」
トミ「なんじゃあ タエ なんか悩みかあ?」 

タエ「あんたには 悪いと思ってるコトが あるんよ・・・実は あんたんトコの権兵衛ちゃんとつきあってるんよ」
トミ「なぁに 冗談言ってんのぉ~・・・まさか もう 〇〇〇は やってもうただか」
タエ「すまんなぁ トミ・・・ あの ガタイのよさに 優しさあふれちょってからにぃ、 それにぃ・・ふんどしの中の大きゅうなった ▽▽モツみたらぁ・・ 」
トミ「まさか アンタ せがれに手ぇ出したんか? それとも・・・聞きとうないけど 権兵衛が・・・」
タエ「権兵衛ちゃん、わたすのことを美しゅう言うてくれて・・・そのまま」
トミ「じゃあ この際わたすも言うけどもぉ・・・あんたんトコの吾作ちゃんと つきあってるんよぉ」
タエ「あのバカ吾作・・・悪ガキだったのが 大きゅうなってから 真面目にがんばってくれたけんども ここ最近なってから急にわたすに優しくしたり ほかの村の若い衆が嫌がる仕事まんで 自分から進んでやるようになったもんだから・・・なんか あったとは おもっちょったけんどもぉ~そうだったんかぁ」
トミ「わたすも タエの気持ち ようわかる。人としていかんこととわかっとっても止められんかったんじゃぁ 男と女は死ぬまで男と女だとわかっただ」
タエ「わたすも あんたなら バカ息子の吾作を託せる・・・わたすら やっぱり大親友だっぺ トミ」
トミ「そうじゃあ これからも 頼むなぁ タエ」

案外 こんな感じかな

投稿: zebra | 2015年1月17日 (土) 14時29分

zebraさん、どうも。
「なぜ今頃??」と思いつつも、笑えましたです。

投稿: 大江戸時夫 | 2015年1月17日 (土) 22時10分

こんばんは。 

>「なぜ今頃??」
何のことは ありません。今朝 ツタヤで 新作レンタルされてましたので すぐ見て 当日返品で返しました。

 で、そのやりとりを田舎風に ボクが(ムリヤリ) やりとりにしてみたかっただけです。 あまりに 単純な理由です

投稿: zebra | 2015年1月18日 (日) 02時53分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「美しい絵の崩壊」:インモラルな毒々ファンタジー:

» 美しい絵の崩壊 [象のロケット]
オーストラリア東海岸の入江。 双子の姉妹のように育ったロズとリルには、同い年の息子がいて、息子たちも親友同士だった。 ところが、ロズはリルの息子イアンと、リルはロズの息子トムと、それぞれが一線を越えた関係を持ってしまう。 許されないことだと分かってはいても、2組の男女は離れられない間柄となっていく…。 メロドラマ。 R-15... [続きを読む]

受信: 2014年6月 4日 (水) 14時15分

» 美しい絵の崩壊〜上げ潮と引き潮が交わる所 [佐藤秀の徒然幻視録]
公式サイト。オーストラリア=フランス。原題:Adore、またはTwo Mothers。原作:ドリス・レッシング「グランド・マザーズ」、アンヌ・フォンテーヌ監督。ナオミ・ワッツ、ロビン・ライ ... [続きを読む]

受信: 2014年6月 4日 (水) 21時15分

» 美しい絵の崩壊 [映画的・絵画的・音楽的]
 『美しい絵の崩壊』を新宿武蔵野館で見ました。 (1)これはナオミ・ワッツが出演するからというので映画館に行きました。  本作の舞台はオーストラリアの東海岸。  リル(ナオミ・ワッツ)とロズ(ロビン・ライト)は、幼い頃から近所同士でとても仲が良い二人(注1...... [続きを読む]

受信: 2014年6月11日 (水) 21時05分

» 美しい絵の崩壊/TWO MOTHERS/ADORE [我想一個人映画美的女人blog]
英国のノーベル賞作家ドリス・レッシングの原作を、「ココ・アヴァン・シャネル」の監督&脚本や、 「クロエ」の脚本家、フランスのアンヌ・フォンテーヌが映画化。 原題「TWO MOTHERS」ってあまりに短絡的。 だからといって、このカッコよさげな邦題。 だけど...... [続きを読む]

受信: 2014年6月14日 (土) 12時27分

» 美しい絵の崩壊 [映画1ヵ月フリーパスポートもらうぞ〜]
評価:★★★☆【3,5点】(09) 四十路の女性でも恋する乙女になってしまうのね。 [続きを読む]

受信: 2014年6月21日 (土) 22時05分

« 「薔薇色のブー子」:くだらないけど笑えます | トップページ | 日本3-1コスタリカ &キリン2分CM »