「あ1センチの恋」:作品もリリー・コリンズもキュート
映画『あと1センチの恋』、なるほどなかなか感じをつかんだタイトルですね。この作品は12年間にわたってタイミング違いを繰り返した恋の回り道みたいなお話なので、その隔靴掻痒感を表現した邦題として、成功していると思います。原題の“Love, Rosie”ってのも、キュートで捨て難いですけどね。
恋愛とか結婚とかって結局はタイミングに支配される部分がいかに大きいかという真実を、ウェルメイドに語っていきます。まあハッピーエンドとわかっているからいいようなものの、かなりじれったいですよね。「なんだよー、アレックス、だめじゃん」って感じです。
そこいくとロージー役のリリー・コリンズは素晴らしいですね。なんてキュートなんでしょう。現在25歳の彼女が高校時代から30歳位までの12年間を一人で演じますが、どの年代の彼女も見事に目を引く魅力にあふれています。『白雪姫と鏡の女王』の時には、「なんだろう、このギャグみたいな太眉毛は??」と思ったものですが、本作では眉毛も微妙に細くなり(それでも太いけど)、彼女あってこその本作ってぐらいに堂々たる主演ぶりです。この人、フィル・コリンズの娘さんなんですってね。びっくりだ。
バート・バカラックやギルバート・オサリヴァンをはじめ、全編を彩るポップ・チューンの数々もゴキゲンです。そしてメールやSNSの文字を画面に映し出す当世風の映画文法も、無理なく成功しています。
『ノッティングヒルの恋人』に代表されるイギリスのこの手の恋愛映画って、ちょっと胸キュン、そしてチャーミング&爽やかってところが良いですね。ラストもキュートで何よりです。
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