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2014年7月20日 (日)

「ジゴロ・イン・ニューヨーク」:実に「アレン的」な佳品

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映画『ジゴロ・イン・ニューヨーク』は、ジョン・タトゥーロ久々の監督作品=第3作(脚本&主演も)。ウディ・アレンを客演に迎えて、アレン調のNY艶笑ラブコメディに挑みました。いい仕事になりました。ジョン・タトゥーロの演出が達者です(芝居も)。

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冒頭からずっとブルックリンにおける敬虔なユダヤ教のコミュニティーが舞台になっているので、これってウディの世界じゃんと思いきや、ブルックリンのここらへんはイタリア系ジョン・タトゥーロのホーム・グラウンドでもあったようです。それにしても“いつもながら”の俳優アレンといい、この笑いとペーソスの物語といい、ネイティブ的に捉えたニューヨークの風景といい、小粋なジャズといい、もうほとんどウディ・アレン作品といった趣きになっております。いや、近年のアレン作品よりもずっとアレン的だということができるでしょう。

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ユダヤ社会のあれこれ、ラビだとか黒服だとかヒゲだとか割礼だとかコーシャー(ユダヤ律法が認める作り方で処理した食品や食肉)だとかをある程度知っていた方が、より楽しめる作品だと思います。

タトゥーロが表情をほとんど変えない「デッドパン」(バスター・キートンのような)演技で押し通し、野暮ったさとセクシーさとイノセンスとを同時に成り立たせました。そういえば、本作でのアレンとタトゥーロのコンビって、男娼とポン引きってところも背の高さ/低さも、『真夜中のカーボーイ』のダスティン・ホフマン&ジョン・ヴォイトと同じですよね。

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90分という短さも、アレン作品を見習ったかのようで、この小品に似合ったサイズ。美術、衣装、音楽など全てにわたってセンスの良さが感じられるのも、ジョン・タトゥーロ監督のお手柄でしょう。

そしてヴァネッサ・パラディがじわりと効いていました。アレン作品の系譜の中で例えると、ミア・ファーロー的な味わいを出していたと思います。

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» ジゴロ・イン・ニューヨーク / Fading Gigolo [勝手に映画評]
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受信: 2014年7月21日 (月) 08時30分

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注・内容、特に劇中セリフに触れています。『ジゴロ・イン・ニューヨーク』Fading gigolo脚本・監督・主演 : ジョン・タトゥーロウディ・アレン、ヴァネッサ・パラディ、シャロン・ストーン物語・不... [続きを読む]

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受信: 2014年7月22日 (火) 14時50分

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受信: 2014年7月29日 (火) 21時53分

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ジョン・タトゥーロ初監督作品。 で、共演がなんと、ウディ・アレン! アレンは自分そのまんまの感じで、しゃべりまくり。 かかりつけの美魔女の皮膚科医との会話の中で、1000ドルの儲け話が転がり込み、タトゥーロを説得。 なんとタトゥーロに男娼になれと迫るのだ! ...... [続きを読む]

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受信: 2014年8月15日 (金) 12時37分

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