「ドライブイン蒲生」:ゆるゆるのぐだぐだ
映画『ドライブイン蒲生』はベテラン・キャメラマンたむらまさきの「75歳の監督デビュー作」。漢字の田村正毅だった時代も含めて、あまり主張や個性が強くない地味な撮影監督だったと認識していますが、本作でもそういった個性はそのまま。当然キャメラも担当していますが、監督デビュー作だから・・・なんて気負いは全くなくて、淡々とゆるゆると撮ってます。
そう、全編ゆるゆるのぐだぐだなんです。こんなんでいいのでしょうかと思うほど。長回しも織り交ぜつつ、でも長回しに拘泥することもなく。そう、キャメラの存在を意識させない撮影なんです。それを目指しているのかなあ。
そして染谷将太と黒川芽衣を見る映画にもなっています。二人も全身で、そして表情で、ゆるゆるの芝居をたっぷりと見せています。ってゆーか、たむらまさきが見せたいのは結局そういう芝居の部分なんでしょうね、きっと。 また生活感を伴った「地方のヤンキー映画」としても、貴重でしょう。
粗暴でダメダメな父親の役が永瀬正敏だったのですが、アップが無かったこともあって、エンドクレジットを見るまで永瀬だと気づきませんでした(いや、むしろ「永瀬はどこに出てたんだ?」と思ってしまいましたよ)。だって、すごくもっさりして(野村将希かと思いました)、オーラが全然ないんだもん。でも、たむら監督は永瀬のデビュー作『ションベン・ライダー』の撮影もやってたんですよねー。
| 固定リンク
コメント