「リアル鬼ごっこ」:園子温のバッド・テイスト炸裂

映画『リアル鬼ごっこ』は、5,6,7月連続公開(『新宿スワン』、『ラブ&ピース』、本作)の「園子温まつり」第3弾。徐々に園子温らしさがアップしてまいりました。 でもこれ、あの佐藤さんの数を減らす『リアル鬼ごっこ』と全然違いますよね。予告編では「JKの皆さん、あなたたちはふてぶてしいので、ちょっと数を減らします」とか言ってるけど、そこらの説明もなくて、実のところ全くの別物ストーリーなのでした。ヘンなの。
(以降ネタバレあり) 開巻すぐにアッと驚く大惨事が起きます。5分、10分遅れてポップコーンなんか抱えて座席に到着する人たちは見逃しちゃいます。あーあ、残念でした(ザマミロ!)。 このシーンの豪快にビザールな感覚はまさに園監督の『自殺サークル』および『紀子の食卓』における女子高生集団鉄道飛び込み自殺シーンに通じます。トリンドル玲奈の「ミツコ」という役名も『紀子の食卓』とつながっています。 その後にやたらと出て来る女子のパンツへの執着は、『愛のむきだし』ですね。
そもそも『冷たい熱帯魚』や『地獄でなぜ悪い』を持ち出すまでもなく、人体損壊描写は園監督の十八番ですし、本作に充満するエロ・グロ・ナンセンスや確信犯的なバッド・テイストやベタさかげんは、わかりやすい園子温らしさなのです(『新宿スワン』では影をひそめていたもの)。まあ、だからといって「バンザイ!」を叫ぶ気は特段ありませんけれど。
台詞にしても、映像にしても、園子温がもともと詩人だということを 思い出させてくれました。羽毛(とりわけ終盤の赤い羽毛!)だとか、雪原に横たわるトリンドル玲奈のロングショットだとか・・・。 そしてエンディングの曲は、『ツイン・ピークス』のテーマを思わせるものでありました。
最後の方に出て来る「あの人」以外は、登場人物が全員女性というのにも後から気づいて(にぶい?)、かなり驚きました。
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