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2014年10月31日 (金)

福原義春の新書「美」

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小生の尊敬する福原義春さんが今年の初めに上梓した、その名も『美』というPHP新書。副題は『「見えないものをみる」ということ』。

資生堂社長、会長を経て、現名誉会長。更に東京都写真美術館館長、企業メセナ協議会会長、文字・活字文化推進機構会長などなど多くの公職をも務める1931年生まれの福原氏は「美の人、文化の人、教養の人」であり、このようなタイプの趣味人が企業の経営者としても一流だったということにおいて稀有な、そして嬉しい存在なのです。

本書の中でも福原さんが投げかける問いや指摘は常に普遍的であり、幅広く深い文化的素養をベースにした本質的なものです。日本人と日本文化の特質を見事に解き明かしながら、その存続が危うくなっている現代に警鐘を鳴らすのが本書なのです。 各章のタイトルを挙げると、1.文明は文化を駆逐する 2.日本の美意識とは何か 3.想像力は自然から誕生する 4.本物を知る 5.教養とは何か 6.見えないものをみる--ねっ、面白そうでしょ。

そして福原さんは文化の力を信じています。だから最終章で、「日本と言う島国が、もっと多様性を深め、絶対的な価値を創造できるよう文化力を高め、人間性を高めるならば、地球上から失われては困る民族、国家として認識され、存在感を高めることができるはずだ。 それ以外にこの国が生き残る道はないのではないだろうか。」と結論づけるのです。

あとがきにある「美とは、人間にとって正義や愛と同じような、いわば本能的な価値である。」という言葉も、まさに福原イズム。 また福原さんが30代の頃出会って、以後人生の指針の一つにしているという「馬鹿不平多し」(学びが少ない者は、たいてい、いつもまわりのせいにばかりしている)という言葉も、自戒のために心に刻んでおきたいものです。

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2014年10月30日 (木)

「リスボンに誘われて」:タイトルに誘われて

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映画『リスボンに誘われて』は、都内ではBunkamuraル・シネマの単館公開であり、タイトルの印象からは異国情緒たっぷりの初老の男の枯れたラブストーリーって雰囲気で、実際そう思ってやってきた観客も多かったことと思いますが(小生もそうです)、実はポルトガル近代史の暗黒面を探る旅情ミステリーといった作品なのでした。まあ現代のパートに多少ラブロマンスめいた味付けはあるのですが、あくまでも後景程度に留めてあります。近代史ミステリーの部分にも恋愛がらみはありますけど、それも副次的な要素なんでねえ・・・。

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そもそもジェレミー・アイアンズ演じる学校の先生がいきなり授業をほったらかしてリスボンに行ってしまい、そこで何日も過ごすなんて大胆な行動の理由が、観てる者として納得できるように描かれていないことが引っかかります。原作の小説はいざ知らず、少なくとも映画を観る限りでは、この異様な執着の理由が本だと言われても合点が行かないのです。

そして独裁政権とレジスタンスの暗闘が70年代の話と知ってびっくり! 少なくとも映像のルックはもっと昔の物語であるかのように思えました。

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地味に見えて意外と豪勢なキャストです。ジェレミー・アイアンズを筆頭に、シャーロット・ランプリング、メラニー・ロラン、レナ・オリン、ブルーノ・ガンツ、クリストファー・リーなどなど。 やはりジェレミーは知的な役が似合いますね。でもリスボンに着いた時に買って着替えたブルー・ストライプのシャツを何日もずーっと着ていたのは、ちょっと匂いそうでした(ジャケットも着っぱなしでしたが、まあそちらは許せるとして・・・)

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(以降ややネタバレあり) かなり控え目に描かれる「大人の恋愛」の部分は、ラストシーンで一応の展開を見せつつ余韻を残して・・・ってところなのですが、どうにも「取ってつけた感」は否めません。まあそこはそれ、こういった部分がないとあまりにも堅くて暗くて観客がいなくなっちゃいますから、良しとしましょう。

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2014年10月29日 (水)

新富町の正金アパート

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中央区の新富町駅のそば(新大橋通り沿い)に建っている古式ゆかしいアパートがこの「正金アパート」。

しばらく前から全てのテナント(1階に入っていた飲食店)がクローズされて、いよいよ取り壊しか?という雰囲気が漂いまくっています。

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昭和6(1931)年の竣工だそうで、あの同潤会アパートとだいたい同じ頃かやや後追いぐらいの時期ですね。そういえば江東区白河の同潤会アパートあたりによく似ています。古びたグレーで武骨な感じが。

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太い道路沿いですし、小生が知った数年前の段階では1階の道路沿いに飲食店が何件も入っていたので、意識していないかったのですが、「アパート」だったのですね。

1階の讃岐うどんの店には何回か入りました。

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窓やひさしの意匠、そして壁面下部の黒タイルなどが特徴的ですね。コーナーが角(すみ)切りになっているところも。

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向かって右側の脇にはご覧のように鉄製の手押しポンプがありました。昔は井戸水を汲み上げていたのでしょうね。

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築83年なのでもう寿命と言うのはわかりますが、このあたりでは菊正宗のビルも1年ほど前に取り壊されたこともあり(下のエントリー↓)、またひとつ風情がなくなることが寂しいですねえ。

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-91a8.html

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2014年10月28日 (火)

今日の点取占い216

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カレーライスを沢山たべたい   7点

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2014年10月27日 (月)

「ふしぎな岬の物語」:ふしぎだなあ

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映画『ふしぎな岬の物語』はふしぎな映画。何がふしぎって、なぜこの作品がモントリオール映画祭で2冠に輝いたんでしょうかねえ? ベタですべっちゃうギャグを含む古臭くてゆるいコメディー。なぜこれが??

