« ドイツの優勝でW杯閉幕 | トップページ | 「青天の霹靂」:感覚がベタで古くて・・・ »

2014年7月16日 (水)

「her 世界でひとつの彼女」:恋愛と心を哲学する

347781_001

映画『her 世界でひとつの彼女』の映像において、嫌でも目に残るのはホアキン・フェニックスの服やオフィスのパーテーションやPCの画像などに使われているヴィヴィッドなオレンジっぽい赤=緋色=scarlet→ああ、本作のヒロインとも呼ぶべきOSの声を担当しているスカーレット・ヨハンソン(ジョハンソン)の肉体的不在を補うスパイク・ジョーンズ監督ならではの洒落っ気なのでしょうね。それにしてもいい色なんだ、これが。

347781_002
ホアキン・フェニックスがこのタイプの役をやるってのは、ちょっとしたオドロキ。もっとクレイジーな役とか暴力的な役とかの印象が強いもので・・・。夢見るミスター・ロマンティック。'7-80年代のリチャード・ドレイファスみたいな雰囲気がありますね。そういえばドレイファスって消えちゃいましたねー。それと、メガネにヒゲのホアキンって、グルーチョ・マルクスっぽかったりします(笑)。

347781_003

スカーレット・ヨハンソンの声で面白いのは、いかにもな電子声とか理想の女性的な声じゃないってところ。ちょっとガラガラと枯れてて、はすっぱに近いほどのカジュアル感を漂わせていて、むしろ電子ヴォイスにしてはナマナマし過ぎる感じ。まあ、その線を狙ったのでしょうけれど・・・。

347781_006
恋愛感情とか人間の心とかを突きつめて考えていった物語には、これからの時代を考察する哲学性が感じられます。ちょっと奇異なシチェーションから始まって、普遍的な本質に至るのです。

ラストの「高層ビルの夜景を見つめてベンチに座っている後ろ姿の男と女」っていう図は、ウディ・アレンの『マンハッタン』を思わせたりもするのでした。あのほろ苦さやシニシズムに較べると、本作はチャーミングに甘口なんですけどね。

|

« ドイツの優勝でW杯閉幕 | トップページ | 「青天の霹靂」:感覚がベタで古くて・・・ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/42098/56809170

この記事へのトラックバック一覧です: 「her 世界でひとつの彼女」:恋愛と心を哲学する:

» her/世界でひとつの彼女〜奥様はOS [佐藤秀の徒然幻視録]
公式サイト。原題:Her。スパイク・ジョーンズ監督。ホアキン・フェニックス、エイミー・アダムス、ルーニー・マーラ、オリヴィア・ワイルド、クリス・プラット、マット・レッシャ ... [続きを読む]

受信: 2014年7月16日 (水) 23時14分

» her/世界でひとつの彼女・・・・・評価額1650円 [ノラネコの呑んで観るシネマ]
ミステリアスな、心のありか。 面白いとか感動するとか言うよりも、非常に興味深い映画である。 斜に構えた独特のスタイルを持つ、スパイク・ジョーンズ監督によるユニークなラブストーリー。 コンピュータが感情を持った近未来、結婚に失敗して孤独を募らせた主人公は、音声コミュニケーション型OSの声だけの人工知能(AI)に恋してしまうのである。 まあ要するに、Siriさんが進化し続けて、独自の...... [続きを読む]

受信: 2014年7月17日 (木) 20時42分

» her 世界でひとつの彼女 [映画的・絵画的・音楽的]
 『her 世界でひとつの彼女』をシネマライズで見てきました。 (1)アカデミー賞脚本賞を獲得した作品ということで映画館に行ってきました(注1)。  本作(注2)の舞台は、近未来のロスアンジェルス(注3)。  主人公セオドア(ホアキン・フェニックス)は、本人に代...... [続きを読む]

受信: 2014年7月18日 (金) 07時16分

» 土竜の唄 潜入捜査官 REIJI [象のロケット]
交番勤務の巡査・菊川玲二は、正義感は人一倍強いが無鉄砲で始末書続き。 ある日、署長より突然クビを言い渡されるが、密かに潜入捜査官(通称モグラ)に任命される。 その任務は、武闘派暴力団組織・数寄矢会に潜入して合成麻薬MDMAの密売ルートを暴き、会長・轟周宝を逮捕すること。 闇カジノに潜り込んだ玲二は、数寄矢会傘下・阿湖義組の若頭クレイジーパピヨンこと日浦匡也に気に入られ、兄弟の契りを交わすが…。 アクション・コメディ。... [続きを読む]

