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2014年12月31日 (水)

ゴディバのホットショコリキサー

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何年も前からずーっと気になっていたのに、飲んだことのなかった新宿小田急百貨店地階の新宿駅コンコースにあるGODIVAショップのホットチョコレート。(紙コップで立ち飲みとしては)ちょっとお高めですけど、意を決して飲んでみました。

名前も『ホットショコリキサー』。550円也。

濃厚な72%ダークチョコレートを使って作られていて、トッピングにクリーム、そしてココアパウダー。クリームは飲む時には溶けて、ミルクココアみたいになるわけです(まあ、これは喫茶店のココアと同じ感じ)。

うーん、やっぱりおいしいです。いかにも上質。

まあ結局はココアなんですけど、そして大江戸は結構ココア(ホットチョコレート)好きなんですけど、世の中のココアにしばしばある虫歯がうずくような甘さとは違います。上質なチョコレートのカカオ感を生かすような甘さ。後に残ったり、飽きてくるような甘さではなく、かと言って「甘さ控えめ」で物足りない感じでもなく、ちょうどいい塩梅です。カカオ風味が引き立ちます。

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やっぱり風格のある一級品でした。夏になったら、これも前から気になっていた『チョコレートデカダンス』を味わねばなりませんですね。

本年も『大江戸時夫の東京温度』をご支援いただき、ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。 そして来たる2015年が、皆様にとって豊かでハッピーな1年とになりますようにお祈り申し上げます。

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2014年12月30日 (火)

1日前だけど・・・さらば新宿ミラノ座

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当ブログでも過去3度にわたって取り上げてきた新宿ミラノ座の閉館。いよいよ明日31日でとうとう最後。最終日はメッチャ混むだろうなあという予測のもとに、1日前の夜の回ならば大丈夫だろうと、行って来ました「さよならフェスティバル」とでも呼ぶべき『新宿ミラノ座より愛をこめて~LAST SHOW~』。19時開映の『タワーリング・インフェルノ』です。

(過去の記事はこちら↓)

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/post-a1a4.html

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/post-e085.html

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2014/12/post-1.html

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ところが券売所には「ほぼ満席」の表示。キャパ千席を超える大劇場が!  それにもめげず500円の券を買い、急いで場内へ。開映15分ほど前でしたが、広い場内は既にびっしり。最前列から最後列まで空席が無く、まさかの立ち見となりました。 まあ、そこは昔取った杵柄で、通路に座っての鑑賞と相成りました。

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開映時間になるとスクリーン下手に支配人が出てきて、ご挨拶と作品解説。ああ、ミラノ座の湾曲した大スクリーンと、シネコンにはないカーテンがステキです。

映画は予告編なし(もちろんカメラ男もなし)でスタートしました。

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2時間45分のハラハラドキドキの末、『タワーリング・インフェルノ』が終わると、まずエンドタイトルに入ったところで満場の拍手。そしてタイトルが全て終わったところで再び大拍手。いやー、そうなるとは思ってましたが、やはり感動しますね。1,000人以上の人が同じ映画を観て、心が一つになった実感がありました。

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ずっと通路に座っての鑑賞だったので、さすがにお尻と腰と背中が痛くなりましたが、来て良かったです。久々に観たこの映画にも、ミラノ座に最後の「ご挨拶」ができたことにも、満足しました。最後にこの劇場をファンの力で満員にして送り出すことができて、それも良かったじゃありませんか。

いずれにしても「最後の大劇場」ことミラノ座さん、58年間お疲れさまでした。そして大変お世話になりました。1419944823451

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2014年12月29日 (月)

「海月姫」:能年ちゃんがどんくさくてステキ♡

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映画『海月姫』は、とにかく能年玲奈を見るためだけの映画というスタンスで鑑賞したため、まあそれほどガッカリしたり嘆いたりせずに済みました。そうでもなけりゃあ噴飯ものです。もう、いろんな角度からつっこめますから。観ている方が気恥ずかしくなってくるほど過剰にマンガチックな芝居やベタ&ベタな描写は『ひみつのアッコちゃん』などにも共通する川村泰祐テイストですね。

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(マンガのキャラクターがそうなのでしょうが)三国志オタクのまやや(太田莉菜)のキャラは辛かったなあ。実写でやられると、相当恥ずかしいです。 枯れ専のジジ様(篠原ともえ)は存在感薄すぎ(関係ないけど今「篠原」と変換しようとしたら、「死の腹」と出て来て笑えました)。そして鉄道オタクばんばさん役の池脇千鶴はエンドクレジットまでわかりませんでしたよ。アフロヘアで隠れてて顔見えないし。あの名女優をこの使い方とは、よくもまあというか、なぜ?何のために?と疑問符が脳内をぐるぐるしてしまいました(池脇さんもよく受けたなあ、この役)。

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能年さんは、メガネ+三つ編み+ソバカス×どんくさい格好が、いい味出してます。「変」なところが良いです。まあ、何をやってもカワイイのですね。メガネ好きの大江戸としては、メガネっ子の能年ちゃんを見てるだけでハッピーでした(『ホットロード』はやはり辛かったですからね)。実際の「洋裁女子」であるところが生きた役柄でもあります。

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菅田将暉は細いので(かなり減量したそうですが)女子の洋服が似合ってましたが、そんなにキレイかと言われると、うーむ・・・。基本的に男顔ですからねえ。 彼よりも、兄役の長谷川博己よりもいいとこもってっちゃったのは、すっかりおっさんぽくなった速水もこみちなのでした。

重要なポイントとなるクラゲドレスの数々は、きゃりーぱみゅぱみゅや装苑などを手掛ける飯嶋久美子さんだけあって、見事にクラゲっぽさを表現しています。これは良かったですね。でもクライマックスで衣装が汚れちゃってからの、「どんだけ時間たってんだよ」展開にはあきれましたけど・・・。ああ、ファンタジー。

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2014年12月28日 (日)

「百円の恋」:安藤サクラのKO勝ち!

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映画『百円の恋』は作品の出来もさることながら、安藤サクラに完全にノックアウトされてしまいます。中盤までのぶくぶくぼてぼてなだらしない体、だらしない動き、だらしない人生の彼女が、後半ボクシングを始めてからの驚くべき変容。人間こうも変わるものかと思うほど・・・うーん、女優って、いや安藤さんってスゴ過ぎます!