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吉永小百合の初プロデュース作品ってことですが、確かに最も吉永小百合的な主人公をプロデュースしましたね。老若男女誰からも慕われ、出しゃばらずに静かに微笑んでいるような、でも芯は強い女性。演技的にはあの、目を見開いてまばたきせずにフリーズしちゃう芝居を多用しておりました。

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それにしても村人たちの描写が泥臭くて、垢抜けなくて、うわーって感じ。で東北とか北海道とかの話かなと思っていたら、千葉だというんでぶっ飛びました。うーん、千葉おそるべし。秘境千葉。チバシガサガ・・・。

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(以降ややネタバレあり) 終盤は説明不足や描写不足により、ヘンさかげんに拍車がかかって行きます。あの火事、あれでいいの? 火事の後は小百合さん、(保険で?)新築された喫茶店と人々の貢物で幸せそうにしていていいの? 阿部ちゃんと竹内結子はいつの間にそこまで進んじゃってたの? などなど。 そもそも成島出はどうしてこんな作風になっちゃたの? やっぱり「ふしぎな映画の物語」です。

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2014年10月26日 (日)

展覧会「ザハ・ハディド」@オペラシティ

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初台の東京オペラシティ・アートギャラリーで展覧会『ザハ・ハディド』(~12/23)を見ました。新国立競技場の設計コンペの勝者として日本でもクロースアップされている彼女は、バグダッド生まれロンドン在住。今最も注目されている建築家の一人でしょう。大江戸はそう建築に詳しいわけではありませんが、フランク・ゲーリーの流れを汲む脱構築主義の代表です。

「アンビルトの女王」と言われていた初期の完成に至らなかったプランから、建築技術の進歩により作られるようになった実作の画像、靴やアクセサリーなどのプロダクツ、そして新国立競技場プロジェクトまで、彼女の仕事の全貌を紹介しています。

その独自の創造性に溢れた諸作品はまさに、21世紀建築の先端を切り拓いています。有機的な曲面を多用する作品を見ていると、ガウディーが現代のテクノロジーを手にしたらこういう作品を作るのかも・・・と思わせるものがあります。また、曲線的な作品でも直線的な作品でも、作品にある種の「なまめさしさ」があって、大画面に投影されるそれらの写真を見ているとなんだかドキドキしてしまいました。そういえば小生は「ポストモダン好き」でありました(一方でレトロ建築好きでもありますが)。

そして新国立競技場。いろいろと反論の多いプロジェクトになりましたが、大江戸としては日本の21世紀の顔にふさわしい「さすがはTOKYO」というスタジアムができることを大いに期待しています。前の競技場の竣工から半世紀以上が経過し、新しいものを作るんだったらこれぐらい世界に発信力のある大胆なことをやらなくちゃ!   大きなプロジェクトをやる時に保守的な案と革新的な案があったら、 革新的な方を選ぶべきだと思います。そうして人間や 世界は前へ進んでいくのではないでしょうか。それに人は変化することを怖れるものですし。 この流線形を多用した未来的なスタジアムには圧倒的な斬新さがあり、それは都市の夢であり時代の誇りでもあると思います。4年後ぐらいにここに入ってサッカーを観戦したりコンサートに参加することが今から楽しみです。 (ハディド案のプレゼン動画↓)

https://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=1Lzk2GeVRrA

展覧会サイト↓

http://www.operacity.jp/ag/exh169/

改めて思いましたけど、建築家ってのは理論と感性、つまり左脳と右脳が両方ともメッチャ優れていないとなれない仕事ですよねえ(芸術性とソロバンとも言えます)。そういう能力の顕現を目にすると、いつも素直に感心、感動するのみなのであります。

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2014年10月25日 (土)

「小野寺の弟・小野寺の姉」:じわりじんわり

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映画『小野寺の弟・小野寺の姉』は、向井理と片桐はいりがきょうだいを演じるという、その“異常な”キャスティングだけで、まあ「勝ったも同然」ですね。ご自分でおっしゃるように「特殊俳優」である片桐さんといたしましては、’06年の『かもめ食堂』以来の映画主役でありハマリ役になってます。「普通でない役」を与えられることが多い彼女にしては実に普通の役なのですが、何とも言えないペーソスがじわりと漂っています。

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姉弟の平凡かつ奇妙な暮らしの中でのやり取りで、ちょこちょこくすぐってくるコメディーです。すっとぼけたユーモアや絶妙の台詞に笑っちゃいます。ただ笑いでぐいぐい押して来ることはなく、ドラマの薬味程度に抑えています。薬味多めですけど。

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向井理はシャキッとした二枚目の部分は封印して、いつも寝ぐせの草食系ぼんやり男子を演じています。若いなー。大学生ぐらいに見えます。メガネ姿も昔の大江千里みたいですし。で、観ているうちに不思議と、この変なきょうだいに違和感が無くなってくるんですね。それどころかきょうだいならではの空気感や察し合いがじわりと滲み出てくるんです。

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(以降ややネタバレあり) 終盤片桐はいりが号泣する場面は、大江戸だったら泣かせずに「平静を装う体で、むしろ快活に」を選びましたね。そこにこそ哀しみが立ち上ってくるってもんです。 でもここらへんからラストにかけては、日本映画の古い名作の匂いをちょっと感じました。市川崑の『おとうと』とかね。じんわりと滲み出るほっこり感とペーソス。この抑えた感じが良いのです。

あと山本美月の涙袋が魅力的だったってことも書き残しておきましょう。

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それにしても(舞台挨拶は終わった後の回でしたが)この作品が新宿ピカデリーで一番大きいスクリーン1にかかっていたので、いささか驚きました。ミニシアター系みたいな小ぢんまり感なのにね。 (写真は新ピカのロビーにあった向井と片桐のサイン)

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2014年10月24日 (金)

「ニンフォマニアック Vol.1」:セクソロジー・クロニクル

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映画『ニンフォマニアック Vol.1』は、悪名高き(でも大江戸はかなり好きな)ラース・フォン・トリアーによる2部作の前編。いちおう「コメディー」ってことになっているようで、確かに微苦笑したりちょっと吹き出したりする箇所はいろいろありますね。

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でもこのタイトル、このテーマでありながら、ちゃんと描写はありながら、少しもエロくないのがあれ不思議であります。ステラン・スカルスガルド演じる初老の男の思考同様に、学問的見地からの視線で描写しているからなのでしょうか。その視線は生物学的だったり社会学的だったり、時として数学的でさえあったりするのです。性の学問(sexlogy)を年代記(chronicle)的に描いた物語だと言えましょう。

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全8章のうち第5章までが、このVol.1で語られます。でも上映時間はVol.2の方がやや長いし、「いよいよこれから」感ばかりがあって、まだ評価しようがないって気がします。まあトリアーがいつも以上に人を食っていることは確かなようです。

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第3章に登場するユマ・サーマンがかなりの怪演。久々にお目にかかりましたけど、一気にオバサン化していて、登場後しばらくは彼女だと気づきませんでした。かなりクレイジーな芝居で、少々ぞっとしながら笑えます。

それにしても最初と最後にかかったメタル(ラムシュタイン)がトリアー作品に実に合ってて、すっげーカッコイイっす。

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2014年10月23日 (木)

ハッピーターンの変わり種×3

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亀田製菓『ハッピーターン』の「シュガーバター味」です。バターのコクとリッチな味わいなのだそうです。まあそう言われればそうでしょうか。特段惹かれるほどのものではありませんでしたが・・・。

