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2014年6月14日 (土)

「チョコレートドーナツ」:声高にではなく・・・

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映画『チョコレートドーナツ』は、泣ける映画として意外な大ヒットを続けているようです。シネスイッチ銀座のロビーには、上映前に何枚ずつか持っていけるように箱ティッシュがいくつも用意してありました。でも、そんなに泣けますかねえ、この映画?

正直なところ小生は全く泣けませんでした。近年は涙腺弱いのに。それは別に悪いことじゃなくて、変にお涙頂戴に走っていないということです。 「小さな声」の訴えかけで、児童福祉関係者や裁判制度やマイノリティーへの偏見・差別に対する静かな怒りが、観る者に迫ります。「声高に」ではないところに好感が持てるのです。

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ダウン症のマルコくんを演じるアイザック・レイヴァが、きっちり演技していて素晴らしいです。観客に彼のことを身内のように愛おしく感じさせる、というこの映画にとっての肝腎要の部分で成功しています。しかも変にじめじめしないのが結構ですね。彼が大好きな人形のジェニーは、顔が怖かったけど。

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一方でダウン症の子供を出して、一方でゲイのカップル(しかも'79年なので、まだ世の中の差別意識が露骨)を出して、ハートに訴える作劇的にはテッパンです(実話に基づくそうですが)。 で、差別的な上司役のおじさん(アメリカ映画で時々見かける顔なんですが、名前を知りません)が、本当にムカつくんですよねー。殴ってやりたいほどのいやらしさ全開で、唾棄すべき悪役を演じてました。うまいもんだ。

348035_005でもやっぱりアラン・カミングのキュートさで、この映画の格がワンランク上がっています。彼は今、往年のアル・パチーノのようなテイストが出せる俳優になっております。もう一段進化して、名優の域に到達できる人だと思います。

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