「オールド・ボーイ」:韓国版の衝撃に較べちゃうとねえ・・・
映画『オールド・ボーイ』は、昔日の名声もすっかり消えてしまったスパイク・リーの新作。しかもあのパク・チャヌクのエグイ傑作のハリウッド・リメイクとあって、結構勝ち目の薄そうなチャレンジ。 でも、思ったより良くできていました。とはいえ、元祖には及ぶべくもありませんが。
やはりあの韓国版の狂気をはらんだ重量級ブレ球のイメージとはちょっと違います。もっと普通にハリウッド・エンタテインメントの枠内です。そういった意味では、非常にコミック的なサミュエル・L・ジャクソンが笑えて面白いのですが、作品のバランスを崩していることも確か。
バイオレンス・シーンは、ハリウッド作品としては結構ギリギリまでやってるなって感じでした。 また本家からの別の形での引用というか、脚本上のアダプテーションは結構うまくやってるなと感心しました。小さいところでは水槽のタコから、大きいところでは終盤明かされる最大の謎でありタブーであるアレまで・・・。まあ、(結末を知っていたことを割り引いても)韓国版のあの衝撃には全然及ばないのですけどね。
ジョシュ・ブローリンが序盤すんごい「ゲスの極み野郎」ぶりを見せてくれます。立ちションするは、ゲロ吐くは、・・・とにかく下品が板についている役者です(って、これは褒め言葉なのでしょうか?)。でもこれも、どう考えてもチェ・ミンシクの圧勝なのでした。
とは言っても、あるレベル以上の面白い作品なのですが、これがかなり地味に公開されて案の定お客が入っていないという状況は、寂しくも不幸だと思うのであります。
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