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で、こちらは「大人の抹茶味」。なるほど抹茶がふりかけてあって、香りも濃厚にちょっと渋くてほろ苦かったりもするあたりが本格的です。ハッピーターンなのに・・・。これ食べれば、お茶が無くても大丈夫! とはいきませんよね。やはりお茶が別に欲しいです(あたりまえ)。

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そしてこちらはなんと、『ハッピーターン アイス』! 亀田製菓と明治のコラボレーション。何これ?みたらしだんごの味がします。しょうゆっぽく感じられるんですよねー。これはハッピーターンって言われないとわかんないですねー。なぜかアイスですし。 なぜ作ろうと思ったのか、謎の商品です。  

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2014年10月22日 (水)

「悪童日記」:上質な疎開ハードボイルド

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映画『悪童日記』は、第二次世界大戦下を舞台にしたハンガリー作品。とにかく映画として「上質」です。何十年も前の既に評価が確立された「古典(クラシック)」を観るような感じでした。全てのカットに隙がありません。

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主人公の双子くんたちが見事にハングリー・ハートな雰囲気ですし、でぶっちょのおばあちゃんが怒りんぼでワイルドでキャラ強過ぎます。でもこの人、中盤以降「そんなに悪い人じゃない」ってことになっていき、(体は幅が広いけど)奥の深さを感じさせるキャラクターとなっております。助演女優賞モノですね。

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双子も周囲の人々も戦争に翻弄されて人間性を失ったりハードになったりしています。そこらへんの描写の塩梅が実にリアルです。

「疎開モノ」というと日本では『火垂の墓』がありますが、あれに較べるとこの子たちって結構恵まれてるかもなどとも思いました。とはいえ常に周囲に死があって、肉体的にも精神的にもハードな状況には違いありません。

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神父が双子に『十戒』を知っているかと問うた時に、彼らが発する答=「『汝殺すなかれ』って言うけど、みんな殺してる」っていうのは、うーん、刺さりますね。
それは言葉が生きた部分ですが、作品の多くの部分は行動で語っています。とにかく映画自体のたたずまいや描写が見事にハードボイルドなのです。

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2014年10月21日 (火)

SHIBUYA 2015-2027

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東急東横店東館と東急東横線渋谷駅跡地がご覧のようにほぼまっさらになりましたね(ヒカリエからの眺め)。

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で、ヒカリエへの空中通路にこんなバナーが出ているのです。

まず2015年に何かビルが建つのでしょうか。

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続いて2018年。

1413891324837更には2020年。

2020年と言えば、東京オリンピック開催年であり、『ウルトラQ』の「2020年の挑戦」、そうケムール人の出てくる回のタイトル。往時の「遥か遠い未来」が、そこまで迫って来ています。

1413891307196そして最後に2027年。ビルもいろいろ出来るみたいですね。

思えば昨年=2013年の工事開始から足掛け15年ですもんねえ。

結局鉄道がらみの工事って、終電終わってから始発が出るまでの間しかできなかったりするので、やたらと年月がかかってしまうのだそうです。

  

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それにしてもこのポスターやバナーのデザイン、目的を絞り込んでの告知という面では、誰にでも一目瞭然。芯以外は削ぎ落としたことで、いい仕事になりました。

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2014年10月20日 (月)

「ぶとうのなみだ」:ヒロインに魅力も華もなくて・・・

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映画「ぶとうのなみだ」は、どうにもこうにも頭で造り上げたような物語で、テクニカルすぎて心に迫って来ません。ありきたりの設定のつなぎ合わせだってことはともかくとして、思わせぶりに隠しているあれやこれやが、結局最後までわざわざ隠した意味を持たないってのも、困ったもんです。

脚本を書いた人が監督もすると自分では切れないもんだから、妙にたっぷりとシーンを撮って、そのまま使って、テンポが悪くなってしまうという鉄則通りにもなってしまっています。

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最大の問題点は、魅力的であるべきヒロインに華も味もないこと。キャラクター的にもルックス的にも「本当は 永作博美を使いたかったんだけど・・・」みたいな。
そもそもこの人、一体何を生業としているのでしょうか?ミステリアスな部分が何にもなっていないというか、キャラクターがふわふわしてるだけで構築できていません。この人の魅力のもととなるべき能力とか行動とかが一切描かれていないのです。

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警察官とか郵便配達員とかが妙なオリジナル制服を着ているって、何? あり得ない上に、そこに生まれるメルヘン効果が作品に寄与しているとは思えません。おまけに演奏しながら行進したりするし。実写映画でやられるとキツイですね。絵本や演劇じゃないんですから。宮沢賢治??

安藤裕子演じる迷惑女やこいつらが大泉洋のことを 「あいつはねー・・・」と批判しますけど、小生に言わせれば大泉がまともで、こいつらが非常識なだけです。 また大泉が安藤に徐々に魅かれて行く過程ってのも、段階を踏んできちんと描かれていないため、何でいつの間に?そういうことになっちゃうの?という引っかかりがぬぐえませんでした。

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映画の作者たちは、ワインに関してあまり興味なさそう。一応樽とか発酵の場面とか出て来ますけど、あれだけじゃねえ。ワイン造りの苦労とか繊細さとか夢とかロマンとかが(言葉では語られても)絵として見えて来ません。それじゃあ映画としてダメですよね。

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2014年10月19日 (日)

湘南、(ようやく)今期ホーム初黒星!

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前節でJ2優勝を決めた湘南ベルマーレは、ホームBMWスタジアムで長崎と対戦。試合後には表彰式も予定されていて、村井チェアマンから優勝シャーレが手渡されるというので、行って来ました。スタジアム関係者入口には、「やべっちFC」などからのお祝い花もたくさん。

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この状況で、相手は(特に強豪とは言えない)長崎で、陽光うららかな天候で…と、なんとなく選手にも観客にも「ゆるい」ムードが漂っていました。おまけに攻守の要であるウェリントンと丸山が、今日はいません(交代の切り札、岡田翔平も)。
「これ、ちょっと危険だなー」と思っていると、案の定前半2分に長崎にあっさりと先制されてしまいます。

 

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その後も几帳面にプレスをかけてくる長崎に手を焼き、攻撃が組み立てられません。そうこうしているうちに36分、長崎に 追加点を奪われてしまいます。前半のうちに2点のビハインドなんて、今期初めてのことです。

前半終了時には、いつもは心優しい湘南サポーター席からブーイングが起こりました。そういう展開だったのです。樋口、亀川をはじめ、みんないつもと較べてひどいもんでした。

 

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曺貴裁監督も後半の頭から大竹を投入(今日もダメだったメガカメックスOUT)。続いて52分に熊谷アンドリュー投入(岩尾OUT)と、早目に手を打ってきます。しかし状況は変わりません。ついには68分に早々と3人目の中村祐也投入(菊池OUT)と、バクチを打ってきました。

