村上春樹の「職業としての小説家」
話題の村上春樹の新著『職業としての小説家』(スイチ・パブリッシング)を読みました。リアル書店を応援する意味で、そして紀伊国屋さんの英断に敬意を示す意味で、ちゃんと紀伊國屋書店で買いました。
もともとは文芸誌『Monkey』に連載されていたものに書きおろしを加えた12章からなる「自伝的エッセイ」のようなもの。まあ、タイトルの通り村上さんがどのようにして小説家になったのか、どういう考えのもとに小説を書いているのかなどなどを解説しているのですが、そこに子供時代から今に至る村上さんの人生が具体的事例として挟み込まれるのです。
なるほどねーと思ったり、へーそうなんだと思ったり、やっぱりねーと思ったりしますけど、小説や小説家の話をしながらも、人生全般の話として成立している場合が多いっていうのがお値打ちです。
村上さんの文章は小説でもエッセイでも、それこそメールへの返事でも、読んでいて実に面白いのです。その秘密は、何度も繰り返される推敲にあるのでしょうね。こういうブログを書き飛ばしていては、なかなかそのような地点には近づけません。やれやれ。
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