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2014年9月 3日 (水)

「プロミスト・ランド」:正義と信念が難しい時代

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映画『プロミスト・ランド』は真面目で良心的な古典的アメリカ映画らしさを持っているのですが、それだけじゃなくてニュートラルな批評マインドに満ちた佳品。いくつかの顔(スタイル)を持つガス・ヴァン・サント監督ですが、こういう顔も持ってます。そして「都会じゃないアメリカ」を描くのはお手のものなんですね、この人。

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登場人物それぞれのキャラクターが実によく描かれていて、ドラマを活性化していきます。いい脚本です。人間がちゃんと描けたら、ドラマは勝手に転がっていく(と言っても過言ではない)ものですからね。そしてマット・デイモンの主人公がいちばん地味。だから主人公なのかも知れませんが、彼が受けて、周りの芸達者たち(フランシス・マクドーマンドとかハル・ホルブルックとかジョン・クラシンスキーとかローズマリー・デウィットとか)が輝くという構造です。

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クライマックスなどはフランク・キャプラ的場面ではあるのですが、そこはまあ現代なので、シンプルな中にも複雑な味わいを持たせてあります。そもそもは誰が正しくて誰が悪者で・・・というあたりが、見方によりけりなので。そのように現代において正義や信念を扱うことの難しさを、けっこう上手にさばいている作品だと思いました。

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シェールガスの採掘が環境を破壊することが、今一つ具体性や説得力を持って描かれていなかったのが瑕疵だと思うのですが、まあ社会派告発映画ではないってことなのでしょうね。

環境保護団体の男が酒場でブルース・スプリングスティーンの“Dancing in the Dark”を歌っておりましたが、小生も歌いたかったですね(あの曲のMVの監督はブライアン・デ・パルマでした)。そういえば、そもそもスプリングスティーンには“Promissed Land”って曲もあったではありませんか!

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