すると73分、ようやく島村が決めて1点差。スタジアムが今日初めて盛り上がりました。
しかし反撃もここまで。 最後まで体を張ってしっかり守り、更にバタバタ倒れて露骨に時間稼ぎをしてく来るV.ファーレン長崎を崩せずに、結局1-2の敗戦。あと2試合を残して、今期ホーム初の負けとなりました。シーズンを通してのホーム無敗記録は成らずでした。また5月の愛媛戦に敗れて以来の無敗記録も21試合でストップ。

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そういうわけで、試合終了後に行われたセレモニーも何だか苦い味でした。せめて引き分けに持ち込んでいたらなあ、と思うことしきり。

セレモニーではJリーグの 村井チェアマンから永木主将にシャーレが授与され、場内一周やサポ席前での記念撮影などがありました。

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「勝利のダンス」を踊れなかったサポ席からは、その代わりに「♪カンピオーネ(チャンピオン) カンピオーネ オレオレオレー」の合唱が何度も歌われたのでした。

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今日のベルマーレクイーンたちは、その様子を遠く離れたメインスタンド下から見守っていました。彼女たちにっては、就任以来初めてのホームBMWでの黒星。ほろ苦い日になってしまいましたね。

でもこちら放送部のロンドさんと相澤<かすみん>さんはもう少し近くで祝福。相澤さん、時々こぼれる涙をふいているように見えました。

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選手たちののぼりに混じって、こんなのぼりもありましたよ。

今日の試合を見てると、にわかに来期が心配になって来ました。湘南スタイルの進化も必要ですが、的を射た補強も必要だと思います。J1とJ2のエレベーターにならないためにも・・・。

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2014年10月18日 (土)

江戸博の展覧会×2(銀座と東京五輪)

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江戸東京博物館で企画展『モダン都市 銀座の記憶 -写真家・師岡宏次の写した50年-』(~11/30)を見ました。

師岡さんは戦前から戦後の東京を多く撮影した写真家で、大江戸も写真集を見たことがあります。貴重な近世東京の記録です。彼が昭和5(1930)年から半世紀にわたって撮り続けてきた銀座の街並と人々の写真をその他の資料と共に振り返った展覧会です。

特段「写真として」優れているとは思わないのですが、建築や衣服、風俗の記録として素晴らしい資料となっています。銀座の柳とか戦勝パレードとか焼け野原の銀座とかPXとか、・・・そして常にその中心に屹立して銀座の街を睥睨しているのは、和光の時計台なんですね。

師岡が使っていたライカだとか地下鉄の資料だとか百貨店の催事案内だとか昭和42(1967)年の動画映像作品だとかの展示もありました。

見事な石造りの洋風建築はほぼ全滅しましたが、パナマやソフトをかぶった紳士、着物姿の淑女は少ないとはいえまだ残存している街、それが銀座です。単なるノスタルジーではなく、現代の我々がこの街の本質を確認する上でも意味のある展覧会だと言えるでしょう。

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今、同館でメインで公開中の特別展『東京オリンピックと新幹線』も見ました。東京オリンピック・パラリンピック開催50年記念の企画です。大江戸的には新幹線関係にはそれほど魅かれなかったのですが、オリンピック関連はやはり面白かったです。1940年幻の東京大会の資料、国立競技場の設計図青焼き(当然手描き)や模型、選手村(現代々木公園)の図面や模型、あの亀倉雄策デザインによるポスター連作、映画『東京オリンピック』のポスター、赤ブレザーの入場行進用ユニフォーム、授賞式プレゼンター用の着物と帯などなど興味深い展示品が数多くありました。

'64年には「東京パラリンピック」も実施されていたんですね。不勉強で知りませんでした。

ポスターには上下に二つの円形。上はオリンピックで何度も掲揚された日の丸、下は両側の「目」と下部のブルーでわかるように0系新幹線の「顔」ですね。ふふふ。

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2014年10月17日 (金)

「海を感じる時」:'70年代邦画の湿り気

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映画『海を感じる時』は、荒井晴彦脚本らしいザ・日本映画。なんと荒井氏が30年も前に書いた脚本だそうです。原作が発表された1978年ごろの時代設定で、実に「懐かしい'70年代の邦画」の湿り気を含んだ匂いがたっぷりします。あるいはにっかつロマンポルノの名作がまとっていた匂いが。

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'65年生まれの安藤尋監督は、この'70年代をある種の「時代劇」として撮っています。つまりきっちりした時代考証と、その再現。中途半端に古くて難しい時代なんですけど、衣装も美術、小道具も、よくもまあという凝りようです。そしてウェットな心情や時代の空気の再現も。

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物語の時代背景とそれによる人々の思想、ものの考え方も「古めかしい」と言えばそうなので、そこらが評価の分かれる点かも知れません。でもまあ、ここも「時代劇」なのだと思います。この時代はこうだった、こういう考え方をする人がいた、ということの重なり合い。

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愛されていないのに、一途に、一抹の狂気を含んで恋愛へ突き進んでいく主人公を見ていて、トリュフォーの『アデルの恋の物語』を連想しました。逆境を乗り越えて恋を貫く自分に恋するような物狂いの感覚。

中村久美さん演じる主人公の母が、なんか「違和感」と言っていいほどの独自のリアルさがあって、嫌悪感を禁じ得ない好演でした。

(以降ネタバレあり) ラストで主人公は下着(スリップ)姿で波打ち際まで歩いていき、そこで海を見つめるのですが、ここは映画的にはやはりハダカでないとダメなんじゃないかなあ。海を感じられないんじゃないかなあ。潔くない中途半端感が漂ってしまうんですよね。河瀬直美監督『二つ目の窓』のラストのように、「ハダカ×海」は七難隠すのです。

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2014年10月16日 (木)

「廣川玉枝展 身体の系譜」

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渋谷西武A館の7階特設会場で、『廣川玉枝展 身体の系譜 Creation of SOMARTA』(~10/19)を見ました。(ちなみに会場内は撮影OKでした。)

東京コレクションで活躍するファッションデザイナー廣川玉枝さんのブランド「SOMARTA ソマルタ」初の単独展覧会です。ソマルタはレディー・ガガへの衣装提供などもしております。

1413463457210小ぶりな会場の大部分の通路にはウッドチップが敷きつめられ、観客はその感触を足の裏に感じながら歩きます。

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「頭」とか「胴」とか「骨」とか「殻」とかの部位別に作品が展示されています。展覧会タイトルにも示されている通り、ソマルタは身体性にその根幹があるブランドです。

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現代日本のレオナルド・ダ・ヴィンチとまで言うと言い過ぎかも知れませんが、解剖学的に身体に迫るアプローチは、多分にダ・ヴィンチ的です。

