「天才バカヴォン ~蘇るフランダースの犬~」:赤塚×フロッグマン、まあこれでいいのだ
映画『天才バカヴォン ~蘇るフランダースの犬~』は、小生のようなバカボン・ファンにしてフロッグマン・ファンにとってはたまらない企画。赤塚不二夫へのリスペクトたっぷりに、フロッグマンが「鷹の爪」的世界でバカボンのキャラクターたち(&ネロとパトラッシュ)を遊ばせます。
バカボン・ワールドの登場人物たちはこれまでのアニメ版みたいなもんですけど、そこにフロッグマン的なゆるくて雑な感じの人物が同居して、でも違和感なく見られます。
なかなか笑えます。ナンセンスで言葉遊びの多いボケ多用のギャグはフロッグマン的なのですが、でもこれってもともと赤塚不二夫的・バカボン的なのですよね。そんなことに気づいてしまいます。 「○○したまえ、三越前」とか、映画オリジナルだと思うのですが、実にバカボンのパパ的でありました。
「西から昇ったお日様」へのこだわりで成り立っているあたり、アニメ版(昭和、平成)への愛も感じさせます。
しかもそこに『フランダースの犬』まで合体させるとは! 美術や音楽の世界における「リミックス」や「サンプリング」の感覚ですね。
次々と快調にギャグをかっとばす前半に比べると、さすがに中盤以降少々ダレてきますし、結末もなんだかパンチ不足で物足りませんが、それでも84分で終わっちゃいますから大丈夫。 これでいいのだ!です。 なぜ「バカボン」ではなくて「バカヴォン」なのかの謎も一応は解かれますしね。
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