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主人公のどん詰まり状況が、周囲のとんでもない(またはプチとんでもない)人々によって説得力を持って伝わる前半。発する言葉もボソボソと自信無げな主人公・一子(いちこ)。風体から何から、とにかくこの世のお荷物みたいな一子をダラダラと演じる安藤は、彼女の持ってる路線の一つをデフォルメしたような感じ。観ている者としては、あまり共感が湧かない主人公の造形です。1stカットの彼女の背中のデブり方は、衝撃的です(肉体改造アプローチ!)。

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で、そこから振り子は逆方向に振れて、精悍で俊敏な野生動物へと変貌します。ボクサーへの肉体改造です。それを見事にやっちゃったことが絵からガンガン伝わります。顔もボディもシュッと締まります。シャドー・ボクシングのスピードとキレ、フットワークの軽やかさ、けもののようなシャープな眼光。実際に安藤サクラが(吹き替えや特殊効果ではなく)ここまでやっている、どう見てもキチンとボクサーとして通用するレベルに達している、その事実に感動します。なぜか涙が出て来てしまいました。

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試合のシークェンスなどはもう涙、涙の大江戸でした。かなり胸に迫ります。通俗的ではあるけれど、決して甘口ではなく、キビシイ展開のほろ苦さ。 ボクシング・シーンの本物の迫力は、かなり頑張ってます。それにしても体を改造して迫力あるボクシング場面を自ら演じても、デ=ニーロや安藤サクラだと高く評価されて、スタローンや山下智久だとそんなに評価されないのはどうしてなんでしょうねえ? でもこの安藤さんを差し置いて主演女優賞を贈れる人なんていないです!というのが、小生の気持ちです。

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上映館テアトル新宿のロビーには、安藤サクラが使用したアディダスのボクシンググローブが展示してありました。

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2014年12月26日 (金)

「マップ・トウ・ザ・スターズ」:みんな病んでる

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映画『マップ・トゥ・ザ・スターズ』は71歳になったデイヴィッド・クローネンバーグが初めてアメリカで撮影した作品(意外と言えば意外ですが)。出てくるハリウッドの住人たちがことごとく病んでます。狂ってます。『アウトレイジ』のコピー「全員悪人」に倣えば、「全員ろくでなし」「全員鬼畜」って感じの作品です。鑑賞後の気分悪さはトップクラスです。

その昔のクローネンバーグ作品が『スキャナーズ』にしろ『ヴィデ350457_001オドローム』にしろ「『ザ・フライ』にしろ、VFXを使ったグロテスクな人体の崩壊や変容によって彼のテーマを打ち出していったのとは反対に、本作では人間の心という「怪物」をえぐり出していきます。脚本に負うところが大きいと思いますが、まあエグイことエグイこと。観ていて胸やけするぐらい辟易します。

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それにしてもジュリアン・ムーア、よくこんなゲスの極みみたいな役やったなあ。カッコ悪さも全てさらけ出して・・・。まあおかげで賞を獲ったりノミネートされたりしておりますが。

ミア・ワシコウスカは出る作品出る作品、「異常世界の住人」という方向性がブレなくなってきましたねえ。何かどんどん変な顔になっていくような気がします。

350457_002数あるハリウッドの暗黒面ドラマの中でも、かなりのビザール度で、観る者を押しつぶします。 そしてミスター・チルドレンの『everybody goes』が頭の中を巡ります---♪Everybody goes. Everybody fights. 秩序の無い現代にドロップキック。 Everybody knows. Everybody wants. でもNo. No. No. みんな病んでる。

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2014年12月25日 (木)

今日の点取占い220

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歌手になって外国へ行ける   7点

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2014年12月24日 (水)

「自由が丘で」:えっ?日本ロケじゃないのね

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映画『自由が丘で』にはだまされました。などというと穏やかではありませんが、大江戸は映画の前情報をできるだけ入れないで観に行くのですね。本作もホン・サンス×加瀬亮ってことで観に行きましたし、タイトルやポスターを見て「ああ、自由が丘でロケしたわけね」程度に思っておりました。ところがどっこい、全編韓国内で展開するお話なのです。じゃあなぜ自由が丘?っていうと、なんとなんんと加瀬が入り浸る喫茶店の名前が「JIYUGAOKA8丁目」なのですね。これにはびっくりし349826_004ました。サギとは申しませんが、「自由が丘が出て来るんなら」ってことで観た(小生のような)人もいるんじゃないのかなー?

映画は相変わらず大したことが起きません。ゆるゆるのぐずぐずです。まあそこらのやり取りの妙や空気感を楽しむのがホン・サンス映画の観方なのでしょうけれど、キム・ギドク派かホン・サンス派かと問われれば迷わずギドク派な大江戸としては、あまりノれませんでした。そうこうしてるうちにすぐ終わっちゃいました。67分と短いもんで。

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ホン・サンス作品なのに焼酎が出て来ないでワインばかりってのが一部で話題になっているようですが、それでもみんな酒を飲んでタバコを吸って・・・、結局大したことにはなりません。登場人物だって、特段魅力的な人は出て来ません。そして韓国人と日本人が「英語を使って」ギクシャクしたコミュニケーションを取る行為が、全編にわたって繰り広げれらます。そこらの面白さがキモだってことはわかりますけど、物足りないっす。

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作品内の各エピソードの時間をバラバラにシャッフルしてつなげていく本作のメインの試みも、特に効果的とも斬新とも思えませんでした。 そして唐突で不自然なズームインも、なんかイヤだなあって感じだったのであります。

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2014年12月23日 (火)

佐野元春クリスマス・ライブ

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六本木のEXシアターで佐野元春&ザ・コヨーテバンドのライブ『2014ロッキン・クリスマス』を見ました。

大江戸は2階席かろ見下ろす席でしたが、ステージが近くて見やすい設計。
約20分押しのスタートで、オープニングナンバーは『グッドタイムス&バッドタイムス』。うーん、ハートに来ます。こいつが演奏されるとは、珍しくてステキです。続いて『スターダスト・キッズ』! いきなり盛り上がりますが、2階席はそれでも立たないんですよねー。年配者が多いとはいえ、びっくりです。3曲目は『ナイトライフ』、わお、ゴキゲンです。
ところがその後のMCで、佐野さんがオドロキの提案(指示)! 「今日はノー・スタンディング、ノー・クラッピング」…って、ひえー!そんなバカな。なんで??と戸惑っていると、次の曲はバリバリのロック・ナンバーでしたから、オーディエンスの一部は微妙に立ってクラップを始めちゃうし、なんか「どこまで本気(マジ)っすか?って感じで・・・。

その後も時々「ノー・スタンディング、ノー・クラッピング」と言ってましたので、客席はとっても微妙な感じでした。まあノリノリのナンバーでは、結局立ってクラップなのですけど。

