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2015年6月30日 (火)

「ピクニック」:仏画とは相性が悪くて・・・

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シアター・イメージフォーラムで公開中の映画『ピクニック』は、1936年のジャン・ルノワール監督による名作のデジタル・リマスター版。リバイバルされたこと自体びっくりですが、40分のコンパクトさにもびっくりです。

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実は大江戸も初見で、気合を入れて観ていたのですが、どうにも別段素晴らしいと思えないというか、ノレませんでした。そういえばその昔、自分はフランス映画を好きじゃなかったってことを思い出してしまいました。

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この簡潔な、簡素な表現の中に人生の喜びと悲しみを見出せと言われましても、それはかなり無理しないと・・・って感じですよね。一通りはわかりますよ。でも、それが深い感銘や人生の深奥に通じるかというと、うーん、どうなんでしょう?

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(以降多少ネタバレあり) 「序・破・急」の構成になっていて、特にラストの5分足らずですべてをひっくり返して暗転させてしまう「破」の部分には「えー?? それでいいの?!」と驚かされました。まあ、ここは確かに「さすが」なのですが、気分はかなり苦いですよね。だから純正フランス映画って、好きじゃないんです。相性の問題なのであしからず。

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2015年6月29日 (月)

日本女子、いよいよ準決勝へ!

日曜の朝は5時前に起きて、W杯サッカー日本女子のオーストラリア戦をTV生観戦したのですが、その後ひと眠りしたらすっかり過去のことみたいになってしまって忘れてしまいました。おまけに、翌朝アップしようと用意してたら、ココログのメンテナンスとやらですっかりベタ遅れになってしまいました。今さらですが・・・

試合は1-0の美しい勝利でしたね。マスコミでは岩渕がゴールを決めたことばかりがやたらと取り上げられていましたが、あれはCKからのスクランブルの中で反応して押し込んだ、いわば「みんなで取ったゴール」。それは岩渕本人も良くわかっていたようですが、でも彼女が膝のけがや安藤離脱という重りを解き放つことができたゴールだった、その意味は大きいと思います。

日本ペースで試合を運べた要因は、両翼で主導権を握れたこと。オーストラリアのストロング・ポイントを研究して、鮫島、有吉の両SBが「攻撃は最大の防御なり」とばかりに攻め上がって、デバナとカーに良い仕事をさせませんでした。内側に来たところは、宇津木、阪口のダブルボランチがガツンとつぶすという展開。 前線からのプレスや、大儀見がちょくちょく下りてきてボールキープをするあたりも奏功し、危なげないゲーム運びでした。 やはり勝つためには、まず守備の安定から。それが大前提ですね。男子にも教えてあげたいところです。

プレイヤー・オブ・ザ・マッチには宇津木が選ばれましたが、彼女はいつも通りに素晴らしかっただけ。他の選手もいつも通りに良い出来だったと思います。このように、誰か一人が目立つのではなく、全員が勝利に貢献しているのが、このチームのストロング・ポイント。これまでの7得点をすべて別々の選手が挙げているってことが、それを示しています。

さていよいよ準決勝! 今回はアジア杯やアルガルベ杯のように、中2日の過酷なスケジュールがないので(前回大会より1試合多いとはいえ)、そしてこれまでのところ延長戦を戦っていないので、毎試合精一杯の頑張りで勝つ日本にとっては、悪くない状況です。それに、思った通り1試合ごとにチームが成長していますしね。期待できそうです。

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2015年6月28日 (日)

「天の茶助」:なんで祭りだらけ?

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映画『天の茶助』は、SABU監督によるファンタジー。でもファンタジーの割には、バイオレントな描写があったり、人がどんどん死んだりして・・・、そういうのって結構海外の観客は戸惑ったんじゃないでしょうか(本作はベルリン映画祭出品作)。 SABUって人は、もともと生理や感性+現場経験で映画を撮っている人なので、理性、知性の部分は弱いと思っています。それが目立たない作品もあるのですが、今回は弱点になりました。

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SABUのトレードマークであるところの「疾走」は、本作でも夜のシャッターが降りた商店街の細い道を激しく走る場面で発揮されています。これは沖縄ロケが生きました。

でもその他の場面では常に商店街を沖縄の祭りが占拠していて・・・、沖縄ってこんなに年がら年中お祭りなんでしょうか? しかも、それが何かの効果を生み出すかというと、海外対策用のエキゾチシズムぐらいしか生まないので、後半になるともうしつこくて邪魔で、勘弁してくれって感じでした。

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故郷の青森弁イメージが強い松山ケンイチが土佐弁を話すところは、違和感にちょっと笑えました。 彼が超能力で病気を治し続けることで消耗してゲソッとする場面では、目の下黒くなって、ありゃ「L」ではあーりませんか。

マンガ実写版つながりで言えば、伊勢谷友介が元ボクサーって・・・、力石だったわけですね。道理でケンカ場面でのパンチがシャープです。

一方名前も地味なら顔も地味な大野いとは、やはり最後まで地味でした。主役級でここまで素人っぽい女優さんも珍しいですね(彼女も実写版『愛と誠』に出ていたというつながりも)。

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(以降ネタバレあり) クライマックスで大野いとの声が出るようになっても、ただ唐突かつありがちで、感動には結びつかないんですよねー。その後の甘々な展開も、相当に腰砕けな印象でしたし。 うーん、SABU×マツケンの前作『うさぎドロップ』は意外や成功作で大江戸も大好きなのですが、今回はいろんなさじ加減がうまくいかなかったみたいです。

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2015年6月27日 (土)

「コングレス未来学会議」:アニメがもっと革命的だったらなあ

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映画『コングレス未来学会議』は、かなり異色のSFでした。原作はあの『ソラリスの陽のもとに』(『惑星ソラリス』の原作)のスタニスワフ・レム(昔は「スタニスラフ」といったもんですが、今はこう書くんですね)だから、かなりヘヴィーに哲学的な内容かと思いましたが、けっこうライトに哲学的でした、まあ、主演がロビン・「ライト」でありますし・・・。

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でも物語の展開や細部はかなりアップデートされていて、全身や表情をスキャンされてCGキャラクターとしてこれからを生きる契約をして・・・っていうお話。いったい原作だとどうなっているのでしょうね? いずれにしても、途中からアニメの世界での物語になっていきます。大胆なことこの上ない表現ですが、観る者の幅を狭める選択とも言えるでしょう。実験的なアートフィルムとしか思えない見てくれになっていますもん。