受信: 2014年7月19日 (土) 01時55分

» 『her/世界でひとつの彼女』 (2013) [相木悟の映画評]
異端の形で真っ当な恋愛成長を説く上質作! “AI(人工知能)と人間との恋愛モノ”と聞くと一発ネタに思われるが、さにあらず。誠実に心をうつラブ・ストーリーであった。 本作は、『マルコヴィッチの穴』(99)、『アダプテーション』(02)、『アイム・ヒア』(1...... [続きを読む]

受信: 2014年7月19日 (土) 11時22分

» 映画:her/世界でひとつの彼女 次の一手がいつも読めない スパイク・ジョーンズ新作は、期待以上の出来! [日々 是 変化ナリ 〜 DAYS OF STRUGGLE 〜]
期待の一作。 スパイク・ジョーンズの前作「かいじゅうたちのいるところ」は、かな〜り 印象的だったので。 子供の「心」の揺らぎ、を的確に描いていて、その痛みが突き刺さって仕方なかったのだ! このためその年のベスト10(2010年)でも 3位(上期ではトップ...... [続きを読む]

受信: 2014年7月19日 (土) 15時09分

» her/世界でひとつの彼女 [とりあえず、コメントです]
今年のアカデミー賞で脚本賞を受賞したスパイク・ジョーンズ監督のラブストーリーです。 パソコンのOSと恋をするってどういうこと!?と気になっていました。 ホアキン・フェニックスの演じる主人公と、声だけの出演のスカーレット・ヨハンソンの織り成す物語は、 予想以上に切なくて、でもとても優しい余韻の残る作品でした。 ... [続きを読む]

受信: 2014年7月19日 (土) 22時41分

» 『her/世界でひとつの彼女』 FOMO症候群の私たちへ [映画のブログ]
 【ネタバレ注意】  東京ディズニーリゾートを訪れたときのことだ。  例によってアトラクションは長蛇の列で、数十分にわたり見知らぬ人の後ろをのろのろ歩かねばならなかった。  私の前には高校生らしい女の子の二人連れがいた。図らずも私は彼女たちの言動を何十分も観察することになった。  二人にはほとんど会話がなかった。  一人は手持無沙汰で突っ立っているだけだったが、もう一人はス...... [続きを読む]

受信: 2014年7月20日 (日) 01時01分

» 『her 世界でひとつの彼女』 [京の昼寝〜♪]
□作品オフィシャルサイト 「her 世界でひとつの彼女」□監督・脚本: スパイク・ジョーンズ □キャスト ホアキン・フェニックス、エイミー・アダムス、ルーニー・マーラ、オリヴィア・ワイルド        スカーレット・ヨハンソン(声)■鑑賞日 6月29日(日...... [続きを読む]

受信: 2014年7月21日 (月) 15時34分

» her/世界でひとつの彼女・・・・・評価額1650円 [ノラネコの呑んで観るシネマ]
ミステリアスな、心のありか。 面白いとか感動するとか言うよりも、非常に興味深い映画だ。 斜に構えた独特のスタイルを持つ、スパイク・ジョーンズ監督によるユニークなラブストーリー。 コンピュータが感情を持った近未来、結婚に失敗して孤独を募らせた主人公は、音声コミュニケーション型OSの声だけの人工知能(AI)に恋してしまうのである。 まあ要するに、Siriさんが進化し続けて、独自の人格...... [続きを読む]

受信: 2014年7月21日 (月) 20時36分

» 恋するOS~『her/世界でひとつの彼女』 [真紅のthinkingdays]
 her  "Hello,I'm Samantha."  手紙の代筆を生業とするセオドア(ホアキン・フェニックス)は、別居中の妻 (ルーニー・マーラ)との離婚に踏み切れずにいた。街で見かけた新しいソフ トウェア 「OS1」 をインストールしたセオドアは、「サマンサ」 と名乗るその  「声」 と恋に落ちる。  近未来のLAを舞台に、才人スパイ...... [続きを読む]

受信: 2014年7月26日 (土) 13時01分

« ドイツの優勝でW杯閉幕 | トップページ | 「青天の霹靂」:感覚がベタで古くて・・・ »