「ルパン三世」:洒落っ気がなくて・・・
映画『ルパン三世』は、山本又一郎プロデュース作品だったのですね。’70年代末~’80年代前半に「日本映画界の風雲児」的な活躍をしていた方で、久々に名前を聞いたのですが・・・、なんと現在は小栗旬や綾野剛が所属する事務所「トライストーン」の社長なんだそうです! あ、それでこのキャスティングですか。
有名すぎるキャラクターに似せるべくマンガ的なカリカチュアライズを行いながら、実写としてのリアリティも持たせる芝居にチャレンジした役者たちは、結構成功しています(不二子以外は)。発声も、アニメ版に似せながら、物真似にならないラインを探っている感じで、悪くありません。 中でも玉山鉄二の次元大介が、超カッコイイ!のです。
だけど黒木メイサの峰不二子はねえ・・・。顔のベクトルが違います。グラマラスじゃないってところも。この違和感には弱りました。まだ柴崎コウとか真木よう子の方が・・・と思います。一昔前なら誰もが藤原紀香と思ったでしょうけれど。
そして根本的に「これってルパンじゃないでしょ」と思ったのが、北村龍平監督らしさ丸出しの銃火器アクションだらけ。結局、派手な銃撃戦とタイ風格闘アクションをやりたかったんでしょって感じで、「ルパン」的な軽やかさとか洒落っ気がすっかり後退していました。この題材にこの監督は無かったですね。セリフ頼みのドラマ部分なんか、冗長でもたないし。アクションだって、意外と描けていません。例えば『るろうに剣心』と見比べちゃうと、アクションを見せる腕の違いが明白です。 楽屋オチ的には五右衛門が飲んでいた日本酒の銘柄が「龍平」となっておりました。
あと飛行機の場面で、モンキーパンチ先生が乗客の一人としてチラリと写ってましたね。
それにしてもルパン一味&銭形以外のキャスティングが、日本人もタイ人も含めて「お安い」感じで「2流感」たっぷり。銭形とつるんでたタイ陸軍幹部役のあの人も、『オンリー・ゴッド』では鬼気迫る怪演だったのに、ここではただのオッサンでしたもんねえ。
| 固定リンク
コメント