「さよなら、人類」:そこはかとなく
映画『さよなら、人類』は、ムムム・・・どう評価したらいいものやらって感じ。巷では結構絶賛の声も追いようですが、大江戸的にはあまりほめたくもないと言うか、あまり波長が合わなかった気がいたします。まあ一筋縄ではいかないタイプですよね。
39のシーンで成り立つコント集のような、景気の悪い『モンティ・パイソン』みたいな作品なのですが、あまりに芸術臭がするために笑っていいのやらいけないのやらって感じ。そもそも笑いのタイプがあまりに「そこはかとない」感じなので、「これ、どこで笑ったらいいんだろう?」って悩んじゃいます。なんか居心地の悪いクスクス笑いの連続。
そして笑ってばかりもいられない悪夢感。例えば、昔の国王の戦場への行き帰りだとか、奴隷が押し込まれて焼かれる巨大な回転シリンダーだとか、頭蓋を開けられて電気ショックの実験をされている猿だとか、とにかくみんな「嫌な感じ」。暖色を取り除かれ、温度の低そうなグレーで統一された本作の映像のような、冷ややかで陰鬱な悪夢感なのです。
そもそもメインキャラクターの二人が売り歩く「吸血鬼のキバと笑い袋とラバーマスク」って、・・・この情けない時代遅れ感ときたら!(小生は嫌いじゃありませんけどね)
小生が一番好きだったエピソードは、予告編でも使われている「急死した男が注文したビールとサンドイッチ」に関するやつ。何とも言えない「そこはかとなさ」が、ちょっと衝撃的でした。
(って、なんだかんだ結構ほめてるじゃん。)
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