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50分ぐらいであっさりと第一部終了。2-30分の休憩をはさんで第二部。これも50分程。ザ・コヨーテバンドになってからのアルバム『コヨーテ』『Zooey』からの曲が多く、そこに懐かしのナンバーあれこれを混ぜていく構成。『ヤング・ブラッズ』も『約束の橋』も『クリスマス・タイム・イン・ブルー』も『So Young』も・・・いやー、こっちの体に「気」やパワーが充電される感じです。 ライブでは珍しい(はずの)『ボヘミアン・グレイブヤード』が聴けたのも良かったなあ。

アンコールは25分ほど。その1曲目は大好きなナンバー『ジュジュ』でした! 一番最後には『悲しきRadio』! ああ、'80年代の元春と変わっていません。スプリングスティーンばりに膝で舞台をスライディングするあたりも、昔のままです。ただこのバンドにはサキソフォンがいないので、あの部分はトリプル・ギターによるアレンジとなっておりました。でもちょっと消化不良で、ダディ柴田(昨年の名盤ライブ『SOMEDAY』には出ていた)にあたるプレイヤーの不在が、ちょっと寂しくもありました。

今日の佐野さんのMCはやけに面白かったです。笑えました。雑談をしといて「こんなことを言いにここへ来たんじゃないんだ!」で落とすパターンを何度も繰り返し使って(お笑い用語でいうところの「てんどん」ですね)、客席大爆笑の巻でした。

佐野さん、変わりません! 来年はデビュー35周年ってことで、色々やらかしてくれそうです!

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2014年12月22日 (月)

「アゲイン 28年目の甲子園」:裏テーマはラブストーリー

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映画『アゲイン 28年目の甲子園』を試写会で観ました。ごひいきの波瑠ちゃん目当てです。 脚本・監督は大森寿美男。「ことぶき美男」って、けっこうスゴイ名前ですね。

娯楽映画としてまずまず上出来でした。(原作のせいかも知れませんが)ダイアローグのユーモアががなかなか結構です。ただ撮影では、ところどころに妙な手持ちズームインが入ったりするのが??でしたけど。

348960_004波瑠はけっこう出ずっぱりでして、芝居の見せどころもたっぷり。ショートカットに大きな瞳が印象的です。決してうまくはないけれど、ヘタなわけではないし、相変わらず透明感あふれる清々しい個性です。 その分、門脇麦が本作ではひたすら「嫌な感じ」。 中井貴一、柳場敏郎はさすがに安定感がありますし、いい味出してます。和久井映見はやけにオバサンチックでしたが、実年齢では10歳上の中井貴一に合わせるための老けメイクだったりするのでしょうか?

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「ちゃんと負ける」ことの大切さをテーマにしていて、そこが本作の美点の一つです。「ちゃんと負ける。そのために毎日を一所懸命積み重ねていった」なんて(言いまわしは多少違っているかも)台詞があって・・・、うん、良いですね。ごまかしたり流したりしないで、人生において「ちゃんと負ける」ってことは、次の段階に進むためにとても重要なことだと思います。

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終盤に来て、評価が一ランク上がりました。それというのも、不意を突いて「恋愛」の要素が突如立ち上がって来たから。それまでも少しづつは伏線を敷いてきた中井と波瑠の年の差カップル。突然波瑠が「甲子園で私とキャッチボールをしてください」と頼む場面で、その照れ方の一方で頭をもたれかけさせる「押し」にドッキリ。終盤になって、それまでの作品のトーンとは異質な要素が突然出てきたので、観てる方も驚いちゃいます。中井の心の動揺と迷いを表すような手の動きも、きちんと効いています。

(以降ネタバレあり) しかしその後で、中井の娘(門脇麦)が突然心変りして親子和解のキャッチボールをすると、それを見た波瑠はもう吹っ切れてしまいます。後日中井が彼女の通う大学で待ち伏せをしていると(ストーカーに近いですよね)、彼女はもう冷めた当惑を身にまとっています。その後に二人でキャッチボールをするのですが、ここで笑顔の波瑠は中井(坂町という役名)に言うのです、「坂町さんもちゃんと負けることを覚えて、先に進んでくださいね」。二人の関係を暗喩的に表現した、ちょっと残酷に突き放す見事な台詞です。和解した父娘を目の当たりにしたことで、すっかり冷めてしまったのですね。これをラストに持ってきたことで、作品が新たに甘酸っぱくもほろ苦いラブストーリーとしての裏の顔を見せました。そこが最高にスリリングでした。

それにしても、あれだけ父を呪い憎しみ続けていた娘(門脇)が、突然心変りしたことについての説明やきっかけが何もないってのは、いかがなものか? 納得がいきませんです。

 

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2014年12月21日 (日)

「6才のボクが、大人になるまで。」:大きくなってからが長い

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映画『6才のボクが、大人になるまで。』は観た人全員が絶賛に近いほど評判が良いですが、そこまで凄い作品かなあというのが正直な感想。 確かに12年にわたって撮り続けたこの構想は、誰もやったことのなかった映画作りです(近い発想はあったとしても)。むしろホームビデオをダイジェスト編集したとしたら、こういう成長の軌跡を見ることができるのでしょうか。でも、この映画にはフィクションとしてのストーリーがありますので、ちょっとニュアンスが違っていて、多くの人が言うように『北の国から』に一番近いのかも知れません。

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でもむしろ大江戸が連想したのはジム・キャリーリーの『トゥルーマン・ショー』('98)です。生まれた時から人生を撮影され続けてきた男・・・。『6才のボク・・・』の男の子=エラー・コルトレーンくんも、物心ついて自分の状況に反発した時もあったのではないかなあ。

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子どもたちの成長以上に衝撃的だったのは母親役パトリシア・アークェットの変貌ぶり!『トゥルー・ロマンス』(93)の彼女がこう変わっていったのね・・・というわけで、イーサン・ホークよりも変貌の度合いが激しいですし、かなり肉がついて見苦しくなってから持ち直すあたりのリアリティも、ある意味この映画の白眉です。諸行無常。

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でも2時間45分の映画の中で、小さな子供時代がとんとんと過ぎ去って行き、17-8歳になってからの部分がやけに長い。そこらへんのバランスの悪さが気になりました。まあフィクションにある程度の決着をつけなければならないってことはあるんでしょうけど、はっきり言ってこの終盤はそ「まあまあ」ですよね。それほど大成功とは言い難いように思えるのですが・・・。

まあこれからも彼の人生を撮影していくことは可能なわけなので、リチャード・リンクレーター監督が生きてる限り少しづつ撮り足して続編、続続編・・・と作っていったら、うーん、感動するのかコワイのか微妙な気がいたします。

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2014年12月19日 (金)

今日の点取占い219

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グライダーでとぶけいこをしたい   6点

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2014年12月18日 (木)

