「オールイ・ユー・ニード・イズ・キル」:ザ・リピーター
映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』は、明らかにビートルズの『All You Need Is Love (愛こそはすべて)』がタイトルの元ネタでしょうが、原作となった日本の小説のタイトルなのですね。でも、文法的には「Kill」じゃダメだよなあ、などとひっかかっていたら、英語題が“Edge of Tomorrow”だったので、スッキリしました。
(以降ネタバレあり) 何度死んでも生き返ってやり直しという「ループ」が、このギタイというバケモノ相手の戦闘というシチュエーションで出てくると、これはもうコンピューター・ゲーム以外の何ものでもありませんね。毎回同じことをやりながらどんどん進歩していき、少しづつ先へ進める。でゲームオーバーになったら、リセットしてもう一度・・・という世界。こういうゲームを「ゲーム体験」ごと実写映画化した作品と言えるのでしょう。
それにしてもやだなあ、こんな状況に陥ったら。だって、何度でもやり直すたびに、またコワイ目や痛い目に遭うわけですし、そもそもが同じこと何度も何度もやるのって、超めんどくさそう! 飽きちゃって、死にたくなりそうです。あ、死んでもまたやり直しか・・・。
演出はさすがにダグ・リーマンだけあって、この状況をわかりやすく的確に観客に提示するその手際が鮮やかです。質の高い娯楽職人です。
ただ根本の部分ではありますが、あまりにもゲーム感覚で人が死に、「リセット」されて生き返って・・・ってあたりには、教育的・道徳的な抵抗を覚えなくもありません。以前、海外のニュースで、ゲームみたいに死んでもまた生き返ると思って、友達だか弟だか妹だかを殺しちゃった子供の話がありましたもんねえ。『渇き。』は好きでも、そこらへんには引っかかっちゃう大江戸なのでした。
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作品について http://cinema.pia.co.jp/title/164228/
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。
原作:桜坂洋
英題:『EDGE OF TOMORROW』
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» オール・ユー・ニード・イズ・キル 監督/ダグ・ライマン [西京極 紫の館]
【出演】
トム・クルーズ
エミリー・ブラント
ビル・パクストン
【ストーリー】
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