弥生美術館の「森本美由紀展」
文京区の弥生美術館に行き、『森本美由紀展』(~9/27)を鑑賞しました。ここは一つの建物に弥生美術館の3フロアと竹久夢二美術館の2フロアが同居していまして、入場券も共通で見られるもの。森本展は弥生の1&2Fを使ったもの。
おととし54歳で亡くなったファッション・イラストレーター森本美由紀さんの回顧展。あの独自のタッチで、太目の筆線で描き上げるファッショナブルな森本ワールド。彼女の全仕事を、雑誌、書籍、広告、CDジャケットetc. の実物や原画を通して、総合的に紹介していきます。
ほんっとカッコイイんです。一目見て森本さんだとわかるオリジナリティ。でも'50-60年代の欧米のファッションイラストにインスパイアされ、模倣から始まりながら、それらを超えている圧倒的な画力。モノクロがこれだけ生きている、そのスタイリッシュさに感動しますし、ポーズや表情が本当に生き生きと見事なのです。特に女性の目に関しては、もう素晴らし過ぎて、その目に射抜かれてしまいそうです。
改めてこのようにまとめて見ると、彼女の凄さ、偉大さがよくわかります。実はこの展覧会の情報に触れるまで、彼女が逝去されたことを知りませんでした。かえすがえす惜しい天才を亡くしたものです。
会場の一角に2002年の松屋銀座クリスマス・プロモーションで、彼女がアート・ディレクターの古平正義さんと組んだ作品が集まっていましたが、これは大いに見覚えのあるもの。手造りポスターやショッピングバッグ、ショーウインドウや店内装飾など、白、赤、黒だけのシックでスタイリッシュな都会派感覚が鮮烈でした。
てなわけで図録代わりに出版されている『森本美由紀』(河出書房新社・1800円+税)という書籍を買いました。この展覧会がそっくり収録されている感じで、これまた結構な出来映えでした。
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