「ニンフォマニアック Vol.1」:セクソロジー・クロニクル
映画『ニンフォマニアック Vol.1』は、悪名高き(でも大江戸はかなり好きな)ラース・フォン・トリアーによる2部作の前編。いちおう「コメディー」ってことになっているようで、確かに微苦笑したりちょっと吹き出したりする箇所はいろいろありますね。
でもこのタイトル、このテーマでありながら、ちゃんと描写はありながら、少しもエロくないのがあれ不思議であります。ステラン・スカルスガルド演じる初老の男の思考同様に、学問的見地からの視線で描写しているからなのでしょうか。その視線は生物学的だったり社会学的だったり、時として数学的でさえあったりするのです。性の学問(sexlogy)を年代記(chronicle)的に描いた物語だと言えましょう。
全8章のうち第5章までが、このVol.1で語られます。でも上映時間はVol.2の方がやや長いし、「いよいよこれから」感ばかりがあって、まだ評価しようがないって気がします。まあトリアーがいつも以上に人を食っていることは確かなようです。
第3章に登場するユマ・サーマンがかなりの怪演。久々にお目にかかりましたけど、一気にオバサン化していて、登場後しばらくは彼女だと気づきませんでした。かなりクレイジーな芝居で、少々ぞっとしながら笑えます。
それにしても最初と最後にかかったメタル(ラムシュタイン)がトリアー作品に実に合ってて、すっげーカッコイイっす。
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