「ぶとうのなみだ」:ヒロインに魅力も華もなくて・・・
映画「ぶとうのなみだ」は、どうにもこうにも頭で造り上げたような物語で、テクニカルすぎて心に迫って来ません。ありきたりの設定のつなぎ合わせだってことはともかくとして、思わせぶりに隠しているあれやこれやが、結局最後までわざわざ隠した意味を持たないってのも、困ったもんです。
脚本を書いた人が監督もすると自分では切れないもんだから、妙にたっぷりとシーンを撮って、そのまま使って、テンポが悪くなってしまうという鉄則通りにもなってしまっています。
最大の問題点は、魅力的であるべきヒロインに華も味もないこと。キャラクター的にもルックス的にも「本当は
永作博美を使いたかったんだけど・・・」みたいな。
そもそもこの人、一体何を生業としているのでしょうか?ミステリアスな部分が何にもなっていないというか、キャラクターがふわふわしてるだけで構築できていません。この人の魅力のもととなるべき能力とか行動とかが一切描かれていないのです。
警察官とか郵便配達員とかが妙なオリジナル制服を着ているって、何? あり得ない上に、そこに生まれるメルヘン効果が作品に寄与しているとは思えません。おまけに演奏しながら行進したりするし。実写映画でやられるとキツイですね。絵本や演劇じゃないんですから。宮沢賢治??
安藤裕子演じる迷惑女やこいつらが大泉洋のことを 「あいつはねー・・・」と批判しますけど、小生に言わせれば大泉がまともで、こいつらが非常識なだけです。 また大泉が安藤に徐々に魅かれて行く過程ってのも、段階を踏んできちんと描かれていないため、何でいつの間に?そういうことになっちゃうの?という引っかかりがぬぐえませんでした。
映画の作者たちは、ワインに関してあまり興味なさそう。一応樽とか発酵の場面とか出て来ますけど、あれだけじゃねえ。ワイン造りの苦労とか繊細さとか夢とかロマンとかが(言葉では語られても)絵として見えて来ません。それじゃあ映画としてダメですよね。
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コメント
佐藤秀さんも書かれてましたけど、エピソードの多さ複雑さっていう意味ではエリカのほうが多いんで、
これは原田知世とか投入したら主役がこっちになって
アンモナイトのなみだになっちゃいますね。(違)
アオやロクとであって、空知のひとたちとふれあって
お母さんとも和解しました、ワイン作りを見守って好きな人ができましたって。(;´∀`)
・・・大泉洋をまんなかにもってくることで人を集めてるわけだし(わわわわわ)ヒロインは地味でよかったんじゃないですかね?(^_^;)
投稿: Ageha | 2015年6月26日 (金) 15時25分
おお、原田知世ならベターかもしんないです。
大泉洋って、まあうまいんだけど、結局どの役やっても同じだと気づいてからは、もう「ごちそうさま」になってしまいました。
投稿: 大江戸時夫 | 2015年6月26日 (金) 22時12分