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本作のアニメーションは今っぽい表現ではなくて(少なくとも3DCGだったりしないし)、どこか古めかしさを感じさせます。いずれにしても全編のおよそ半分ほどがアニメーション・パートになっていて、ちょっと長いんじゃないかなーって気がしないでもありません。これを成功させるためには、絵が革命的なほど魅力的だったり独創的だったりしないとね(例えば『イエロー・サブマリン』みたいに)。なんだか’6-70年代のアメリカのTVアニメ番組みたいなんだもん。

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久々にハーヴェイ・カイテルを見たような気が・・・(実際はウェス・アンダーソン作品などに出ていたようですが)。さすがに、おじいちゃんになりましたね。

作中の映画会社の名前は「ミラマウント(Miramaount)」。もちろんMiramaxとParamountの掛け合わせです。 それは「毎朝新聞」みたいなもので自然なのですけど、邦題の『コングレス未来学会議』って、どうなのよと思っちゃいます(原題は“The Congress”)。“congress”って会議のことでしょ。へんなダブりですね。

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2015年6月26日 (金)

「ジェームス・ブラウン 最高の魂(ソウル)を持つ男」:破滅しないゲス野郎

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映画『ジェームス・ブラウン 最高の魂(ソウル)を持つ男』は、まあソウル・ミュージックの「soul」は持っているけれど、人間的な「魂」はほとんど持ち合わせていないようなゲス野郎としてのJBを描いていきます。聞きしに勝る俺様ぶりで、こんな人が周りにいたら迷惑千万でしょう。

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まあ、そこは天才で革命児で大スターでキ××イだから、全て許された破天荒な人生でありました。恨みは死ぬほど買ったでしょうけどね。

子供の頃から晩年まで、時間を交錯させながら、よく出来た伝記映画に仕上げてあります。

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主役のチャドウィック・ボーズマンがかなり頑張っていて、あのしゃべり方だとか、あのダンスをキレッキレに踊りまくって、見事です。年齢の重ね方も上手に表現しました(ヘアメイクの力もあり)。

ダン・エイクロイド久しぶりだなあ。静かに、なかなか渋い味わいを出しておりました。

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ハリウッドで昔から作られ続けてきた破滅的エンターテイナー(あるいは人格破綻者の天才)のバックステージもの。本作もその系譜ではありますが、でもJBは破滅しないんですよねえ。逮捕されても、最後までスターだったんですよねえ。 でも小生が好感を抱くのは、当然「いい人」ボビー・バードの方でありますけど。

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2015年6月24日 (水)

日本2-1オランダで、ベスト8に

FIFA女子ワールドカップもいよいよ決勝トーナメント。今日は代休だったので、午前11時キックオフの日本vs.オランダ戦を生でTV観戦しました。

マスコミが先発を予想していた山根ではなく、海堀が先発GKだったので一安心。実際、あわやオウンゴールを掻き出してくれましたし、危なげのない守り。しかし、あの後半アディショナルタイムには「え?」というか「は?」というか、驚きましたけど。

日本の1点目も2点目も流れの中からの連動性のあるゴールで、まさにこのチームの理想形。特に2点目の見事な連携(岩渕のスルーも含めて)は、今大会の(日本の)ベスト・ゴールです。 ここに来て連係が整ってきたのが、嬉しいところ。 前線からの守備も実に有効でした。 一方では「駆けっこ」になった時の足の遅さを再確認しました。長いパス1本で駆けっこに負けて失点というのが、このチームの点の取られ方の定番ですからねえ。

交代出場の岩渕が効いてました。大きなオランダ選手の間を牛若丸的にドリブルで侵入していくところ、今後の試合でも生きる形でしょう。 大儀見は結構な運動量で奮戦していましたし、得点にもきちんと絡みましたが、概してトラップの精度が今一つで、くさびとしては物足りなかったです。 今日の宇津木はさほど目立たちませんでしたが、やはり一つ一つのプレイの細かい点が「気が利いて」ました。彼女は疾走する姿がダイナミックでカッコイイですよね。 そして有吉! どうしちゃったのかと思うほどの絶好調。好調を最後まで維持してもらいたいです。

オランダは結構スペースを与えてくれましたし、前線からのチェイスはほとんどしないので、日本にしてみれば戦いやすいタイプの相手。 次の準々決勝の相手はオーストラリア。勝てます。勝ちましょう。日曜の朝5時キックオフ。早起きせねばです。

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2015年6月23日 (火)

今日の点取占い232

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カッパにお尻をなめられる   5点

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2015年6月22日 (月)

「海街diary」:大したこと起きないのが素敵!

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映画『海街diary』は、もう大好きです! こういう大したことが何も起きないのに面白い映画って、最高に好きなんです。しかも四姉妹物語なんですから、大好きの二乗です。それにしてもこういう映画が結構大規模に公開されていて、結構ヒットしているってスゴイことですよね。『そして父になる』以来、是枝監督当たっちゃってます(フジテレビの力も借りて)。

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わかりやすく小津安二郎へのオマージュになっています。日本家屋、ちゃぶ台を囲む面々、しっかり者の長女に奔放な次女、正面バストショットの切り返し・・・。葬式に始まり葬式に終わるってあたりも、そうですね。

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綾瀬はるかの「しっかり者の長女」が、意外や意外、違和感なくはまっていたのにびっくり。ほとんど原節子ですもんね、あの綾瀬はるかが!

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広瀬すずちゃんは作品の中でしっかり成長しているのが映像でもわかります。そういうドキュメンタリー的なところは、是枝監督ならでは。そして、この子のサッカーのうまさにもびっくり。いいタッチで、スピードに乗りながらドリブルできてました。シュートも悪くなかったです。関係ないけど、すずちゃんのボーイフレンド役の男の子は、もし「香川真司物語」が作られるなら、少年期の香川キマリでした。

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でもやはり大江戸が好きなのは夏帆ちゃん。このところ妙に「大人路線」に寄せてましたけど、やっぱり夏帆ちゃんは、こういう「ぽわん」とした役がいいなあ(カンヌではまた大人の顔を見せておりましたが)。着てるものも独特で、性格も平和かつヘンテコで、いいですねえ。ウェリントンのメガネも、あまりイケてないところが素敵でした。喪服に黒ソックス合わせるあたりとか、釣竿の扱い方を練習するところとか、いやー味があります。

そして、樹木希林と大竹しのぶという日本女優の最高峰二人をさらっと使って、得も言われぬ滋味を出しているあたりもさすがです。風吹ジュンさんも、いつもながら可愛げがあって良いですよね。 とにかく、これだけ出てくる女優全てが素晴らしい映画って、ちょっとありません。

絵になる鎌倉の風景も良かったですねえ。

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2015年6月21日 (日)

「マッドマックス 怒りのデス・ロード」:壮大な「チキチキマシン猛レース」

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映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は奇天烈な改造車が列をなして爆走しながらバトルを繰り広げるってことで、観ていて終始『チキチキマシン猛レース』を連想してました。それにしても壮大な「チキチキマシン」です。

