「自由が丘で」:えっ?日本ロケじゃないのね
映画『自由が丘で』にはだまされました。などというと穏やかではありませんが、大江戸は映画の前情報をできるだけ入れないで観に行くのですね。本作もホン・サンス×加瀬亮ってことで観に行きましたし、タイトルやポスターを見て「ああ、自由が丘でロケしたわけね」程度に思っておりました。ところがどっこい、全編韓国内で展開するお話なのです。じゃあなぜ自由が丘?っていうと、なんとなんんと加瀬が入り浸る喫茶店の名前が「JIYUGAOKA8丁目」なのですね。これにはびっくりしました。サギとは申しませんが、「自由が丘が出て来るんなら」ってことで観た(小生のような)人もいるんじゃないのかなー?
映画は相変わらず大したことが起きません。ゆるゆるのぐずぐずです。まあそこらのやり取りの妙や空気感を楽しむのがホン・サンス映画の観方なのでしょうけれど、キム・ギドク派かホン・サンス派かと問われれば迷わずギドク派な大江戸としては、あまりノれませんでした。そうこうしてるうちにすぐ終わっちゃいました。67分と短いもんで。
ホン・サンス作品なのに焼酎が出て来ないでワインばかりってのが一部で話題になっているようですが、それでもみんな酒を飲んでタバコを吸って・・・、結局大したことにはなりません。登場人物だって、特段魅力的な人は出て来ません。そして韓国人と日本人が「英語を使って」ギクシャクしたコミュニケーションを取る行為が、全編にわたって繰り広げれらます。そこらの面白さがキモだってことはわかりますけど、物足りないっす。
作品内の各エピソードの時間をバラバラにシャッフルしてつなげていく本作のメインの試みも、特に効果的とも斬新とも思えませんでした。 そして唐突で不自然なズームインも、なんかイヤだなあって感じだったのであります。
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