本当に骨や皮や内臓や血管をモチーフにしたような作品が多いのです。その有機的な美しさと多少の不気味さ。 体を覆うはずの衣服が、体自体や体の内側をむき出しにするというアンチテーゼ。

まあ「鳥」モチーフもあるのですけどね。

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スキンシリーズのボディスーツは、ソマルタの象徴。思想と哲学が凝縮されたボディ・ウェアです。挑戦的で研ぎ澄まされています。

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廣川さんはその独創性とアーティスティックな純度で、これからもますます期待できるデザイナーだと思います。手技の精緻さも圧巻でした。それが作品の強度を高めていることも確かです。

もしロバート・メイプルソープがまだ生きていたら、ソマルタの服を着たレディー・ガガを撮影してもらいたかったなあと思いました。

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2014年10月15日 (水)

「世界一美しいボルドーの秘密」:モヤモヤと気が滅入って

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映画『世界一美しいボルドーの秘密』は、ワイン好きのはしくれのはしくれとして、観ていて気の滅入(めい)る作品。しかしながらワインファンを含む多くの人々にこの現実を知ってもらって、考えるきっかけにすると言う意味では有意義な作品だと思います。視点のしっかりしたドキュメンタリーです。

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気の滅入ると書いた理由は、中盤以降に延々出てくる本作のテーマであるところの「中国の過剰なワイン・フィーバー」があまりに凄まじく、しかも哀しいまでに成金趣味になっているためです。従来の価格体系をぶち壊すほどクレイジーな高額での大量買いとか、ラフィットとラトゥールだけがバカ人気で、それを飲んでる理由が「女性のお肌に良いから」だとか(そんな理由で飲める値段ではないですし、そもそもワインは美容ドリンクではない!)・・・。そんな話が続くので、情けないやら腹立たしいやらで、かなりモヤモヤとします。

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話が偽造ワインにまで及ぶにつき、「やっぱりねえ」という感想以上に、もう泣きたくなります。ラフィットの空き瓶は500ドルで売れるとか、レストランで空き瓶を目の前で割ってもらわないと安心できないとか、まあひどい話の数々にあきれます。

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最後に、中国のワイン・バブルも2011年ではじけて急降下と出てきて、少しほっとするのですが、はてさて。次にインドでワイン・フィーバーが起きないとは誰も言いきれないではないですか。ワインが「自然に左右される有限の産物」であることへの理解と、ワインというの文化への(歴史や背景を含めた)リスペクトが絶対的に必要です。ボルドーの皆様方には、そのための矜持と戦略をこれまで以上に期待いたしております。

それにしても中国のワイン関係者や愛好者(≒お金持ち)は皆さんことごとく英語を話すんですよね。十数人出てきたと思いますが、中国語で話してるのは二人だけでした。ここらが日本と違うワールドワイドな金儲けの基本なんでしょうねえ。

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2014年10月14日 (火)

日本、ブラジル≒ネイマールに大敗

日本代表の対ブラジル戦 in シンガポール、うーむ、なるべくしてなったような0-4の敗戦でした。このメンバーだし、まだこのチームでの連係ってあまり出来ていないわけですから(そこが命の日本なのに)。まさかネイマールに4点取られるとまでは予想できませんでしたが。しかしまあ、前半そこそこ善戦してても、いつも後半にコテンパンにやられますよねえ。嘆息。

先発6人入れ替えの衝撃。まさかブラジル戦に本田も長友も好調細貝も先発させないとは思いませんでした。代わって入った選手たちにも明暗が・・・。ここのところ不調の長友に代わって左ウイングに入った太田宏介は冴えてました。クロスの精度やアイディアが最近の長友よりも勝っています。 その一方でアンカーに入った田口はどうにも冴えなかったですねえ。プレイが消極的だし、攻めへのフィードができていないし、がむしゃらさが足りないし。 森岡も前半で替えられたことから推して知るべしです。消えてました。 小林悠は良かったんだけど、あの最大のチャンスのボレーを決め切れなかったからなあ・・・。惜しかったです。

大江戸を含め評価うなぎ昇りの柴崎岳ですが、確かに今日も素晴らしいプレイも多かったのですが、2点目は彼の軽いプレイからボールを奪われて、一気に決められちゃいましたし、その後にも彼のミスから1点取られかけた(サイドネットが揺れた)場面がありました。まあこれを今後への教訓としてもらいたいものです。

あとは短時間でもDF鈴木大輔を使っておいてくれたのが、今後に向けて良かったですね。

そして私は言っておきたい。最近の川島は下り坂感がありありなので、もう西川でいいじゃないですか、と。

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2014年10月13日 (月)

「イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所」:ゆる甘だけどクロエちゃんを見る映画

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映画『イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所』は、またしてもクロエ・グレース・モレッツを見る映画(『キャリー』や『キックアスジャスティス・フォーエバー』のごとく)。17歳になったクロエちゃんの女子学生っぽさやアヒル口を堪能すべき作品でです。

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お話自体はゆるゆるの甘あまで、なんだか少女マンガ風です。今一つ世の中になじめない私、才能を持っている私、王子様が向こうからやって来る私、悲劇の主人公の私、死んじゃうかもしれない私・・・。クロエちゃんじゃなかったら、かなりしんどい設定かも知れません。

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そんな主人公の「王子様」役(ジェイミー・ブラックリー)が、えー?この人カッコイイですかい?かなり微妙じゃありません??って感じで、老け顔だしへんな眉毛だし、額のハゲが既に進行しております。

おじいちゃん役のステイシー・キーチ!は、味わい深い好演でしたね。

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現在形の進行の合間に、長いフラッシュバックを挟み込むスタイル。しかしながらこれが映画の進む流れを分断してしまって、あまり良い効果が得られていません。更には会話場面になるとやけに長くて、途中から飽きてきます。ここらへん、ドキュメンタリー出身だというR.J.カトラー監督の劇映画演出の弱さだと言えるのではないでしょうか。

チェロ演奏シーンでは、実際にクロエちゃんが弾いている全身ショットも出てきます。手元の見えないショットやプロが弾いているであろうショットとモンタージュすることにより、なかなか見事な演奏シーンとなりました。7ケ月かけて練習したんだそうです。よくできました。

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2014年10月12日 (日)

「ジェラシー」:恋愛に関するスケッチ

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映画『ジェラシー』はモノクロ77分のフランス映画。恋愛映画ではなく、「恋愛に関する映画」と言えましょう。ただ淡々と男と女の関係性とその周辺を描いています。

