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2014年9月20日 (土)

「郊遊 ピクニック」:驚異のラスト

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蔡明亮が監督引退作と宣言した『郊遊 ピクニック』は、確かに「行く所まで行った」感のある作品。これが最後なら、思い残すところはあまり無いのではと思ってしまいます。まあ、それだけ観客に媚びずに彼の道を貫いているように見えるのです。

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全編で100カット無いでしょう。長回しに次ぐ長回し。そこに溢れるリアルな現実と渦巻く感情。クレイジーなまでの過激な突き詰め方と、その中心にいるのはあくまでも現代の人間であるということ。李康生の肉体を使って、台湾の都市で描かれる蔡明亮映画の、まさに集大成と言って良い作品でしょう。

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一人の女を3人の女優がリレー式に演じるので、それを理解するのに結構時間がかかりました。何しろ説明を削ぎ落としてありますからね。 それと、本作では子ども2人の演技というか「存在」が素晴らしかったなあ。

全編を通して、食べたり出したり(放尿とか涙とか鼻水とか煙草の煙とか)眠ったりする場面がやたらと多いのです。やはり人間の根源に迫っていくと、描写もそういうことになるのでしょうかねえ。

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それにしても映画史に残るであろうラストの超絶フィックス長回し×2 には驚きあきれました。動きも台詞も無い中で、そこまでやりますか?!という長さ。昔、アンディ・ウォーホルが睡眠中の男を延々と取り続けた前衛映画を作って上映した時、たまりかねた観客が「起きろ!」と叫んだというエピソードを思い出してしまいました。 蔡監督は映画監督よりもコンテンポラリー・アーティスト的な血の方が濃いのかも知れませんね。

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水道も電気もない空き家に寝泊まりしている父親と幼い息子と娘。 父親は不動産広告の看板を掲げて路上に立ち続ける“人間立て看板”でわずかな金を稼いでいる。 子どもたちは昼間、試食を目当てにスーパーマーケットの食品売り場をうろつくのが日課だった。 漢詩「満江紅」を詠い慟哭する父親は、ある土砂降りの夜、小さな舟を漕ぎ出そうとする…。 ドラマ。... [続きを読む]

受信: 2014年9月23日 (火) 01時38分

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