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2014年9月 8日 (月)

「リヴァイアサン」:悪夢のアートフィルム

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映画『リヴァイアサン』は、「海洋ドキュメンタリーの極北」というコピーの通りです。リヴァイアサンと言えば、伝説上の巨大な海の怪物ですけれど、この映画では漁船が、その営為が、巨大なる悪魔とその体内の営みに見えてくるのです。そのエッジの立ち方はさすがに、本作の監督二人が映像作家であると同時にハーバード大学「感覚民族誌学研究所」の人類学者であることにもよっているのでしょう。

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何の台詞もナレーションも説明も無く、キャメラはただ得体の知れない怪物の表面や体内をなめるような視線で、漁船=漁業の現場と人々と魚と海鳥を捉え続けます。写っている対象が何だかわからないようなショットを含め、驚異のクロースアップや異常なローアングルで、ここで起きている怪異なる活動を淡々と描きます。延々と魚をさばき続ける男とか、血だらけの水が出てくる排水口を長々と写したショットとか、捨てた魚肉片に群がる海鳥とか、神経症的な変態映像が、悪夢的な実験映画のようにつながれていくのです。

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深海魚って水揚げされると気圧の関係で目玉が飛び出るとか、内臓を吐き出しちゃうって話は聞いたことがあったけど、こういうことだったんだなーと映像の迫力に圧倒されます。 エイをフックで吊り下げて、左右のヒレだけを切り取って、あとはポイしちゃうんですけど、その残骸が無残でねえ。両ヒレのないエイなんて、細長い「平面O(オー)次郎」みたいでねえ。えいひれ食べる気も失せちゃうってもんです。このシーンに限らず、魚をどんどんさばいていく場面は、「いのちある生物」があっという間に「食料」に変わるさまを描いていて、圧巻です。

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前衛的なアートフィルムであり、スプラッター&スラッシャーであり、海洋&生物記録映画であり・・・、確かに類を見ない表現の「極北」です。映像のみならず、音響もまた只ならぬものがあるんですよねー。でも映画が視覚と聴覚への刺激で助かりました。これで生臭さが加わったら、・・・観客全員入院でしょう。

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受信: 2014年9月 9日 (火) 02時04分

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