「コングレス未来学会議」:アニメがもっと革命的だったらなあ
映画『コングレス未来学会議』は、かなり異色のSFでした。原作はあの『ソラリスの陽のもとに』(『惑星ソラリス』の原作)のスタニスワフ・レム(昔は「スタニスラフ」といったもんですが、今はこう書くんですね)だから、かなりヘヴィーに哲学的な内容かと思いましたが、けっこうライトに哲学的でした、まあ、主演がロビン・「ライト」でありますし・・・。
でも物語の展開や細部はかなりアップデートされていて、全身や表情をスキャンされてCGキャラクターとしてこれからを生きる契約をして・・・っていうお話。いったい原作だとどうなっているのでしょうね? いずれにしても、途中からアニメの世界での物語になっていきます。大胆なことこの上ない表現ですが、観る者の幅を狭める選択とも言えるでしょう。実験的なアートフィルムとしか思えない見てくれになっていますもん。
本作のアニメーションは今っぽい表現ではなくて(少なくとも3DCGだったりしないし)、どこか古めかしさを感じさせます。いずれにしても全編のおよそ半分ほどがアニメーション・パートになっていて、ちょっと長いんじゃないかなーって気がしないでもありません。これを成功させるためには、絵が革命的なほど魅力的だったり独創的だったりしないとね(例えば『イエロー・サブマリン』みたいに)。なんだか’6-70年代のアメリカのTVアニメ番組みたいなんだもん。
久々にハーヴェイ・カイテルを見たような気が・・・(実際はウェス・アンダーソン作品などに出ていたようですが)。さすがに、おじいちゃんになりましたね。
作中の映画会社の名前は「ミラマウント(Miramaount)」。もちろんMiramaxとParamountの掛け合わせです。 それは「毎朝新聞」みたいなもので自然なのですけど、邦題の『コングレス未来学会議』って、どうなのよと思っちゃいます(原題は“The Congress”)。“congress”って会議のことでしょ。へんなダブりですね。
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