「超能力研究部の3人」:山下敦弘のビーンボールにして傑作

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映画『超能力研究部の3人』にはぶっとびました。予備知識としては乃木坂46の3人が主演ということと山下敦弘監督作品ってことだけで観たのですが、相当な衝撃を受けました。

(以降ネタバレあり) 普通の学園アイドル映画だと思っていたら、撮影のメイキング映像がたっぷり入る、というかメイキング映像の間に劇映画部分を少し挟み込んで、物語を進行させていくという手法。原作や物語部分を軽視した扱いという意味において、『Wの悲劇』を連想しました。

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ところがところが、次第に「あれ? ちょっと変??」という違和感や疑問が頭をもたげて来て、もしやと思っていると・・・はい、このメタ映画の作りすらも、なんとフェイク・ドキュメンタリーだったのですね。でも、山下監督がそういうフェイク・ドキュメンタリーを過去にも撮っている事を知らなかった小生としては、結局エンドタイトルでスタッフらの役を役者がやっていることがわかるまでは100%確信を持てませんでした。うーん、見事なだましっぷりです。山下監督自身がバンバン出演しているので、ドキュメンタリーとしての自然さが確保されているのです。

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ただ、100%フェイクかというとそうでもないはずで、きっと「素」のドキュメンタリー部分が混ざっているはずなのです。そこをまさに「虚実ない交ぜ」として作り上げた、類例のない傑作になりました。もう、面白過ぎてあっという間の119分でした。

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観る者の心をシェイクするような名場面もいろいろ。おとなしい部員(秋元)がヤンキー娘とケンカする件りで、山下監督が秋元の芝居に満足せず、ヤンキーたちに悪口を言わせて怒りの感情を盛り上げるシーンの緊張度や「ここまでやるか感」には只ならぬものがありました(その結果、いい芝居が撮れた時のカタルシスも!)。 そしてキスシーンで本当にキスするか「キスのふり」なのかを巡る事務所側と映画スタッフ側の攻防シーンの凄まじさにもやられました。笑えるぐらい凄すぎます。

惜しいのは、「女の子映画」にしては彼女たちの輝きや魅力が期待ほど出まくっていないこと(特に乃木坂のファンではない小生が観た限りにおいては)。 それでも2014年最高の異色作にして問題作。意表を突かれました。山下敦弘のビーンボールにして、驚愕の力技です。

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2014年12月17日 (水)

今日の点取占い218

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何事も熱心にやることです   7点

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2014年12月16日 (火)

「ゴーン・ガール」:不安で不快な2時間半

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『ゴーン・ガール』=日産女子。

あ、気にしないでください。さて本題。 世の中で大絶賛ですよね、本作。 確かに観ているものを振り回して、気持ちをぐしゃぐしゃにして放り出してくれますけど、傑作かと言われたら、うーん、その2-3歩手前なのではないでしょうか? デイヴィッド・フィンチャー作品としても、『ベンジャミン・バトン』や『ソーシャル・ネットワーク』の高みにまでは到底届いておりませんし。

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2時間29分と、もともと長い作品ではありますが、不安かつ不安定な気持ちで引きずられて、先が読めずどっと疲れるので、なんだか4時間ぐらいあったような気分になりました。 まあ、ダレ場はないし、つまらなくはないのですけどね。フィンチャーの「ダークな毒気」が色濃く漂っております。

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(以降少々ネタバレあり) これをデート・ムービーにするのはサイテーの選択だということは言っておかないといけませんね。カップルは結婚したくなくなること請け合いですし、夫婦は互いに疑心暗鬼になってしまうかも・・・。うーん、でも夫婦の場合は「自分の相手がああじゃなくて良かった」と、現状のありがたみを噛みしめるのかも知れませんね。 

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終盤のいやーな怖さ、不快感はまさにフィンチャーであり、気が滅入ります。あのラストの先に待っている更なる悲劇を想像するだけで、デスパレートな気分になりました。

それにしてもロザムンド・パイクはこれまでパッとしなかったし、印象も薄かったのに、本作で一挙に覚醒した感がありますね。ポーカー・フェイスがコワイです。 あと、ベン・アフレックの双子の妹役マーゴット・ダンのキャラクターも、なかなか味わい深いものがありました。 

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2014年12月15日 (月)

「インターステラー」:ミラノ座最後のロードショー

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映画『インターステラー』を観ました。あの新宿ミラノ座の大スクリーンで観ました。ミラノ座で観る新作ロードショーは、これが最後となるでしょう(この後に過去の上映作のアンコール上映が大晦日までありますが)。感無量ですね。

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本作は、堂々たる風格を持った169分のSF巨編。科学性や哲学性を盛り込んだハードSFでありながら、多くの人の情感に訴えかける親子の愛情の物語として、どちらも成功させています。

ただ、宇宙ものとしては、あのコンパクトな傑作『ゼロ・グラビティ』の直後なだけに、損してますね。正直宇宙の描写や宇宙でのアクションにおいては、負けちゃってます。

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ただ宇宙パートをサンドイッチするように序盤と終盤に存在する「親子パート」がむしろ一番やりたかった部分ではないかと思うほどで、ググッと感動させてくれます。「時間(年月)」という概念を上手に泣かせ道具として使っているのです。いや、それは別にあざといとかじゃなくて、あくまでも上質ですし、時間を哲学しつつエンタテインメントに転じさせてこそSFなのだと思います。

マシュー・マコノヒーの娘役が目バッチリのアヒル口で、「ああ、この子が大きくなってアン・ハサウェイになるんだろうね」と思っていたら、いえいえ、娘の横にハサウェイが出て来て驚きました。その後、娘は長じてジェシカ・チャスティンになるのでありました。 驚いたといえば、中盤突然マット・デイモンが出てきたのにも不意を突かれましたね。いやー、宇宙では何が起こるかわかりません。

349221_004でも宇宙のブラックホールやらワームホールやらをスペースシップで抜けて行く描写は、ちょっとどうなんでしょう? 暗い穴を猛スピードで通り抜けて行くと、船体がミシミシ言って、砂利が当たるような音までして・・・って、ほとんど花やしきのスリラーカーみたいなんですけど。 改めて半世紀近く前の『2001年宇宙の旅』が打ち出したビジュアルの偉大さ(CGなんてない時代だったのに!)を思い知りました。

まあ本作は「5次元」の映像化にまで挑戦していたりして、その意気や良しではありますが・・・。

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あのロボットくんの造形はユニークでしたね。オフィスのロッカーみたいとでも言えましょうか。ああいう裏をかくような発想って、なかなかスゴイことです。しかも意外と動けたり、速かったりするんですから。

最後の方に出てきた『インセプション』を思わせる奇想の映像にもやられましたね。これぞクリストファー・ノーランってなビジョンでした。

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2014年12月14日 (日)