狂ったビジュアルに、狂ったパワーに、狂ったスピード・・・とても「70歳のジイさん」(ジョージ・ミラー監督)が作った作品とは思えないイキの良さです。“Rock'n roll never dies.”ですね。 ロックといえば、でかいクルマの後ろ側にはタイコ隊、その裏側(前方)には赤い服のギタリストがダブルネックのエレキをかき鳴らして、時々ギターが炎を吹くというサイコーなビジュアルがありました。戦闘のお囃子って感じでしょ。バカバカしい大仰さ。いやー、壮大でマッドでたまりません。大江戸的に本作の最大のポイントは、このビジュアルです。 ウォー・ボーイズって連中も、白塗りで山海塾みたいでしたね。

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爆走バトル・シークェンスが序盤、中盤、クライマックスと3つほどあり、どれも荒野を疾走しながら重金属的な圧巻パワーで、徹底的にやってくれます。スゲーです。

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シャーリーズ・セロンは坊主刈りで汚れ顔でもキレイですね。彼女が活躍する分、トム・ハーディのマックスは影が薄く、現代の男性を反映しているかのようでした。ラストで二人が見交わす目と目なんて、ちょっと『ストリート・オブ・ファイヤー』的でした。あ、あちらの主人公はトム・ハーディではなくて、トム・コーディ(役名)でしたっけ。

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2015年6月20日 (土)

「極道大戦争」:バッカじゃないの

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映画『極道大戦争』は、広告でも「三池崇史の原点回帰」と謳っておりますが、確かにここまでハチャメチャなものは久しぶり・・・と言うより、三池史上でもここまでメチャクチャなものは無かったのではないでしょうか?いや、映画の歴史においても、ここまでメチャメチャなものは数少ないでしょう。 『風に立つライオン』なんて柄にもないもん作っちゃうから、こういう反動が出たのに違いありません。そうに決まってます。

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とにかく意地になってハチャメチャな悪ふざけをしているとしか思えません。でもこれこそが三池だよなあとも再確認できます。『DEAD OR ALIVE』だとか『殺し屋1』だとか『ビジターQ』だとか『極道恐怖大劇場 牛頭 GOZU』だとか『カタクリ家の幸福』だとか『愛と誠』だとかの場面が頭に浮かびます。三池さんはやはり根幹が「Vシネの人」「バッド・テイストな異端者」としてのスピリットを持ち続けているのですねえ。

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だってヤクザ・ヴァンパイアに、オタク衣装の東南アジア系刺客に、編み物をするヤクザに、脳ミソ溶け出してる女に、ヤクザヘアーに変身する子供に、凶暴で最強のKAERUくんに、あれやこれやで、もうほとんど悪ふざけ過ぎて笑えませんよ(まあ、ちょっと笑えますが)。KAERUくんなんか、空は飛ぶし、怪獣映画にまでなっちゃうんだもんなー。

冒頭の出入りシーンで、リリー・フランキーとピエール瀧が登場!ってのは、『凶悪』コンビで結構でした。リリーさん、意外なほど早い段階で物語から退場しちゃいました。

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で、面白かったかと問われれば、面白くなかったですねー。プロットや展開は破綻しまくりですし、コメディーとしてはかなりすべってますし、『GOZU』ほどシュールな珍味ではありませんし、任侠や極道はどうでもよくなって最終的には(なぜか)徹底した殴り合いですし。 バッカじゃないのと思うのですけれど、まあバッカな映画を作りたくて作ったんでしょうから、三池さん的には道を極めているのでありましょう。うーむ。

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2015年6月19日 (金)

「トゥモローランド」:ラフィー・キャシディーちゃんがかわいい

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映画『トゥモローランド』は、冒頭の Walt Disney Pictures のタイトルからして特別仕様。いつものシンデレラ城ではなくて、未来的なトゥモローランドのバージョンになっております。

1964年のニューヨーク万博が序盤に出て来るのですが、そこにあの「イッツ・ア・スモール・ワールド」が現在同様の形で出品されていたとは驚きでした。そこからつながっていた世界があるなんて、子供らしくも楽しい発想ではありませんか。

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以降物語はわかったようなわからないような感じで進みますが、その場面場面の描写がまるでアニメなのです。実写にしてあるけど、やっていることはアニメという感覚。さすがはアニメが出自のブラッド・バード監督です。男の子が噴射装置をつけて空を飛ぶところとか、AIたちの扱いとか、エッフェル塔が割れてそこから出てきたロケットが発射されるとか、まさにアニメの感覚、アニメの演出です。

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不思議少女アテナ役のラフィー・キャシディーちゃんが、もうカワイイったらありゃしません。笑った顔とか、ニュアンスが橋本環奈に似ておりますね(ここに写真が出ている人ではありません。あしからず)。 彼女が颯爽と戦うシーンを見ていたら、おお、『キックアス』でクロエ・グレース・モレッツがブレイクした時みたいじゃないかと思ってしまいました。加えてオードリー・ヘップバーン的な気品もありますしね。どんどん伸びていく子でしょう。


ケイシー・ニュートン役のブリット・ロバートソン(上の写真の子です)は、時々「あ、西田尚美がこういう表情するよね」ってな顔を見せておりました。

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でも後半けっこうダレました。もう少し摘まんで、タイトな作りにすればよかったのにね。予定調和的で、「ワクワクするほど面白い」とまではいかなかったのが残念です。

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2015年6月18日 (木)

「あん」:樹木希林のネ申演技!

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映画『あん』は河瀬直美監督作品なのに、原作ものであり、また社会性は十分に持ちながらも「普通の娯楽作品」として成立していることに嬉しいオドロキを感じました。ハンセン氏病を扱った地味な映画なのに、けっこう豪華なキャスティングです。そしてウェルメイドに感動させてくれて、作品の着地点もしっかりしているのです。

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前半のどら焼きの餡をめぐる、「おいしいもの、ホンモノは、手間暇かかる」という職人物語に、中盤浅田美代子の登場以降暗い影が落ちていきます。一方で観客の心には差別や偏見への怒りが沸いてきます。単純で、教育映画みたいかも知れませんが、重いテーマを娯楽映画仕立てで多くの人に観てもらうことは、支持すべき戦略だと思います。

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店長(永瀬正敏)と徳江(樹木希林)の間の魂のふれあいみたいな共振をしっかり描いて、観る者の胸に迫ります。社会性やテーマを声高に訴えるのではない姿勢が、かえって強いメッセージとして響くのです。

