「エスケイプ・フロム・トゥモロー」:よくぞ公開できました
映画『エスケイプ・フロム・トゥモロー』は、東京ではTOHOシネマズ日劇の7:40P.M.の回のみで公開中ですが、そんな小規模とは言えまあよく公開できたものです。しかも一番大きなスクリーンの日劇1で(まあ、これはポケモン映画を夜上映しても意味がないからという理由なのですけど)。だって、フロリダのディズニーランドでかなりの分量のシーンを隠し撮り(と言っても隠れてないですけど)していますから。ミッキーやプルートなんかも写ってますけど、ホントにいいんでしょうか? あの権利関係にうるさいディズニー社が、よく黙って公開させているもんだと驚いちゃいました。
全編モノクロ映像なのですが、なんか不穏で不気味ですよね。それにしても園内で撮影してても気づかれないような家族レベルの小さいカメラだったのでしょうけど、それでいて大スクリーンで見てもこれだけしっかりした絵が撮れているってのは、テクノロジーの進化ですねえ。でも園内以外のシーンとのルックの統一とか、光と影の用い方とか、実にキチンと構築された絵なんです。撮影監督の腕が良かったんでしょうねえ。
主人公というか、しょーもないダンナが、なんだか思いっきりくたびれたトム・クルーズみたいです。こいつがディズニーランドに家族と来てるくせに、エロい妄想ばっかりであきれた奴でして。 (以降ネタバレあり) で、最後には猫インフルエンザに罹って死んじゃうのですが、その死に顔が「チェシャ猫」! そうか、そう考えると彼にとっての「不思議の国」だったんですかね? マッド・ハッターと言うべき博士からヘンな帽子?かぶせられちゃいますし。 彼はディズニーランドにふさわしくない異分子だったんで、排除されちゃいました。そう、DL内の床にゴミがあると、キャストがやって来てすぐに掃き去るように。
この監督って、きっとデイヴィッド・リンチが好きなんだろうなーって感じました。でも、リンチの人並外れた才能や異様さはありません。悪夢感が、いかにも「作った」感じに留まっちゃってて・・・。
1時間30分の映画なのに、1時間経ったところで「INTERMISSION(休憩)」の字幕が入って、笑えました(別に本当に休憩にはならないのですが)。
それにしても本場ディズニーランドって、東京ディズニーランドと一緒なんですねー。ああ、あれも一緒だこれも一緒だと、感心してしまいましたよ。一緒になるように作ったんだから、当たり前なんですけどね。
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