リオープンした庭園美術館

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目黒の庭園美術館が約3年の改修を終え、リオープンしたというので見て来ました。

この建物や内装自体を見せ、また修復の過程を映像などで紹介する記念展『アーキテクツ/1933/shirokane アール・デコ建築をみる』は、11/22~12/25の開催です。

ここは建物が一番の売りとも言える美術館なだけに、嬉しい企画です。

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期間中、平日は館内の撮影OKなのだそうですが、土日祝はNG。なので残念ながら外からの写真しかありません。

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いずれにしても、外装を全部削って、左官で塗り直し、非常にきれいになりました。

内部のシャンデリアなども全て解体・洗浄・補修されて、往時のキレイな姿になりました。

ため息が出るほどと言いましょうか、見事です。アールデコ好きの大江戸としては、もうステキでステキでたまりません。

部屋ごとの個性の違いも楽しいところ。和室の要素を取り入れた部屋もあったりして・・・。

そして、本館の奥に隣接する新館は改築されて、ガラスと白を基調としたモダンな建物になりました。

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その中にギャラリー1とギャラリー2、およびカフェとミュージアム・ショップがあるのです(ミュージアム・ショップは入口付近にもありますが)。

ギャラリー1では内藤礼の展覧会『信の感情』を開催中。白いキャンバスに白で描きつつ、遠くから見るとぼんやりと影のような形象が浮かぶという内藤らしい作品。心がニュートラルになります。

またそれのみならず、館内のそこかしこに、5cmぐらいの小さな木の人形が配置されていて、それもまたこの展覧会の構成要素になっているのです。

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ギャラリー2では3年間の改修のあれこれおを16分にまとめた映像を上映してて、じっと見てしまいました。

庭園部分はまだ改修中で、しばらくは入れない状態でしたが、いやいやそれがなくても十分に満足しました。堪能いたしました。

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2014年12月13日 (土)

ミスドとフロレスタのドーナツ

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先日「チェリー&クリームチーズホイップ」が絶品だったミスタードーナツの『ミスタークロワッサンドーナツ』シリーズで、「アップル&カスタードホイップ」を狙ったのですがお店に無くて、しょうがないから買ったのが同シリーズの「チョコ&カスタードホイップ」。でもこれはいけてません。まあ何てことの無い普通の風味。印象に残らない味です。

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で、もう一つ買った「メープル&エンゼルホイップ」。こいつは意外にもおいしかったのです。メープルシロップが香り高く、その主張する香ばしさとニュートラルなエンゼルホイップのバランスが良くて、クロワッサン生地とも調和しておりました。

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そしてこちらは添加物を使用しない自然素材のドーナツでおなじみフロレスタのネイチャードーナツ。ここんちのは小生も「どうぶつシリーズ」を食べて紹介芯ましたが、今回は定番タイプ。 上から時計回りに「ココナッツチョコ」「カフェラテ」「オーガニックシナモン」です。写真にはないけどプレーンにあたる「ネイチャー」も食べました。

自然系、オーガニック系っていうと味はまずそうですけど、そんなことありません。素朴な味ですが、素朴ならではのおいしさがあります。また牛乳ではなく豆乳を使っているためか、菜種油で揚げてるためか、さっぱり系のやさしい味です。材料の良さとほの甘さが感じられる、幸せ感のあるドーナツなのです。

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2014年12月12日 (金)

「メビウス」:極北の寓話

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映画『メビウス』は、韓国映画界の鬼っ子キム・ギドクの作品中でも最もスキャンダラスな問題作。世の中を挑発しまくってます。

その上なんと全編一切の台詞なし。字幕版製作費用がかからないので、配給元(武蔵野エンタテインメント)としては助かったことでしょう。サイレントではないので声は出ますが、うめき声や叫びなどに限られます。ただここまで徹底的にやると、さすがに少々不自然(会話の無いことが)な場面も無くは無いのですが、観終わるとそんなことも忘れてしまうくらい、作家が語りたいことは全て語っていると言う力技なのでありました。

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キム・ギドクと言えば「狂気の寓話(神話)」作家であり、「痛み」(肉体的痛覚)の作家であり、「贖罪」の作家ですが、本作もまさにその3点が最大限に表出しており、この作家の業の深さに胸が悪くなるほど圧倒されます。生理的にもとにかく「痛い」ので、観ていて緊張し、疲れます。

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その一方であまりにも過剰で(バカバカしくて)笑っちゃうような場面も結構あります。まあお話自体がどんどんファンタジーの領域に突っ走って行くから、当然と言えば当然ですし、観る角度によっては「コメディー」とすら言えるものだと思います。

まあ、それにしてもナイフを刺して・・・のくだりには顔をしかめながら、開いた口がふさがらない感じ。もう「ギャグとして笑うしかない」って感じです。極北ですね。

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どうでもいいけど、父親役の役者がASKA容疑者(+林修先生)に、息子役が羽生弓弦くんに、若い女の役が小保方晴子さんにちょっと似ているあたりも韓国の奇想と日本のリアルとのメビウスなのでした(って、小生もギドク=擬毒 に当てられて、何を言ってるのかわかりません)。

でもこの若い女と母親を一人二役で演じ切った女優さん(=イ・ウヌ)、良いですね。オーバー・アクトもセンシュアリティーも含めて、さすがはギドク映画のヒロインなのでした。

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2014年12月11日 (木)

「ストックホルムでワルツを」:欠点女の爆走人生

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.映画『ストックホルムでワルツを』は、ジャズを扱いながらもスウェーデン映画。っていうよりも、スウェーデンの生んだ世界的ジャズシンガー、モニカ・ゼタールンドの伝記的映画(原題は“Monica Z”)なのですが、小生は寡聞にして彼女のことを知りませんでした。ただチラシなどに「ビル・エヴァンス」「ワルツ・フォー・デビー」なんて文字があったことは、本作を観る決め手となりましたけど。

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このモニカさん、最初のうちは割と好印象だったのですが、だんだんと困ったちゃんの性格が頭をもたげて来て、しまいには何とも厄介な人になっていきます。まあ、2005年に67歳で亡くなったそうなので、だから彼女の欠点もガンガン描くこの映画が作れたのでしょうね。

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まあ彼女の性格形成には二人の男性が大きく影響しておりまして、一人は父親。そしてもう一人はバンドのベーシスト。で、このベーシスト君がいい人に見えて実はとんでもない人でして・・・。やらなくてもいいおせっかいやったり、モニカをちょっとその気にさせたり、増長させたり、突き放すべきところで甘い顔を見せちゃったりと、本人に悪気はないんでしょうけど、まったくもって「ナチュラル・ボーン・スポイラー」です。