 ドキュメンタリー・タッチの映像だとか、木々と光だとか、いかにも河瀬監督らしい特徴もありながら、ネオ河瀬的な「いい話」としての物語性にも挑んでおります。

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とにかく樹木希林さんの演技が圧巻! 「神演技」と言いたいほどの只ならぬ素晴らしさです(「神芝居」ではありませんよ)。その表情に、発声に、動きに、慈愛が満ち満ちて、神々しいほどです。日本映画史上でも最高レベルの女優演技だと思います。

ワカナちゃん役の内田伽羅は、本木雅弘・内田也哉子夫妻の娘・・・ってことは、希林さんの孫娘なんですってね。びっくりです。

どら焼きを買って帰りました。

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2015年6月17日 (水)

女子も点が取れない(勝ったけど)

FIFA女子ワールドカップ、日本のグループリーグ最終戦はエクアドルとの対戦。カメルーンに6失点、スイスに10失点していたチームですから、いくら決勝トーナメント進出を決めている日本がサブメンバー中心になるとはいえ、大勝は約束されているはずでした。事実前半5分に大儀見が先制ゴールを挙げた時には、そうなるのだと思っていましたが・・・昨夜の男子に次いで、まさかまさかの点取れずシンドロームで1-0止まり。うーん、サッカーはなめたらあかんですねー。

大江戸としては、やはりピリッとしない試合だなあって感じでした(澤がフル出場した割には)。さすがに、W杯初出場や2試合目程度の選手が多かったせいでしょうか。惜しいシーンはそこそこあったものの、やはり昨夜の男子と同じ病ですね。あれだけCKやFKがあったのに、点につながらなかったというのも気がかりです。

まあ「(骨折で帰国した安藤を入れて)23人全員がピッチに立てたことが収穫」という佐々木監督の言葉は、確かに評価すべき点です。キーパーを毎試合替えるという異例の起用法も含めて、1次リーグでこれができたことは大きいと思います。怪我だった岩淵に(交代でなら)出場のめどが立ったことも、手薄な攻撃陣にとっては好材料。 決勝トーナメントの試合まで1週間あるので、体を休めてしっかりと連携を強化してもらいたいものです。

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2015年6月16日 (火)

男子代表の0-0発進にブーイング

今、日本中がブーイングの嵐でしょう。FIFAワールドカップ・ロシア大会のアジア2次予選、日本の初戦=vs.シンガポール戦(@埼玉スタジアム)がまさかまさかのスコアレスドローに終わろうとは! これは誰も想像できなかったと思います。だってFIFAランキング154位のチームですよ!

確かにシンガポールは自陣に引きこもってガチガチに守っていましたけど、アジアや中近東との戦いではよくある事じゃないですか。90分のうちに崩せばいいんだから、なんとかできるでしょ、ですよ。 そういう場合は、ドリブルかミドルシュートかサイドをえぐっての切り崩ししかないんだから(あとセットプレーね)、せっせとそうすりゃいいのに、どうもできてませんでした。香川、宇佐美、原口、武藤とドリブラーはいたのに、やらないんだよなー。

そもそもこのチームのへんなところはコーナーキックを本田、香川が蹴るということ。太田宏介とか柴崎にまかせればいいのに。 今日は(今日も)香川がよろしくなかったし、それ以上にブレーキだったのが酒井宏樹。終盤のミスの多さもさることながら、かなり消極的で上がって行く回数が少なく、クロスの精度も低かったこと、つまり右サイドを有効活用できなかったことが、相手の守備を楽にした一因です。

TVで見ていても試合終了後にかなりのブーイングが続いていたことがわかりました。そりゃそうですよね(おまけに涙雨までざあざあ降ってきたし)。いや、そう来なくっちゃいけません。 試合後のインタビューで泣きそうなハリルホジッチ監督が「私のサッカー人生の中でも、こんな状況になったことはなかった」と当惑してましたが、大江戸だってこんな当惑する試合は見たことがありません。

確かに敵の0-0狙い戦法は見事に奏功しましたし、意外と球際も強かったし、GKが大当たりで何本も止めたり掻き出したりしておりましたが、それでも勝てる相手ですよねえ。 前半を0-0で折り返した時には、「おいおい、冗談じゃないぜ。何やってんだ、まったく。」と思いながらも、後半残り10分になっても、「ドイツ大会予選のオマーン戦(@埼玉スタジアム)と同じように、後半アディショナルタイムに1点取って、ともかく勝つ」と思ってました。ああ、それなのにそれなのに・・・です。 はあ(ため息)。

まあ、ある意味日本サッカー史に(反面教師的に)深く刻まれるべき一戦なのかも知れません。

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2015年6月15日 (月)

「チャッピー」:手塚治虫的かも

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映画『チャッピー』は、そこそこ現代的な意匠の中に古典的なSF精神をギュッと埋め込んでいます。さらには創造主と創造物(モンスター)の物語であり、親と子の物語であり、教育の寓話であり、「人間とは」「心とは」と問いかける物語でもあります。なんか「手塚治虫原作」とか言われたら、信じてしまいそうな作品です。

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ギャングスター・ロボットっていうのは、無かった設定ですね。卑語使いまくりで、鎖ネックレスじゃらじゃらで、体を揺すりながら歩くという「不良ロボット」(不良品じゃないよー)。それでもチャッピーに生まれたての無垢な赤ん坊のようなイノセンスをまとわせているので、決して憎めません。観客もチャッピーを親の視線で見るようになるのです。

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ディー・アントワードというラップ・ユニットがチャッピーの「父母」になるのですが、この二人が実に見事な役者っぷり! 凶暴さとか慈愛とかいろんな感情を過不足なく表現できております、ダディーと呼ばれる“ニンジャ”が終盤履いていたジャージのパンツにカタカナ縦書きで「テンション」と書いてあったのには笑いました。

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そしてヒュー・ジャックマンがえれー悪者を演じていて、ビックリ!でした。彼ぐらいの大物になると、ここまで好感度激落ちになりそうな役は避けると思うのですが、実にいやーな感じで演じておりました(体型までいやーな感じの太目にしておりました)。

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2015年6月14日 (日)

「予告犯」:走りの追跡シーンが見事!

