「極道大戦争」:バッカじゃないの
映画『極道大戦争』は、広告でも「三池崇史の原点回帰」と謳っておりますが、確かにここまでハチャメチャなものは久しぶり・・・と言うより、三池史上でもここまでメチャクチャなものは無かったのではないでしょうか?いや、映画の歴史においても、ここまでメチャメチャなものは数少ないでしょう。 『風に立つライオン』なんて柄にもないもん作っちゃうから、こういう反動が出たのに違いありません。そうに決まってます。
とにかく意地になってハチャメチャな悪ふざけをしているとしか思えません。でもこれこそが三池だよなあとも再確認できます。『DEAD OR ALIVE』だとか『殺し屋1』だとか『ビジターQ』だとか『極道恐怖大劇場 牛頭 GOZU』だとか『カタクリ家の幸福』だとか『愛と誠』だとかの場面が頭に浮かびます。三池さんはやはり根幹が「Vシネの人」「バッド・テイストな異端者」としてのスピリットを持ち続けているのですねえ。
だってヤクザ・ヴァンパイアに、オタク衣装の東南アジア系刺客に、編み物をするヤクザに、脳ミソ溶け出してる女に、ヤクザヘアーに変身する子供に、凶暴で最強のKAERUくんに、あれやこれやで、もうほとんど悪ふざけ過ぎて笑えませんよ(まあ、ちょっと笑えますが)。KAERUくんなんか、空は飛ぶし、怪獣映画にまでなっちゃうんだもんなー。
冒頭の出入りシーンで、リリー・フランキーとピエール瀧が登場!ってのは、『凶悪』コンビで結構でした。リリーさん、意外なほど早い段階で物語から退場しちゃいました。
で、面白かったかと問われれば、面白くなかったですねー。プロットや展開は破綻しまくりですし、コメディーとしてはかなりすべってますし、『GOZU』ほどシュールな珍味ではありませんし、任侠や極道はどうでもよくなって最終的には(なぜか)徹底した殴り合いですし。 バッカじゃないのと思うのですけれど、まあバッカな映画を作りたくて作ったんでしょうから、三池さん的には道を極めているのでありましょう。うーむ。
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コメント
そういや、「海街diary」と「極道大戦争」のあと、昨日「トイレのピエタ」を見てきたんですが、ここにもリリーフランキーが。
このりりーさんが一番、私らが知ってるテレビでTwitterで見かけるリリーさんそのものだった気がします。(^_^;)
私も絶対「風に立つライオン」の反動が来たんだと思いました。(爆)
投稿: Ageha | 2015年6月25日 (木) 01時54分
Agehaさん、どーも。
ですよねー。絶対反動(リハビリ行為とも言う)ですよねー。あたたかく見守るしかないんでしゃうねー。
投稿: 大江戸時夫 | 2015年6月25日 (木) 12時32分