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フィリップ・ガレル監督は、1964年(50年前!)、16歳!の頃からの映画監督なのですが、この映画にもその頃のようなムードが濃厚に感じられます。ヌーヴェル・バーグ後のヌーヴェル・バーグをずっと引きずっているような・・・。なにしろ淡々としたスケッチの如く、エピソードをさらさらと連ねただけの映画なのですが、そのつなげ方が映画の文法に則っていないのです。時間と空間が不自然に飛びますし、常識的に必要なカットの長さとかシークェンスの内容とかがないんです。ちょっと見、普通に見えるのですが、いえいえ、自由過ぎます。

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でも描写自体はリアルで適切で、結構唸っちゃいます。恋愛のディテールの描き方、子どもの描き方、人間と人間の醸し出す空気、感情の揺らぎ、そこらの描写は実に達者なものです。

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作品をやわらかく、豊かなものにしているのが、小さな女の子(主人公の娘)の存在。この(いかにもフランスの女の子って感じの)ちょっとオトナな感じとコドモ感のバランスがまたリアルです。

いきなりな感じのラストと長めの溶暗もまた、「そして人生は続く」っていう味わいなのでありました。

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2014年10月11日 (土)

ベルマーレ、J2優勝決定!

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湘南の優勝が決まる試合、東京ヴェルディとの1戦を観に味の素スタジアムに行きました。サポーターの数ではアウェイ湘南がヴェルディを圧倒しています。試合前から大盛り上がりです。ここ、屋根がついてるからすごく反響して迫力が増幅されるんですよね。 この試合より先に戦った2位松本が勝ったため、湘南はこの試合勝利か引き分けで優勝となります。

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試合が始まると、ヴェルディが相当に手ごわい相手でした。以前は「技術はあるけど、ハードワークしないし、スキのあるチーム」みたいな印象でしたが、ここのところだいぶ変わって来ているようです。技術以上に、とにかくハードワークして来ますし、球際強いです。切り替えも速いし、けっこうベルマーレと同じようなことをやって、一歩も譲らない強い意志を感じました。序盤はむしろヴェルディ優勢で、その後もフィフィティ/フィフティで拮抗。

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後半に入っても緩むことなく、ハードなつばぜり合いが続きました。ほとんど意地と意地の張り合いみたいになっていて、イエローカードも双方3枚づつ出ましたし。双方チャンスもピンチもありまして、結局は0-0で試合終了。

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勝って決めたかったのは選手もサポーターも同じ。一瞬、残念な空気が流れましたが、その後暖かい拍手と声援に包まれました。そして勝利のダンスとはいかなかったので、「昇格のダンス」! 大江戸も久々に肩組んで参加しました。その後には貴裁監督の胴上げ! そしてサポーター席では真壁潔会長のハンドマイクでのご挨拶も。まあ、正式の優勝セレモニーは次節のホーム長崎戦においてなのだそうですね。

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思えば昨秋の味の素スタジアムではFC東京に敗れてJ2降格が決定したのでした。そこで悲しい思いをした当時のベルマーレクイーンのうち3人(かすみん、みっさ、ゆきち)が応援に来ていました。嬉しそうでした。ホントに良かったねえ。去年はたった6勝(うちホームは3勝)でしたから(J1とはいえ)。今年は6試合を残して27勝1敗7分けですもんねえ(ホーム無敗)。

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今のチームを見ている限り、来期J1のステージに立っても「また2013年の二の舞」ってことにはならないはずです。ああ、今から楽しみです! めざせACL!

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2014年10月10日 (金)

アギーレ・ジャパンの初勝利

アギーレ・ジャパンのジャマイカとの一戦@新潟ビッグスワンをTV観戦。1-0で、このチーム3戦目での初勝利です。終始ボールを支配し危なげない試合、ってゆーか3-0ぐらいで勝てよって試合でした。

GKは西川周作がファンブル川島に替わって先発。CBは森重と初召集の塩谷、アンカー気味に細貝ってことで、「守備が課題」の部分をしっかりさせました。まあ相手がジャマイカなので、大いばりとは行きませんが、悪くなかったですよね。特に細貝!今まで見た代表の細貝の中で、一番良かったです。ピンチの芽を摘む、カウンターを遅らせるなどがしっかりできていました。

右サイドの先発は酒井高徳。今までに見た高徳の中で、一番良かったように思えます。勘どころを抑えた上下動、しっかり機能するボールへの寄せと多様なゴールへの道筋。

あと柴崎や武藤は代表2試合目とは思えぬほど堂々たる「レギュラー感」をまとっておりました。柴崎なんて前任の7番=遠藤のように落ち着き払ったコンダクターぶりでしたもん。 でも彼らも良かったけど、やはり岡崎が一番。本人も自虐的に「顔が内田だったら・・・」と言ってましたが、いやー凄い選手です。唯一の得点シーンも、岡崎が突っかけてボール奪取してからの本田-柴崎(-岡崎)という流れです。オウンゴールにはなりましたが、きれいに連動して崩してました。

その一方で多くのチャンスを外し続けました。特に本田、香川の両エースが、二人とも完全な得点機を決め損なったのが、実に「あーあ」でした。「なんで??」でした。 アギーレ・ジャパン初出場の香川はミスも多く精彩を欠き、なぜか長友もやけにミスや1対1で負けるシーンが多かったと思います。時差ボケなんでしょうか?

交代選手の中ではフロンターレから初召集の小林悠が悪くなかったと思います。位置取りや体のキレや得点感覚。ただ、まだ周囲とちょっと合ってない感じでした。

次戦は来週火曜のブラジル戦! in シンガポール。いい試合をしてほしいですね。

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2014年10月 9日 (木)

プレミアムと紅茶のキャラメル

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森永ミルクキャラメル・シリーズの『プレミアム・ミルクキャラメル』です。濃い茶色が示すように、深めローストのカラメルが香ばしくて、確かにプレミアムな本格感がありますね。写真ではちょっとわかりにくいですが、パッケージは見事にツヤ消しの金で、植物模様やエンゼルマークはキラキラのツヤ金です。お値段も普通のやつより高いです。まあ、でも味とのバランスでは納得できる範囲ですね。

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そしてこちらは同シリーズの『紅茶キャラメル』。ウバ茶使用です。かぐわしい紅茶の香りが素晴らしく、これはいいですね。おいしいです。 考えてみればコーヒーキャラメルってのはずっと前からあったけど、紅茶はなかったですもんね。定番化希望の逸品です。

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2014年10月 8日 (水)

マグノリアベーカリーの甘あまカップケーキ

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松屋銀座のショーウインドウでカラフルでしゃれたスイーツを発見。

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「ニューヨーク・ウイーク」の一環で10/8-14に限定で出店する、かの有名なマグノリア・ベーカリー(『SEX AND THE CITY』にも登場したし、表参道に行列ができてる店)のカップケーキです。この色が、日本にはない(うけない)んですよねー。

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地下食品売場の入口近くににありました。夕方に行ったら、3人ぐらい並んでいてすぐに順番が来ました。

バニラ・カップケーキのピンクのやつと、チョコレート・カップケーキにココナッツとキャラメルのトッピングのやつ、それとチョコレートチャンク・バーを買いました。

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噂には聞いていましたが・・・、あ、あま~~い!!