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映画『予告犯』は、中村義洋監督らしいヒューマンな匂いを漂わせた犯罪映画。原作のマンガは知りませんが、たぶん細部で中村ワールドに寄せて来ているのではないでしょうか。まあ、濱田岳がいるだけで、中村ワールドに見えて来るってのはありますけど。

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(以降ややネタバレあり) 社会性、問題意識をたっぷりと包み込んだ物語は、あたかも現代の「仕掛人」のよう。法で罰せられない悪人どもを懲らしめる主人公たち。洋の東西を問わず大昔から好まれてきた物語の典型です。本作でも、主犯・生田斗真がハケンとして悲惨で不条理な目に遭う場面がしっかり描かれるため、観客はそれ以降、彼に同情・共感しながら、彼のサイドで物語を追うようになるのです。

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彼に対比させる形で、東大卒で自らの努力で子供時代のいじめによるトラウマを克服してきたタフな戸田恵梨香(『エイプリル・フールズ』、『駆込み女と駆出し男』、本作と公開作が続きます)を配したことが効いています。一面的な正義を声高に主張する彼女の考え方が変化していくことで、浮かび上がってくるものが確かにありました。でも『駆込み女・・・』であれだけ見事な演技を披露していた戸田さんですが、本作はいただけないなあ。無理してる感が漂ってました。

彼女が生田を追いかけて、恵比寿あたりの住宅街や渋谷川沿いを走りに走る場面は、日本映画史に残る名場面となりました。あれだけ執拗に、走りによる追跡を撮った(ステディーカムの手持ち追っかけも効いてます)映画って、なかなかないです。『フレンチ・コネクション2』のポパイ刑事の走りを思い出しました。二人とも若いだけに、ジーン・ハックマンよりもスピーディーな、力いっぱいの良い走りをしておりましたし。

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結末はけっこう悲惨ではあるのですが、それなのにハートフルな気分の良さがじんわりと感じられるあたり、嫌いじゃありません。支持したくなります。

ところで、TOHOシネマズ六本木のスクリーンでは、画面がニコニコ動画風になって視聴者のコメントが画面に流れていく場面で、最上部の一番使用される一行が半分以上隠れて見えなくなっておりました。中村監督や制作関係者の方々はご存じなのでしょうか? 改善してもらいたいものです。

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2015年6月13日 (土)

日本女子、カメルーンを下し連勝!

女子サッカーFIFAワールドカップ、日本の2戦目は対カメルーン。さすがにフィジカルが強靭でした。足が速いし、リーチが長いし、当たり強い。 こういう相手は概して守備がイマイチなので、早めに点取っちゃうに限ります。

ってわけで、6分の鮫島、17分の菅沢と前半の早いうちに2-0にしちゃったところが今日の勝因。後半押し込まれまくった末にゴールを許したけど、1点に押さえて逃げ切ることができました。

1点目は川澄の低空クロスが良かったし、鮫島は今大会ではダークホース的に得点王を狙ってもらいたいと思っているのです(安藤の骨折離脱によって、ますます前めで使われる機会が増えるでしょうから)。いや、マジで。

前半は左SB、後半はボランチを務めた宇津木瑠美は今日も好調。多くの気の利いたプレイを見せておりましたが、何気ないプレイの中に「うわ、これ実は効いてる」とか「わお、それはなかなか思いつかない」っていう、初心者は見落としてしまうボールさばきがあるんです。さすがに「玄人好みのプレイヤー」と言われるだけのことはあります。

キーパーは海堀。1点は取られたものの、ファイン・セーブもあり、安心して見ていられました。 むしろDF陣がけっこう危ない裏の取られ方をしていた(そのうちの1つが失点に結びついた)のが、気がかりです。

これで決勝トーナメント進出を決めた上に、3戦目はグループ内で最弱のエクアドル。主力選手を休ませることと、出場機会のない(&少ない)メンバーに実戦経験を与えられるチャンスとなりました。 (安藤の件以外は)良い状態で決勝トーナメントを迎えられそうです。

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2015年6月12日 (金)

「森尾由美・BEST」を聴いて

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ふと森尾由美を聴きたくなって、ベスト盤の中古CDを求めてみました。彼女は’83年組なので、花の’82年組(中森明菜、小泉今日子、松本伊代、早見優、堀ちえみ)、そして’84年組(菊地桃子、岡田有希子、安田成美)の狭間で、同期も地味目です(岩井小百合、大沢逸美、武田久美子)。

でもなんだかんだ今日まで細く長く芸能活動を続けている(しかも家庭との両立で)あたり、あっぱれですね。いつまでも若々しいし、感じいいし。

シングルA面全10曲を含む16曲入りですが、いやーどれもこれも素晴らしい! 買ってよかったです。 彼女の歌は、歌詞がぶっとんでいて、ひっくりかえりそうです。笑えます。そして歌がヘタ(まあレコードではミキシングでかなり補っていますが)。でもそれはアイドルとしての愛嬌ってもんです。

『ごめんなさい♡愛してる』における「しょうがないじゃな~い だってぇ~」という甘ったるいセリフ。 『天気予報は I LUV U 』における「コラ!」っていう可愛いセリフや、「んー」っていうラブリーな声、そして「キリン気分」! 『カガミに御用心』における「アン♡」及び犬の鳴き声(ワン)。 ほとんどコミック・ソングの『お料理マンボ』と『一週間』。 上質なアイドル・ポップスである『初恋のメロディー』、『ASIAチックDOLL』、『だからタッチ・ミー』、 『そうしましょうね』。 いやー、どの曲も古びることなく魅力的です。見事です。楽しいです。

収録されていない『口唇緊張あと5cm』、『刺激がいっぱい』、『性格美人』なども聴きたくなりました。 いや小生の場合、親しい友人に森尾由美ファンが二人ばかりいたので、『習わぬ経を詠む」のクチでして・・・。 でも今回聴いてみて、’80年代アイドルポップスの偉大さと、そこに屹立する森尾由美の独自性とキュートな魅力を再認識いたしました。

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2015年6月11日 (木)

日本男子、景気よく4-0勝利

来週火曜のW杯2次予選スタートを前に、サッカー日本男子代表の対イラク戦(日産スタジアム)をTV観戦。イラクが全然歯ごたえなくて、日本が苦労せずに4-0の圧勝を収めました。

先発に宇佐美を起用。長友も長らくケガだったので、ハリルホジッチ体制下では初出場なんですってね。CBには吉田と組んで槙野が先発起用されました。

相手の動きが悪く、プレスもきつくないので、日本はパスの連係も良くタテへの攻めも機能して、前半はほぼやりたい放題。1点目の本田へのパスもそうですけど、柴崎がメチャ良かったです。天才的なパスをどんどん繰り出していました。 宇佐美も期待を裏切らないキレがありました。

後半、ちょっと全体的にダレてきた時に、香川、本田、宇佐美の前線3人を一気に武藤、永井、原口に交代。直後には岡崎も大迫に交代と、親善試合ならではのトライアルで、若手を競争原理にさらします。そこで結果を出したのは、原口元気。FWらしいいいゴールでした。

初キャップとなるフロンターレのイケメン谷口も投入されましたが、まだ慣らし運転といったところ。むしろ久々に代表に戻った山口蛍がしっかりと「らしさ」を出していました。

まあ、W杯予選に向けて士気が上がった、景気つけた ってことでよろしいんじゃないでしょうか。

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2015年6月10日 (水)

