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2015年5月13日 (水)

最近のオシム本2冊

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イヴィツァ・オシム氏を敬愛する大江戸は、かねてよりオシム本が出るたびに買っておりますが、近著を2冊紹介。どちらも昨年のW杯ブラジル大会にボスニア・ヘルツェゴビナがオシムの尽力により初出場したのを契機に出版されています。

まずは『オシム 終わりなき闘い』木村元彦(NHK出版)。これまでにも数多くのストイコヴィッチ本、オシム本を上梓してきた木村氏による最新レポート。ここ数年、つまり病に倒れて日本を離れ祖国に戻ってからのオシムの奮闘記。本人や夫人をはじめ多くの関係者へのインタビュー満載。特に木村氏の得意分野である旧ユーゴスラビア情勢に肉薄する部分は、歴史的背景から今に至るあれこれを紙幅を取って整理し、とにかくややこしいこの地域のゴタゴタの実相がようやく理解できました。これまでのピクシー本やオシム本にも記述はありましたが、本作の解説が一番丁寧でよくわかりました。権力者へのインタビューを実現させたあたりも驚くべきジャーナリスト魂です(それに絡めて、日本のヘイトスピーチを憂えるあたりも)。

正常化委員会のトップとして、敵対する3つの民族のトップたちとのネゴを成功させ、ボスニアをW杯へ導いたオシムの功績は、本当に尊敬すべきものです。ノーベル平和賞をあげたいくらいです。

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もう1冊は『オシム ゲームという名の人生』マルコ・トマシュ著 千田善訳(筑摩書房)。ボスニア・ヘルツェゴビナの詩人でありスポーツライターである著者が、オシムのこれまでの人生を追った伝記。まあ誕生前(親世代)からの彼の人生を均等に描いているので、どれもやや駆け足で「食い足りない」印象。その割にところどころ著者の自我が顔を出して、なんだか興ざめ。まあオーソドックスな記録としての価値はあります。

訳者は日本代表監督時代にオシムの通訳を務めていた千田氏。現在の肩書(昔からかも知れませんが)は、国際ジャーナリスト・通訳。2012年から立教大学の講師もしているようです。

現在74歳のオシム、体調の問題からもう日本にも来れないと思いますが、まだまだあの頭脳と人格で、バルカン半島の平和とサッカー界の未来のために活躍していただきたいものです。

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