特にピンクのやつ(持って帰る間に転倒したため、写真は崩れてます)が、めっちゃ甘い! どんだけ砂糖使ってんだよ!ってぐらい甘くて、二口目からはほとんど修行のように食べました。ブラックコーヒーをがぶ飲みしながら。それに較べると、チョコレート&ココナッツのやつはだいぶ手加減した味で助かりました。バーは、やはりチョコがけっこう甘かったなあ。

基本的には甘いのオッケーなあまちゃんの大江戸ですが、今回はさすがに甘さのあまり食べ疲れました。完敗です。

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2014年10月 7日 (火)

麦焼酎「ケムール人の挑戦」

1412678251458_convert_2014100720541福島県二本松市の人気酒造という会社が出している『ケムール人の挑戦』という麦焼酎を、同社の通信販売で買ってみました。こんな感じのものです↓

http://m-78.jp/news/n-2658/

外箱にも瓶にもケムール人の絵や写真、『ウルトラQ』のタイトルのイメージ(ぐるぐる)などが使われていて、写真は麦畑や酒蔵での「ケムール人のいる風景」です。また、本商品の売り上げ金の一部は、ウルトラマン基金を通じて、子どもたちの未来を作るための活動に役立てられうのだそうです。

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ロックで飲んでみましたが、お味はと言うと、うーん、なんか物足りないというか麦の主張が弱いというか、ちょっとつまんない味のような気が・・・。小生が焼酎は「芋派」だからということもあるかも知れませんが、でもでも、麦焼酎だってもっと濃厚に麦のいい香りがしておいしいやつはありますからねえ。まあケムール星で好まれる味ってことなんでしょう。

箱や、ボトル裏側のラベルにはこう書いてあります---毎日の美味しい焼酎造りに余念が無いケムール人だが、まさかこの焼酎に「消去エネルギー源」と呼ばれるゼリー状の可燃性物体が混入されていて、飲むと2020年に連れていかれる・・・なんてことはないよな? それを試してみる勇気があるかな、グフォフォフォフォフォ・・・。

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2014年10月 6日 (月)

「蜩の記」:言葉に頼り過ぎて残念

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映画『蜩の記』は、小泉堯史監督らしい背筋のピンと張った真面目な映画。まさに「良くも悪くも」黒澤明の遺志を継いでいるわけですが、あえて今日そいう映画を作ってくれる人、作れる人=希少種という意味で、大変貴重だと思っています。しかもその作品がことごとく爽やかなのです。

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巻頭の雨が、ただならぬ量でざあざあ降っていて、そこからして「ああ、黒澤だなあ」と感じます。家屋も、その中の美術も、衣装も、風景の撮影も含めて、質の高い「きちんとした」映画作りです。今日び貴重な小泉組のスタイルです。

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だけど本作には、結構ややこしい物語の筋、特に藩の秘密に関する部分を科白に頼り過ぎているという大きな欠点があるのです。はっきり言って途中から、何がどうなっているのか自信がなくなりました。それも1箇所のみならず、いくつもの箇所で重要なあれこれが言葉だけで語られて、「絵」では表されません。小説じゃなくて映画なんだから、絵でわからせてくれないと・・・。なんとも残念なことです。

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その点、ほのかで奥ゆかしい愛の表現は、見事でした。ラスト近くの秋谷夫妻(役所広司・原田美枝子)の味わいにはグッと来ます。また岡田准一が急な石段を登る時に手を差し伸べると、堀北真希が横や後ろをキョロキョロ見て人がいないことを確かめてから、おずおずと手を差し出すあたりも、最高に素晴らしいですね。

どうでもいいけど近年の役所広司さんは、これで『劒岳 点の記』『わが母の記』『蜩の記』と、『記』モノ三冠王です。とりあえず、めでたい。

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2014年10月 5日 (日)

「猿の惑星 新世紀(ライジング)」:深く、哀しく

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映画『猿の惑星 新世紀(ライジング)』は、重厚な人間(猿)ドラマにして社会風刺や哲学を持った優秀な作品。人間世界の民族間の、あるいは同朋同士の紛争、闘争を見るようで、唸らせられます。もちろんエンタテインメントとしても上出来なので、作品の内在するパワーが更に高まっています。

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巻頭とラストに出てくるシーザーの顔のクロースアップが印象的。その思索的な憂いに満ちた表情。全編を通して、シーザーの表情の気高さは、観る者の心にまっすぐ届きます。この新シリーズ1作目の『創世記(ジェネシス)』でも新時代のVFX技術+アンディ・サーキスの芝居に感心したものですが、本作では更に高まっているようにも思えます。もちろんシーザー以外の猿たちの表情も、いちいち見事です。

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人間の中にも多くのいい人と多少の悪い奴がいるように、猿の世界も同様でした。そして攻撃、戦争のベースにあるのは常に、「未知の相手への恐怖心」と「互いの違いを認めない不寛容」なのです。

本作には一貫して「悲劇」のトーンが漂っています。物語は「つづく」状態でエンドロールを迎えるためラストが少し物足りない印象ですが、そこらは次作が解決してくれることでしょう。

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ところで新宿のミラノ1で観たのですが、1968年の『猿の惑星』第1作もこの劇場で公開されているのです。残念なことに今年の12月31日で閉館するわけですが、11月21日以降は元の「ミラノ座」という館名が復活するのだそうです。もう三月足らず。これから何回来られるのでしょうか。 広場をはさんだ正面のコマ劇場跡地には、TOHOシネマズのシネコンが入る大きなビルが着々と建設されておりました(来年春のオープンだそうです)。

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2014年10月 4日 (土)

湘南、愛媛に完勝も、優勝は持ち越し

1412426478584J2優勝が決まる可能性のあった今晩の湘南vs.愛媛戦@BMWスタジアム。でも昼間の横浜FCvs.松本戦で松本が勝ったため、本日の優勝は消えてしまい、なんだかなーという微妙なモチベーションの試合でした、観る方としても。

スタンド側を向いた垂れ幕には「アウェイ側を黄緑と青で埋めよう! 味スタへ行こう!」という文字が。ええ、こうなったら行きますとも!次節のヴェルディ戦での優勝を見届けますとも。

