「みんなの学校」:理想の教育、理想の社会

映画『みんなの学校』は、大阪市立大空小学校のドキュメンタリー。文化庁芸術祭賞のテレビドキュメンタリー部門大賞をはじめ数多くの賞に輝いています。確かに最初から最後まで、ぐいっと引き込まれる作品です。
「なんて素晴らしい学校なんだ!」と感動する一方、「いやー、大変だ
なあ」ってのが正直な感想。この学校では発達障害のある子やいろんな問題を抱えた子も、みんなと一緒に授業を受けます。教員にとっては、物凄いエネルギーや忍耐や情熱が必要です。でもそこにこそ教育の本質があるのです。一人の人間が今のレベルから次のレベルに上がっていくことを手助けする仕事。校長以下この学校の先生たちは、一丸となってそのミッションに取り組んでいます。そこには良い子も悪い子もなく、できる子もできない子もありません。一人一人が自分の頭で考えて理解できたか?、それぞれのレベルの中で自分を進歩させられたか? ということに尽きるのです。

それにしても木村泰子校長の信念、真摯さ、厳しさが素晴らしいのです。映画を観たものは誰もが、彼女を尊敬してしまうでしょう。そしてその信念や情熱に感化されたのでしょう、出て来る先生方もやはり素晴らしいのです。こういう先生が、こういう学校が増えれば、必ず地域や社会や国家が良くなるに違いありません。そうなってほしいものです。
そういう先生の元で教えられている子供たちの表情も素晴らしいです。問題のある子も、本当にステキな表情を見せる時があります。それを撮ることがドキュメンタリーのキモであり、それに成功しています。問題のある子を排除するのではなく、助け合い、いたわり合い、共生していく。それは学校の話のみに留まらず、理想的な社会の在りようを示しています。多くの人に観てもらいたい作品です。
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