「マップ・トウ・ザ・スターズ」:みんな病んでる
映画『マップ・トゥ・ザ・スターズ』は71歳になったデイヴィッド・クローネンバーグが初めてアメリカで撮影した作品(意外と言えば意外ですが)。出てくるハリウッドの住人たちがことごとく病んでます。狂ってます。『アウトレイジ』のコピー「全員悪人」に倣えば、「全員ろくでなし」「全員鬼畜」って感じの作品です。鑑賞後の気分悪さはトップクラスです。
その昔のクローネンバーグ作品が『スキャナーズ』にしろ『ヴィデオドローム』にしろ「『ザ・フライ』にしろ、VFXを使ったグロテスクな人体の崩壊や変容によって彼のテーマを打ち出していったのとは反対に、本作では人間の心という「怪物」をえぐり出していきます。脚本に負うところが大きいと思いますが、まあエグイことエグイこと。観ていて胸やけするぐらい辟易します。
それにしてもジュリアン・ムーア、よくこんなゲスの極みみたいな役やったなあ。カッコ悪さも全てさらけ出して・・・。まあおかげで賞を獲ったりノミネートされたりしておりますが。
ミア・ワシコウスカは出る作品出る作品、「異常世界の住人」という方向性がブレなくなってきましたねえ。何かどんどん変な顔になっていくような気がします。
数あるハリウッドの暗黒面ドラマの中でも、かなりのビザール度で、観る者を押しつぶします。 そしてミスター・チルドレンの『everybody goes』が頭の中を巡ります---♪Everybody goes. Everybody fights. 秩序の無い現代にドロップキック。 Everybody knows. Everybody wants. でもNo. No. No. みんな病んでる。
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