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(以降ネタバレあり) そんなわけで最後にこのベーシスト野郎がモニカと結婚しちゃったのには、さすがにズッコケながらビックリしました。まさに「割れ鍋に閉じ蓋」 ですね。

まあ篇中のジャズは、それなりに楽しめましたし、エラ・フィッツジェラルド、ビル・エヴァンス、マイルス・デイヴィスらがちらっと出てくる(もちろん役者が扮しているのですが)のも、楽しかったです。

結局、「アーティストは、周囲を傷つけたりなぎ倒したりしながら爆走して行く(木のてっぺんに登っていく)」ってことを再確認いたしました。

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2014年12月10日 (水)

「くるみ割り人形」:意外と地味で・・・

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映画『くるみ割り人形』を3D版で観ました。ハローキティ40周年記念映画だそうですが、キティちゃんは出てきません(でも「いちごの王さま」みたいなやつは出て来ました)。そもそもはサンリオが1979年に初制作した映画なんだそうですが、それを今回全面的に作り変えたのだそうで、新作扱いになっています。

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とはいえ、前作を未見の小生にとっては、どの程度変えたのかが何ともわかりません&気になってたまりません。人形を使ったストップモーション・アニメーションですから、なかなか変えようがないって気もするのですが・・・。まあ素材はたくさんあったようですし、増田セバスチャン監督曰く「ほとんどのシーンの絵コンテを自分で描き直した」ってことなので、いろいろな事をやったのでしょう。でもやはり改変なので、限度はあるでしょうし、あまり「新しい」感じがしませんでした。

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と言うのも、映像がけっこう古めかしい感じで、色調も暗めに抑えてあったし(これは3Dメガネのせいもあるのでしょうが)、肝腎の3Dも「飛び出す系」ではなく、「奥行き系」なので、受ける印象としては地味目です。あの増田セバスチャンなので、きゃりーぱみゅぱみゅのMVで見せてくれるような極彩色ポップのkawaiiワールドを期待したのですが、スクリーンで観た作品はそうなっておりませんでした(スティル写真やPCで見る予告編などは、けっこう明るくキュートな色になっているのですけどね)。そこが一番残念でした。新たに追加したという蝶々のアニメ・シーンの色合いとかも地味に落ち着いてますし・・・。監督やスタッフが原版に敬意を払いすぎちゃったのではないのでしょうか。でも、小生はもっとキラキラ絢爛な映像を見たかったのですよ。

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まあ、はっきり言って「大人向きには作っていない」ので、ちょっと退屈してしまいました。

王子様キャラが高見沢俊彦(たかみー)っぽかったので、ちょっと笑ったりした大江戸でありました。

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2014年12月 9日 (火)

和田堀給水所が建て替えられるのですね

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京王線代田橋駅のまん前にある東京都水道局の和田堀給水所。

 

どうも工事をやっているようです。

 

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堂々と、そしていかめしく、少々刑務所のようでもあり、スタジアムのようでもある、そんな歴史的建造物です。

 

ギリシャやアールデコなどいくつかの様式が混ざり合っている趣きが何とも素敵なのですが、いったい何が起きようとしているのでしょうか?

 

 

 

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水道局の施設なので、厳重に管理されていて、関係者以外は周囲の柵の外から眺めるしかありません。

 

 

 

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表示板を見ると、平成23年頃からいろいろやってて、平成24年着工。

 

完了予定は平成34年3月31日となっています。

 

相当な長期戦なのですね。今からでも7年以上かかるのです。

 

東京オリンピック後の完成ってことですね。

 

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民家のそばには防音フェンスが設けられて、ますます中が見えなくなっておりました。

 

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で、今調べてみたら、なんと解体されてしまうんですと!(↓)

 

http://www.funkygoods.com/hai/wadabori/wadabori.html

 

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こちらの記事も ↓

 

http://ameblo.jp/yama-1980/entry-11639702308.html

 

 

 

うわー、そうなんだ。何ということでしょう。

 

もったいない。誠にもったいない。

 

都心ではないので、ほとんど世間の話題にもならなかったわけですが、うーむ、残念です。

 

1418132620604まあ「耐震性」ってことであれば、反対するわけにはいきませんが、せめて最後の「見学会」ってやつに行っておきたかったです。無念。

 

 

(2020年の続編はこちら↓)

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2020/03/post-09fe51.html

 

 

 

 

 

 

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「フューリー」:最前線の恐怖と虚しさ

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映画『フューリー』といえば、小生にとってはブライアン・デ・パルマ監督作品が思い浮かぶのですが(ジョン・カサヴェテスが良かったなあ)、このデイヴィッド・エアー監督作品はそれを越えましたね。今後は『フューリー』と言えば、これってなるんでしょうね。作品が堂々として、ある種の風格さえ備わっております。まあ、とはいえ『プライベート・ライアン』越えはできていないというのが、(スピルバーグ好きの)大江戸の見解でありますが・・・。

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ある種のビルドゥングスロマンにして、反戦映画でもあります。もっとも、中には好戦映画と捉える人もいたりするんでしょうねえ。大江戸は常々、「戦争自体が残酷にして狂気である以上、全ての戦争映画は反戦映画たり得る」と言っているのですが、まあその昔には「戦争=スポーツ映画」みたいなのもありましたからねえ。

でも本作は戦場の最前線における描写がひたすらリアルに恐ろしく、迫力ある銃撃描写+人体損壊描写もバリバリで、「やっぱりデイヴィッド・エアーって、そ349750_007ういうのが好きな人なんだ」と確信したのでありました。

(以降多少ネタバレあり) 観客のほとんどは若い新米兵士に感情移入するしかなく(その他はみんなケダモノですから)、であるからこそ彼もまた殺人マシーンへと変貌してしまうことに、ある種の戸惑いと不快感を覚えたりするのです。一方ではたくましく変貌していく彼に、ある種の感慨も抱くのではありますが・・・。 そして彼のメンターとしてのウォー・ダディ(ブラッド・ピット)、アメリカ映画の伝統を引き継ぐ頼もしくかっこいいキャラクターです。でも結局は残虐な殺人マシーンだというところが、本作の描く戦争の狂気です。

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しかしながら、銃撃の弾道がグリーンやピンクの光線で描写されていたのにはズッコケました。『スター・ウォーズ』じゃないんだから。

そしてクライマックスで、援護射撃に守られながら戦車を抜け出して補充用の弾薬を取って来るという場面があり、そこで思い出したのは『明日に向って撃て!』なのでした。

ラスト・シーンの真俯瞰+ズームアウトの死屍累々は、まさに戦争の悲惨さと虚しさを表現した印象的な映像でありました。そこにある虚しさは、『戦場にかける橋』や『遠すぎた橋』にも共通するものだという気がいたします。