「私の少女」:社会問題てんこ盛りだけど・・・

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映画『私の少女』は、社会性たっぷりの韓国映画。児童虐待、性的マイノリティー差別、移民差別、飲酒問題、セクハラ、権力側の偏見・・・と問題がてんこ盛り過ぎて、ちょっと焦点がぼやけてしまったかなといったところ。例えば『トガニ 幼き瞳の告発』ほどの一点突破の力強さはないのです。

女性監督(チョン・ジュリ)のデビュー作です。繊細さが感じられます。 そしてペ・ドゥナの好演が映画を「どちらかというと成功」の領域にまで引っ張ってきています。複雑なキャラクターの複雑な心理を、静かに繊細に演じているのです。ますます素晴らしくなってきましたね、この人(『クラウド・アトラス』はちょっとアレでしたが)。 ただ、彼女の演じる警察署長さんのキャラクターが、(色々とウイークポイントを抱えている身の割に)あまりにもスキだらけというか、不用心過ぎて、ちょっとリアリティーに欠ける気がしました。まあ、そうしないと物語が進まなかったのでしょうけれど。

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(以降ややネタバレあり) 彼女があれだけ酒飲んでいたら、汗や息でバレるよなあと思ったり、なぜ子供を引き取りっぱなしにするの? ってあたり、そして警察なのにすぐ毅然と法的処置を取らないあたりは、どうしても気になってしまいました。そこらも脚本でケアすべきです。 そのあたりがおろそかなので、「同性愛と子供」を扱いながらも傑作『噂の二人』(ワイラー)には遠く及びません。

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暴力虐待野郎(ソン・セビョク)のキャラクターも、ちょっとトゥー・マッチっていうか、あそこまであからさまだとここに至る前に逮捕されてますよね(あるいは恨まれて殺されてるとか)。とはいえ、『トガニ』の校長先生といい、本作の彼といい、韓国映画は唾棄すべき最悪人物を徹底的に打ち出してくるという特色があるのでしょうね。

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2015年6月 9日 (火)

女子W杯、日本の白星スタート!

FIFA女子サッカー・ワールドカップ カナダ大会がいよいよ始まりましたね。今日は日本のグループリーグ初戦、vs.スイスでした。

結果は前半に安藤が取ったPKを宮間が決めて、そのまま1-0で白星発進となりました。 「なでしこ」って、大会の初戦は妙に調子が悪いのが通例なのですが、今回はまずまず。でもまだミスも多いし、連係もこれから1試合ごとに良くなっていくことでしょう。「軌道修正できるチーム」「大会中に成長するチーム」ってのも「なでしこジャパン」ですから。

心配だったGK山根が(仮想スイスとして先月戦ったニュージーランド戦に続いて)相手を0点に封じました。後半にファンブルが一つあったけど、それ以外は奏功した飛び出しもありましたし、キャッチング、フィードも安定していて、もう「心配の巨人」じゃなくなっていたのが何より。佐々木監督も無理して使い続けた甲斐があったってもんです。

両サイドバックに近賀、鮫島ではなくて、有吉、宇津木を持って来た佐々木監督ですが、これが当たりました。やはりこのチームは両翼の槍が機能してなんぼのチームでもあると思います。こんなに攻守ともに効いている有吉を見たのは初めてです。そして宇津木はますますもってプレイがカッコイイです。

途中交代で澤に代わってボランチに入った川村は、緊張していたのかミスやポカが目立ちました。フィジカルの強さで相手を押さえる場面もあったのですが、ボールを失うことが多過ぎました。

まあグループリーグは、この初戦で調子が出ずに取りこぼさない限り問題ないと思っていましたので、とりあえずオッケーです。 全試合人工芝のピッチだというのも、パスが生命線の日本にとっては有利ですが、一方で一所懸命走らなければ機能しないチームでもあるだけに、脚へのダメージが心配です。特に決勝トーナメントに入ってから、そのダメージの蓄積がマイナス材料にならなければいいなあと思う大江戸なのであります。

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2015年6月 8日 (月)

「新宿スワン」:ヤクザ(風)ファンタジー

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映画『新宿スワン』は、園子温最大のヒット作ということになるのでしょうねえ。マンガが原作だけあって、彼のカラーがそんなに色濃く出ているわけではありません。いや、三池崇史が撮ったと言われれば、すんなり信じてしまいそうな、そんな作品に仕上がっておりました。園子温もメジャーな娯楽作をどんどん手掛けていって、三池さんのようになっていくのでしょうか?

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閉館前の新宿ミラノ座前や、その屋上や外階段で撮った数々のショットが、いいですねえ。ミラノ座の貴重な映像資料の一つともなりそうです。

金髪というか黄髪の綾野剛も、はっちゃけて19歳を演じてます(33歳なのに)。なかなかに「愛すべきバカ」な感じを出して、きちんと“主役”やってます。トゥーマッチな地点まで行くことによって、ムチャな役と映画を自分の方に引っ張って来ちゃってます。彼のアプローチが奏功したと言えましょう。

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ヤクザ&チンピラ役の男優陣が、揃いも揃っていい(コワイ)ツラ構えをしています(厳密にはヤクザじゃないのかも知れないけど、やってることはヤクザですもんねえ)。今、ヤクザ顔を揃えることにかけては、北野武と園子温が双璧ですね(『TOKYO TRIBE』の時にそう思いました)。 まあ層の薄い日本映画なので、そうすると『クローズZERO』や『闇金ウシジマくん』とかぶっちゃうんですけど。 山田、伊勢谷は言うに及ばず、 金子ノブアキはワルそうな顔にどんどん磨きがかかっていますし、深見元基はワイルドな凶暴さを出して、生きましたねえ。

ファンタジーとてのヤクザ映画ではありますが、『アウトレイジ』351164_005に次いでこれもヒットするってことは、日本の大衆はいつの時代もヤクザ映画を求めているんだなあと思います。いや、マジで。 これの続編も作られそうな気がしますけど、それよりも本家東映さんがそろそろ「真打登場」的なものを作ってみてはいかがなものなんでしょうか?

