もう一つの芥川賞『スクラップ・アンド・ビルド』を読みました
『文藝春秋』9月号に掲載されたもう1本の芥川賞受賞作『スクラップ・アンド・ビルド』羽田圭介を読みました。 ちなみに『火花』についてはこちら↓
http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2015/08/post-be83.html
飾り気のないストレートな筆致でぐいぐい描く介護小説(とばかりも言えませんが)。確かに面白く、少なくとも同じ芥川賞受賞作『介護入門』モブノリオ よりも格段面白いと思いました(正統派なので、新奇さはありませんが)。そういえば、モブノリオってほとんど一発屋でしたよね、今何やってるんでしょうか。
ただ、篇中の結構大きな謎を回収せずに読者の解釈に委ねている(ように思われる)ので、そこが大江戸にとっては不満です。そこはもう少し親切でもいいんじゃないかなあ(それとも暗示してあるものを読み取れない大江戸がバカなのか)。
いずれにしても、問題性と普遍性を併せ持つ佳作だと思います。 でもどっちかと問われれば、小生は『火花』の哀感の方が好きですねえ。
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