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2014年12月 7日 (日)

J最終節とプレーオフの悲喜こもごも

先週のエントリー(↓)に続いて、Jリーグ最終節とJ1昇格プレーオフのあれやこれや。

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/post-ab38.html

前節で得失点差で首位に立ったガンバ大阪は最終節の相手が最下位徳島だったので、すんなりと勝っちゃうかと思いきや、やはり最後に波乱が起きるのが毎年のお約束なのですね。70分過ぎまでガンバ-徳島は0-0、一方レッズはグランパスに1-0とリードを奪っての展開。つまりこのままあと20分ほど過ぎれば、レッズの優勝という状況でした。しかし、名古屋の72分、そして89分のゴールによって1-2とレッズの逆転負け。結果的にはガンバがスコアレス・ドローだったので、浦和にとってはまっこと悔しい敗戦だったことでしょう。逆にガンバはまさかの引き分けと言えるでしょうが、これもまた優勝を目前にした最終節の「魔」のなせる技なのでしょうね。そして最大の貢献者はやはり東口でもパトリックでも宇佐美でも今野でもなく、遠藤保仁です。やっぱりこの人、歴代の日本人フットボールプレーヤーで一番凄いんじゃないかとの思いが年ごとに確信に変わって来ました。

「落ちそうで落ちない」受験生の神様だった大宮アルディージャが遂にJ2に落ちてしまいました。来年の大宮氷川神社のお賽銭減少が心配です。セレッソに2-0で勝利しただけに、得失点差では清水を2点上回っただけに、なんとも悔しい勝ち点1の差でした。浦和と大宮、埼玉サッカー界は踏んだり蹴ったりです。 一方のエスパルスはヴァンフォーレとは引き分けでOKだったので、試合を0-0で終わらせてギリギリJ1に残りました。「静岡の名門2チームがJ2」という状態にはなりませんでした。 こうなるとセレッソ、大宮のプレーヤーたちの移籍が活発に動きますね。湘南にも誰か来るのかしらん?

J1昇格プレーオフの決勝、JEF千葉vs.モンテディオ山形は、山形が1-0で千葉を下しました。おととしの大分、去年の徳島に続いてまたも成績下位チームの「下剋上」。うーん、「引き分けの場合、リーグ戦上位のチームの勝ち」というルールが、上位チームの積極性を奪っているのでしょうかねえ。 とはいえ、大分、徳島のように山形もこのチームでJ1を戦うのはしんどそうです。

その山形とあのガンバが、13日の「元日ではなく、国立霞ヶ丘競技場でもない天皇杯決勝」で相まみえるわけです。ガンバの3冠獲得は堅いところだと思いますが、ジャイアント・キリングが起きたりするのでしょうか? 日本サッカー(男子)本年最後のビッグイベント、これまた注目ですね!

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2014年12月 6日 (土)

「ザ・レイド GOKUDO」:5W1Hのしっかりした超絶アクション描写

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映画『ザ・レイド』1作目は見逃がしているのですが、スケールアップした2作目の『ザ・レイド GOKUDO』は、遠藤憲一、松田龍平、北村一輝と日本の俳優も加わって、なんといっても新宿ミラノ2で公開中ってことで、観に行きました。地下のミラノ2(昔でいう新宿東急)だったのですが、ここはもうこれで最後かも知れません(ミラノ座=ミラノ1の方には、まだ行くと思います)。

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とにかくすんごいぶっとびアクションです!! インドネシアの武術シラットを使って、猛スピードで殴る、蹴る、叩く、つぶす、投げる、刺す、切る、折る・・・と、まあ凄まじい格闘が手を替え品を替え146分の全編を通して展開されます。おまけにカーアクションまであるし。 で、ことごとく「痛そう」なのです。身体の損傷が実感として伝わるような描写の迫力。 で、一つ一つの格闘場面がたっぷりあって、人数的にも大乱戦になることも多く、それでもバリエーションを作ってキチンと見せます。観ていて力が入って、かなり疲れる映画です。

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描写も的確なので、どういう位置関係で、誰がどこをどのように攻撃したか、どんなダメージを受けたかという「アクションの5W1H」がちゃんとわかります。近年のハリウッド映画だとカットを割り過ぎたりして、何がどうなっているのかよくわからない描写が多いのですが、これはしっかりしてます。キャメラも優秀です。おそるべし、インドネシア映画!

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それぞれの役者たちが濃い持ち味で、またいいんです。それぞれに強そうで、実際に強くて。敵の最強の相手なんて、ストロングスタイルな上に三日月形刃物の二刀流で、ほんと恐ろしかったですし、主人公との真剣勝負の質の高さはもう唖然とするほどでした。 ハンマー二刀流の女とか、長い刀持ったホームレス風の男とか、ボール&バットの男とか、その他のキャラもユニークで飽きさせません。その分、日本人3人は影が薄くなってしまいましたが(アクションも無かったし)・・・。あ、そういえば、予告編で印象的だった「松田龍平がエスカレーターで降りながら誰かを撃ち殺すシーン」って全く無かったけど、あれどうなったのかなあ? 3作目に持ち越しってことなんでしょうかねえ。

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2014年12月 5日 (金)

「サボタージュ」:なぜシュワが出たのか?

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映画『サボタージュ』は、「御大」と呼ぶのにふさわしいアーノルド・シュワルツェネッガー主演のハード・アクション。御大は堂々と貫禄見せながら、葉巻吸ったりしてます。

で、とにかくシュワの仲間の特殊部隊の連中が下品。汚い言葉ばかりで品の無い会話をしながら、荒っぽくバカっぽくの行動で暴れまわります。なんか見てるだけでバカが移りそうですね。

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残酷な人体損壊描写が話題になってます(まあ噂ほどではなかったですけど)が、確かにシュワ主演のメジャーなアクション作で、ここまでやるのは珍しいことです。ってゆーか、ここまで見せる必然性がありません。これでは、ああいう描写が「監督の趣味」なんだろうなあと思うしかありませんよね。逆に、よくシュワが出たもんだと思うような作品です。別の役者でも全然問題なさそうな役ですし。終盤あたりに「西部劇」的ニュアンスがあったから、そこに惹かれて出たってことなんでしょうかねえ。

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男臭い映画ですが、評価すべきは女優でした。凶暴なミレイユ・イーノス。 そしてシュワと一夜を過ごした後のデレデレぶりが楽しいオリヴィア・ウィリアムズ。彼女は『ダーティ・ハリー3』のタイン・デイリーに顔もキャラも似ています。