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2015年6月 7日 (日)

キレイな等々力で、湘南悔しい逆転負け(および疑惑のノー・ゴール)

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メインスタンドの拡大改修が完成して、今期から見事なスタジアム(まあ主にメインスタンド部分がってことですけどね)に生まれ変わった等々力競技場に行って来ました。ベルマーレvs.フロンターレ戦です。今日はメインスタンド中央付近の良い席で見たのですが、いやー、総屋根付きの快適な環境。コンコースも雨風を遮断し外光を取り入れられるガラス張りですし、トイレも広々としてキレイだし、座席もゆったりだし。そして外観がまた豪華客船のようで、木材を使ったウッディーな見え方もステキだという・・・いやー、うらやましい限りです。

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公園内の市営陸上競技場という点では、BMWスタジアム(平塚市陸上競技場)と同じなんだから、なんとかこれに刺激を受けて、見習って、平塚市さんも早く動いていただきたいものです(署名運動は数年前からやっているのですが・・・)。 試合前の栄養補給中を撮らせていただいたアウエイ遠征のベルマーレクイーンだって、そう思っていることでしょう(頭上のお花がかわいいですね)。

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試合前の献血イベントにあの8.6秒バズーカーが来ていて、仮設ステージで「ラッスンゴレライ」の替え歌バージョンなどをやってました。彼らはゲーム開始直前の始球式にも登場しました、

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そうそう、ゲーム前にはキングベル一世も登場し、ふろん太くんたちと丁寧なおじぎ合戦を繰り広げていらっしゃいました。礼儀正しい神様(&王様)です。

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イベントの多いこのスタジアムですが、ハーフタイムにはF1のレーシングカー2台が陸上競技のトラックを爆走するというオドロキの企画(中島悟さんが挨拶してました)もありました。結構びっくりの奇景でした。

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さて肝腎の試合ですが、とにかく悔しい 川崎2-1湘南 の敗戦でした。というのも・・・

1.前からの全員守備と球際の強さという湘南の特徴を出して、とにかくボール奪取の嵐。川崎には後ろの方で横パスを回させるだけで、前へ来るところを全て分断していくことに成功してました。前半はほぼ完璧。後半も、そんなに悪くはなかった(憲剛が投入されてしばらくの間はフロンターレ・ペースになりましたが)のに・・・。つまり、ゲームの大勢は支配していたのです。逆に言えば川崎は「全然うまくいってなかった」試合だったのです。

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2.後半、湘南・菊池大介のシュートがクロスバーに当たって落下してゴールラインを越えたのに、認められなかったという誤審。認められていれば2-0と湘南リードになった局面だったのに、副審が認めたゴールを西村雄一主審が取り消したように見えました(そのように書いてある現場の声のツイッターなどもありました)。あれは謎です。曺監督も試合後のインタビューで、「我々に勝点3をもたらしてくれない、何か見えないもの」という表現を使っておりましたが、何とも悔し過ぎる判定でした。シュートからクロスバーに当たって1バウンド目までの球速が速すぎて見えにくかったのではというのが、現場にいた大江戸の感想です。

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3.その後、憲剛に取られたPKを大久保に決められて1-1の同点。内容的には完全に勝ってる試合だけど、「アウェイの勝ち点1」ならまあ良しとしよう・・・と思っていたら、アディショナルタイムの最後にエウシーニョに決められて、「え? なんだよ、それ?!」っていう納得できない逆転負け。久々に失点し、しかも複数失点で敗戦と、ほとんどの時間帯をきっちり押さえていただけに、信じられない展開でした。

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そういう不条理も含めてサッカーだということはわかっているつもりなのですが、それでも悔しいってのもサポーター。それでもゴール裏の湘南サポたちは、熱戦後の選手たちを拍手とベルマーレ・コールでねぎらいました。キャプテン永木亮太が累積警告で出られなかった試合なのに、「誰が出ても同じサッカーができる」ようになってきたと実感できました。ボランチの菊地俊介と石川俊輝が、いい仕事してましたもん。それに、多くの選手たちが感嘆すべきトラップやパスを見せてましたもん。技術的にも川崎を凌駕していました。まあ、これでも勝てないってのは、決め切る選手の不在ってことでもあるのですが…。

そして今日の菊池大介は、本当に頑張ってましたよ。水曜のナビスコ杯にもフル出場したのに、相変わらずの上下動と長い距離のドリブルで、攻守に大奮闘でした。頼もしくなったなあ。するするとペナルティーエリアをかき回した時は、シュートまで行ってほしかったですけどね。 菊池のシュートの判定について、湘南は意見書を出すようです。

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2015年6月 6日 (土)

「山口小夜子 未来を着る人」展からの、ブルーボトル・コーヒー

1433599358910清澄白河の東京都現代美術館に、展覧会『山口小夜子 未来を着る人』(~6/28)を見に行きました。 '70-80年代の日本を象徴するファッション・アイコンとして、世界的に活躍したトップ・モデルである山口小夜子は2007年に逝去しましたが、彼女の広告やファッション・フォト、さらにはショーの映像や彼女自身のデザイン画、そして彼女を題材にしたアーティストたちの作品などで構成しています。

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山口小夜子を象ったマネキンが実在していて、ヨーロッパの百貨店などに置かれていたというのにびっくり。会場にもそれがあり、やはりインパクトあります。あの切れ長の目の魔力。その極致はやはり資生堂の(しかも中村誠AD+横須賀功光Ph.の)、あの目なんでよね。あれはアートです。あれが日本です。

11949年生まれの山口さんは2007年に亡くなったのですが(享年57歳)、その前年あたりの写真や映像を見ても、かなりの若々しさ、変わらなさ。まあああいうのっぺりした日本人顔&一重まぶたは、加齢のダメージが目立たないのですが、それにしてもさすがです。

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’90年代以降の演劇や舞踏における活動もほとんど知らなかっただけに、新鮮でした。 本日の会場内には、M本A門さんもいらしてました。

彼女のドキュメンタリー映画が今秋公開だそうで、それも楽しみです。

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で、せっかく清澄白河に来たんだから・・・ってんで、話題の「ブルーボトル・コーヒー」に足を伸ばしました。土曜の午後3時ごろ、列ができてます。約30分ほど並んで、カフェラテを飲んでみました。

確かにおいしいですね。そしてやけにぬるかったので、猫舌の小生としてはありがたかったです(皮肉などではなく)。 それにしても普通の民家や小さな会社しかないような所に忽然と出現します。よくこんな所に作ったものです(アメリカの本社があるオークランドのような環境だからってことなんですけど・・・)。倉庫みたいな感じです。

持ち帰ったレモン・パウンドケーキも、おいしゅうございました。

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2015年6月 4日 (木)

「メイズ・ランナー」:迷路いらないんじゃない?

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映画『メイズ・ランナー』は、実に「ゲーム」な映画ですねえ。壁があって、迷路があって(しかも毎日形が変わる)、その奥には○○が待ち受けていて闘わねばならない・・・とかね。 大江戸はあまり鑑賞前に情報を入れないので、これが3部作ってことは後から知りました。ふーん。

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それにしても最近は高い壁で隔絶された世界の映画が流行りますね。『進撃の巨人』とか『ワールド・ウォーZ』とか本作とか。何か今の社会情勢と関連があるのかしらん?

