「廣川玉枝展 身体の系譜」
渋谷西武A館の7階特設会場で、『廣川玉枝展 身体の系譜 Creation of SOMARTA』(~10/19)を見ました。(ちなみに会場内は撮影OKでした。)
東京コレクションで活躍するファッションデザイナー廣川玉枝さんのブランド「SOMARTA ソマルタ」初の単独展覧会です。ソマルタはレディー・ガガへの衣装提供などもしております。
小ぶりな会場の大部分の通路にはウッドチップが敷きつめられ、観客はその感触を足の裏に感じながら歩きます。
「頭」とか「胴」とか「骨」とか「殻」とかの部位別に作品が展示されています。展覧会タイトルにも示されている通り、ソマルタは身体性にその根幹があるブランドです。
現代日本のレオナルド・ダ・ヴィンチとまで言うと言い過ぎかも知れませんが、解剖学的に身体に迫るアプローチは、多分にダ・ヴィンチ的です。
本当に骨や皮や内臓や血管をモチーフにしたような作品が多いのです。その有機的な美しさと多少の不気味さ。 体を覆うはずの衣服が、体自体や体の内側をむき出しにするというアンチテーゼ。
まあ「鳥」モチーフもあるのですけどね。
スキンシリーズのボディスーツは、ソマルタの象徴。思想と哲学が凝縮されたボディ・ウェアです。挑戦的で研ぎ澄まされています。
廣川さんはその独創性とアーティスティックな純度で、これからもますます期待できるデザイナーだと思います。手技の精緻さも圧巻でした。それが作品の強度を高めていることも確かです。
もしロバート・メイプルソープがまだ生きていたら、ソマルタの服を着たレディー・ガガを撮影してもらいたかったなあと思いました。
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