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今日の相手の愛媛FCはベルマーレにとって今シーズン唯一の敗戦の相手。でも今日の試合を観たら、「なんでこのチームに負けちゃったの???」ってぐらいの実力差。前半2分の武冨のゴールに始まり、結局3-0で完勝。

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でも惜し過ぎるシュートも多く、感覚的には6-0ぐらいでもおかしくない試合でした。3点目となった岡田翔平のシュートは、後ろから来るボールをゴールに向かってすくい上げるようなボレーでループ気味に決めるという高度な技。いやあ、見事でした。

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ま、守りではGK秋元のいくつもの美技に救われたところもありましたけどね。

こちらはいつも試合開始時にコール&レスポンスでサポ席を煽ってくれるロンドさんと相澤香純(かすみん)さん。

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ベルマーレクイーンも元気。足を痛めたしおりさんも、今日は復帰していました。

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勝利のダンス、大江戸的には久々です。やはりスカッとして一体感があって、いいもんです。

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サイリュームを手にしたベルマーレクイーン。スカッと勝てば、自然と笑顔もこぼれるってもんです。この調子で最後まで「ホーム無敗」で行きましょう!

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なお愛媛FCのマスコット=カエルの一平くんは、ベルサポにも大人気でした。なぜかいつもの緑ではなく、青くなっていましたが・・・。

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2014年10月 3日 (金)

「柘榴坂の仇討」:小説の方が良さそうで・・・

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映画『柘榴坂の仇討』は、実に正統派の中品(大作と小品の間ぐらい)時代劇。浅田次郎原作だけあって、人情味や夫婦愛でほっこりとさせてくれます。画面は端正で、品性がありますよね。

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美術、衣装などのスタッフ仕事がしっかりしていて、まさにプロの映画屋の映画(まあ若松監督はTV出身ではありますが)。 でも一方では、ちゃんとし過ぎていて、映画が映画としての勢いを持ってパワフルに転がって行くということがありません。そこなんですよねー。観ていて、「ああ、これきっと小説で読んだ方が納得できるし、感銘も大きいんだろうなあ」と思いましたもん。

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中井貴一って、若い時から変な顔だったけど、年取ってもやっぱり変な顔ですねー。見慣れてなければ、とても主役の顔とは思えません(お父さんは2枚目だったのにね)。阿部ちゃんと較べるから、ますます「変な顔族」に見えちゃいます。 広末涼子って(少なくともこの役は)まばたきしませんねー。なんか不気味に見えてしまいます。 吉右衛門さんは、さすがの貫禄でした。

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吉右衛門、中井、藤竜也ら男優陣の「きもの」が素敵な映画でもありました。序盤の雪の場面で、侍たちが油紙のレインコートや刀カバーを使っていたのが珍しい光景で、へーと思いましたね。他の映画(『桜田門外ノ変』など)では見られなかったものですから。

終盤~ラスト、かなり小さな話にまとまっていったのが、ちょいと物足りないところです。ここらも、小説だったらいい味だったろうと思うんですけどね。

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2014年10月 2日 (木)

「フランシス・ハ」:♪モノクロは~、ハ!

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映画『フランシス・ハ』は、モノクローム映像のニューヨーク・インディーズ。まあアメリカ的な分類としては「コメディー」なんでしょうけど、かなりウディ・アレンやジム・ジャームッシュ的な匂いがします。「都会的で、そこはかとない笑い」ってラインです。

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今年大流行の「女同士の友情」ラインでもありますね。ただ、その分野においては少し物足りません。メガネの人が比重として弱いですし、監督もあくまでもフランシスを主役として、彼女にフォーカスしています。

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フランシス=27歳、がけっぷちのダンサー志望というあたりのイタさが、リアルに等身大で迫ります。焦燥と諦念と渇望と信念。悩みは多いけれど、日々は流れ、人生は進行して行くのです。そういう人に一番似合う街は、やはりニューヨークなのです。最後にはやはり主人公を応援したくなります。

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この不可思議な『フランシス・ハ』というタイトルの、「ハ」の謎が解けるのはラスト・シーン。鮮やかとまでは言わないけど、「なるほどねえ」とちょっとニヤリでした。 86分というコンパクトさも、作品の柄に合ってます。

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2014年10月 1日 (水)

女子サッカー、決勝敗北のガッカリ

くやすぃいですなあ。アジア大会女子サッカー決勝の日本vs.北朝鮮戦、1-3の敗北です。 でも、「そりゃあそうだよなあ」っていう納得もしてしまいます。だって、海外組を召集しなかったんですよ。大儀見も熊谷も大野も近賀も岩渕も安藤も宇津木も田中明日菜も(アンド怪我の鮫島も、そして澤も)いないんですから、2軍とは言わないけど1.5軍みたいな布陣。

結局頼りになったのは、宮間、川澄、阪口、岩清水、海堀というW杯優勝を経験しているベテラン・メンバーのみ。そこに先発クラスに成長した髙瀬と中島が加わる感じでしたけど、髙瀬は1次リーグで怪我した後は精彩を欠き、中島も怪我で今日の決勝に出ることはできませんでした。中島だけでも元気でいてくれたら、勝てた試合だって気がしてなりません。だって、北朝鮮だってそんなに強い印象はなかったし、あと一人良い選手が入ってたら何点も取れた気がしてならないのです。はい、「たられば」ですけど。

「若手の底上げ」が大きなテーマの大会だったのに、結局若手が伸びてくれないまま終わってしまいました。4年前だったら、川澄とか阪口とかがぐんぐん伸びて来てくれたんですが、今は・・・。みんな代表レベルだと物足りな過ぎて、もう見ていて歯痒かったり腹が立ったりで大変です。何度も言って恐縮ですが、左右の槍(鮫島、近賀)の不在が大き過ぎて、臼井と有吉、特に左の臼井は全てのプレーが物足りなく、その上ミスが圧倒的に多くて、見ていて悶絶しちゃいました。 増矢も髙瀬と2トップ組むにはまだまだってところで、むしろ後半左ウイングに移ってからの方が良い働きでした。 長船も悪くはないけれど、安定感はまだありませんね。

宮間(いつも以上に素晴らしかった)も川澄も阪口も、きっと「何でこんなに合わないんだろう?」と、普段との違いを嘆いていたことと思います。 「産みの苦しみ」とはいえ、今の段階では何も生まれなかった気がしてなりません。だって、若い連中が走ってプレスかけたりギリギリのボールをものにしたりしないんですよ。ベテランたちは必至でやってるっていうのに。

海外組が揃えば、こんな失態はないってのはわかっているだけに、大きなチャンスをもらっても生かせなかった若手にがっかりです。佐々木監督としても、代表メンバー選考も含めて考え直さねばならないことでしょう。

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