それはいいとして、この巨大迷路を作った意図がどうも、わかったようでわかりません。まあ、第2部、第3部で明らかになるのでしょうけれど、どう考えても「こんな手の込んだことしなくたっていいじゃん」って感じです。コストが割高過ぎます。

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ツッコミ所は色々あるのですが、男の子たちの配役構成にしても、アジア系、アフリカ系にも配慮してるってわけね、と思っていたら、何と終盤近くに女の子が1人投入されるという、ある意味驚愕の展開。そりゃーまずいだろ、というか、『東京島』みたいなことになっちまわないんですかね? いや、もっと酷いことになりかねないと思うんですけどね。「猛獣の檻」状態なんですから。それとも、アメリカもやっぱり「ソフレ」(添い寝フレンド)の時代なんでしょうか??

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男の子の中にアメリカ版「ジャイアン」って感じのやつがおりました(実はイギリス人だそうですが)。

最大の欠点は、折角の迷路映画なのに迷路ならではの面白さが全く生かされていないこと。これじゃあ迷路でなくたっていいじゃん。

『メイズ・ランナー』と聞いて近松門左衛門の『冥土の飛脚』(冥土’sランナー)を連想したのは、さすがに小生ぐらいなもんでしょうねえ。

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2015年6月 3日 (水)

湘南、ナビスコ杯予選リーグ敗退

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今日は仕事帰りにShonan BMWスタジアムに駆けつけ、ヤマザキナビスコカップ予選リーグ最終戦のベルマーレvsFC東京 を観戦。 「サラリーマン・ナイト」と銘打って、ハーフタイムにパートナー企業の社員がスーツ姿でトラックをリレーする企画などもありました。(サッカー専用ではなく)陸上競技場にもなっているスタジアムならではですね。そのリレーでは、「ベルマーレ・フロント」チームが優勝し、坂本紘司営業本部長がトップでテープを切るという、まさかの展開。賞金をかっさらってしまった坂本本部長は、「空気が 読めなくてすみません。」と語っていました。

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両チームともナビスコカップ用のメンバーが中心でしたが、そうは言っても今日の結果次第で予選リーグ突破か脱落かが決まることにおいては同じなので、強硬出場メンバーもちらほら。湘南なら、遠藤航とか菊池大介とか大竹洋平tか…、FC東京なら武藤、太田、森重など。

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前半は妙に消極的でパッとしない展開。両チームとも慎重でありながら、ミスも多い感じ。大竹が中心にボールをさばきます。うーん、山田尚輝はなかなかチーム戦術にフィットしませんねえ。輝きません。そして岡田翔平には一向に昨年の輝きが戻って来ないのが心配です。コバショーも、なかなか本調子になりませんねえ。

 

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0-0で折り返した後半は、だいぶ良いパス回しが出来るようになり、ポゼッションでは東京を上回っていたのでは? 交代で高山薫や大槻周平が入ると、やはり機動性が増して、前の方が活性化します。チームがピリッとします。それでもゴールは割れませんでした。ってゆーか、シュート少な過ぎ。6本では点が取れませんよね (FC東京も8本でしたが)。
まあ守備ってことでは、またも無失点だったし、坪井と遠藤で武藤を シュート2本に押さえ込んだし、安定していました。ドイツのマインツへの移籍が決まり、欧州進出前の武藤は見納めです。

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結局予選リーグを突破することはできませんでした。こうなったらその分、リーグ戦(と天皇杯)を勝ち抜いてやりましょう! たのんます!

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2015年6月 2日 (火)

「ミナカケル」展@スパイラル

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表参道のスパイラルで開催中のミナ・ペルホネンの展覧会『ミナカケル』(~6/7)に行って来ました。

皆川明さんのミナ・ペルホネン、ここでは3度目の展覧会(2002年、2010年に次ぐ)だそうですが、ミナってファンにとってはもう絶対なんですよね。お値段高めだろうが、なんだろうが、もう大好き。彼女たちにとっては、皆川さんが教祖様みたいなものなんです。以前、輪っかのような「タンバリン柄」を「タンバリンに見えないー。数珠みたいー。」って言ったら、信者ファンの方から怒られました。

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あの、ヌケ感の塊のようなゆるやかさ。ナチュラルで柔らかさとあたたかみのある素材や色やデザイン。なるほど、ここまで世界観を確立してこそ、ファンもついて来るってものです。

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会場内には皆川さんの初期の創作メモやスケッチなどから始まって、多くの作品=クロージングのみならず、バッグや帽子や傘から家具までも が展示されていましたが、その展示方法がいちいち凝っておりました。そして、あくまでも皆川ワールドを感じさせる展示方法なのです。

夜8時までやっているので7時頃入ったのですが(ちなみに入場無料1433242666920)、そこそこ賑わっておりましたし、「8-9割が若い女性」っていう印象でした。

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一番広い吹き抜けスペースには様々なアイテムが天井から吊るされておりました。

デザインの現場、製造の現場、販売の現場それぞれを映し出す映像コーナーも、皆さん立ち止まって熱心に見ておりました。

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グッズ販売コーナーも大人気。2百数十円の絵入りマスキング・テープあたりから売っておりましたよ。

あらためて、創る人と着る人が幸せな関係を築いているブランドだなあと思いました。

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2015年6月 1日 (月)

「夫婦フーフー日記」:映画もハンバーガーもシズル感不足

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映画『夫婦フーフー日記』は、実在の闘病ブログをもとにした映画。佐々木蔵之介&永作博美の夫婦のコンビネーションを味わう映画、のはずなのですが・・・。

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どうにもこの二人の魅力が出ていません。そして夫婦としての掛け合いによって掛け算的な魅力が生じるかといえば、そんなこともなく・・・。 だって、佐々木さんマジメ過ぎて軽妙さや瞬発力がぎこちないんです。そして永作さんは、すんごく巧い人なんですけど、この役では「いつもの永作博美」的な芝居に陥っていて、どうにも新鮮な感動がないんですよねー。

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実話が元の原作ものだからしょうがないといえばしょうがないのですけれど、映画やドラマとしてはさして珍しくもないネタなので、なんだかノれませんでした。そういう題材でも、映画にするにあたってのフックとか仕掛けとか巧妙さとか描写の冴えがあれば良いのですが、残念ながら特段感じられませんでした。映画が停滞して、弾んで行かないのです(「『シックス・センス』かよ!」の件りは、ちょっと面白かったけど)。

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ヨメ(永作)の象徴のごとく随所に出て来るハンバーガーですが、残念無念なことにおいしそうに見えないんですよねー。なぜだろう?シズル感がないし、永作さんがほおばって食べる時も、一口が大きすぎて噛むのが大変そう。そしてドリンクなしなもんだから、喉につっかえそうで、気が気じゃなかったのです。

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