鑑賞後の「後味」が非常に悪い作品。監督や脚本家の心の闇をぶちまけられたかのような気がいたします。ディヴィッド・エアー監督の真価は『フューリー』を観てから判断するといたしましょう。

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2014年12月 4日 (木)

やっぱりチェリー>ベリー

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株式会社キャメル珈琲ってとこがアメリカから輸入している袋入りの『グルメチョコレート チェリー』。カルディで買いましたが、これ超うまいっす!! カリフォルニアのドライビングチェリーをミルクチョコレートとチェリーコーティングで包んだってことで、不揃いな形がステキ。そしてそして、味と香りがいかにもアメリカーーンなチェリー風味!なにしろチェリーが入っていて、噛み心地といい魅惑の味わいといい、 うーん、大好きです。

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そしてもう一つは『グルメチョコレート ストロベリー』。まあ、要するにイチゴ版です。こちらは中の乾燥苺みたいなやつも周囲のストロベリーチョコも、特段イケてるってほどではありません。ちょっと残念ではありますね。

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で、やっぱり大江戸はチェリー派ってことで、こちらは大阪の日食さんがドイツから輸入しているカベンディッシュ&ハーベイの『サワーチェリー・ドロップス』。でもこちら、思ったほどチェリーの香りがきつくありません。あっさりと「うめぼしガム」、またはせいぜい「チェリーコーク」の水割りみたいな感じ。そこらが小生には物足りないところでありました。もっとガツンとぶちかましてもらいたいのであります。

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2014年12月 3日 (水)

「日々ロック」:頭のおかしな主人公??

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映画『日々ロック』は、『ヤングジャンプ』連載マンガが原作ってことですが、まさにマンガなノリで、勢いはあるけどちょっと凡庸で耐えがたい感じ。映画が(ロックではなく)狂騒的だし、泥臭いし、マンガから映画への移行にあたっての適正な処理が成されていません。まあ実際にロックやエレクトリック・ポップの楽曲を作って聴かせたことだけでも良しとすべきなのでしょうかねえ。

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とにかく主演の野村周平が(まあ小生は未読の原作マンガに合わせたんでしょうけど)全編うろたえてうめくか叫ぶかで、「頭のおかしな人」にしか見えません。普通に全裸でいる時間も長いし、アジ握りしめている時間も長過ぎるし。何なんでしょう、このキャラクターは?? 少なくとも面白くはないし、共感を呼ぶとも思えないのですが。

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彼のバンド仲間の前野朋哉も相当に変なキャラですが、ガイコツのツナギ服のベーシストっていえば、ザ・フーのジョン・エントウィッスルじゃありませんか。それだけでなんか嬉しいなあ。毬谷友子さんは、映画では久しぶりにお目にかかりました。音楽界の大物をさすがの存在感で演じていました。これを機に映画出演を増やしていただきたい方ですね。

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まあ二階堂ふみの凶暴さ&アイドル歌唱シーンのみが見どころでしょうか。でも彼女が最初に登場したライブハウスのシーンで歌う『雨上がりの夜空に』は、ロックと言うにはあまりに頼りないその歌唱にかなりズッコケてしまいましたけどね。

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2014年12月 2日 (火)

展覧会「ティム・バートンの世界」

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六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリーで展覧会『ティム・バートンの世界』(~1/4)を鑑賞しました。平日の午後6時ぐらいだというのに、かなりの客数。ここは毎日22時(土日は23時)までやっているので、夕方以降のお客さんも多いのでしょうねけっこうじっくり見る人が列を作っていたので、大江戸は多くの場所で人の後ろから見ておりました。

監督デビュー作『ヴィンセント』から近作までのアートワークやそのもととなるスケッチ等を展示。随所に映像もありましたが、時間や空間と人数の関係で、なかなか全てを見るわけにもいかないのが悩ましいところ。

バートン独自の震えたような細い線で描く陰鬱キュートな世界(俗に言う「キモカワ」ですね)。平面作品と立体作品と映像作品を通して、彼の変わらない特質が明らかになります。ほんとにずっと変わらない人ですねー。同じ歌を歌い続けています。

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ウンパルンパのフィギュアが3体並んでました。

ところどころに彼の手紙やメモが展示されていますが、欧米人って意外と一文字づつ字を書く人が多いのに、ティムはマニュスクリプト(筆記)体の見本みたいな感じです。

権利の関係かキュレーションの方針か、映画の映像はほとんど無かったのがちょっと物足りないところ。あくまでもティムの個人技の世界となっております。

終盤にあった大型ポラロイドによるティムの「息抜きのための」写真は、アーティスティックなグランギニョール趣味で、でもまさにこれぞティム・バートンで、素晴らしかったです。

会場出口の所にはこの展覧会特別仕様のクリスマスツリーがあって、幻想的な光のショーが見られました。

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で、会場を出ればけやき坂はいつものクリスマス・イルミネーション・・・からの東京タワー。キレイですね。

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2014年12月 1日 (月)

「0.5ミリ」:女版「寅さん」か?

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映画『0.5ミリ』は安藤一家のファミリー・ピクチャーでありながら3時間16分の大長編。しかも先日「報知映画賞」の作品賞まで獲得しちゃってて、驚きました。

原作・脚本・監督=安藤桃子、主演=安藤サクラ、出演=柄本明、角替和枝、エグゼクティブ・プロデューサー=奥田瑛二、フードスタイリスト=安藤和津ってな具合ですもん。家族総動員。なぜか柄本時夫、佑兄弟は出ていませんでしたが・・・。

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「押しかけ老人ヘルパー」を演じる安藤サクラが、やはり圧巻で、当代の若手個性派ピカイチの不思議な味と魅力を噴出させます。ある意味人間離れした変な個性です。そして発見してしまいました! 安藤サクラはけっこう壇蜜に似ていると(まあ0.5センチぐらいのズレはあるんですけどね)。

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じいさんたちがこれまたみんないいんです。リアルに「こんな人いそう」な感覚で。中でも小生としては、カラオケボックスで一夜を過ごした井上竜夫さんのホントの素人みたいな味と、一抹のペーソスに感銘を受けました。この人、松竹新喜劇の人なんですねー。知りませんでした。

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3時間16分、ぜんぜん飽きません。楽しいエピソードも辛いエピソードも含め、人間の面白さで映画をきっちりもたせます。 やはりハードボイルド人情ヒロイン=さわちゃん(安藤サクラ)の魅力に負うところが大きいと思います。 何かこれからも年に1本づつ、単館系の『男はつらいよ』みたいな形でシリーズ化されないかなあなどと夢想しました。今回は高知篇でしたけど、寅さんみたいに全国をさすらう風来坊ヒロインって設定で(サクラだけどね)。

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